見出し画像

人が思考する

「人が思考する」

これは大変奥深いテーマだと思います。
人は常に思考している生き物です。しかし多くの場合、その「思考」自体を目的と捉えることは少ないと思います。

例えば、児童や生徒に学校の授業で何をしているかと問えば、ほとんどの人は「勉強」をしていると答えるでしょう。「思考」をしていると答える人はあまりいないと思います。「勉強しなきゃ!」という子どもはいても、「思考しなきゃ!」という子どもはいませんよね。やはり「思考」ではなく「勉強」を目的だと理解しているということです。

では、会社勤めしている社会人に会社で何をしているかと問えば、今度は「仕事」をしていると答える人がほとんどでしょう。「思考」していると答える人はまずいないと思います。あくまで目的は「仕事」であり、さらには、「任務の遂行」や「課題解決」、「目標達成」といったことが目的になると思います。

このように、「勉強」や「仕事」は目的として捉えられても、「思考」を目的として捉えるということは人生においてあまりないというのが実際のところだと思います。「思考」はあくまで何かの目的を達成するプロセスとして自然に行われているものであって、それ自体が目的になることはない、あるいは目的とすること自体がおかしいとさえ思われているかもしれません。

特に現代はあらゆることが目的重視で、とにかく答えさえ得られれば良い、少しでも早く簡単に答えを得たい、むしろ考えずに答えが得られればそれが一番、という風潮がある気がします。AIの発達がさらにそれを加速しているようにも思います。AIを活用して「最適な答えを最速で出せる」ことがこれからの正義、そんな空気すら感じます。

もちろん、AIのメリット自体を否定するつもりはありません。その効果は幅広い分野で活かされると思いますし、それによって救われる人も多勢いることと思います。

ただ、人間の思考をAIのように「最適な答えを最速で出す」という方向に求め過ぎていくことには少し懸念を覚えます。人間の思考がどんどん機械的になり、最適な答えを少しでも早く導き出せる人が「有能な人」と評価される。これはある種、「人間の思考のAI化」とも言える気がします。そうなれば、むしろ人間よりもAIの方が早くて確実ということになるでしょう。

では、人間の思考がAIに置き換わっていくものだとしたら、人間はもう思考する必要はないのでしょうか。「いいじゃん!考えずに済むならその方がいいに決まってるじゃん!」という考え方ももちろんあると思います。行動選択に悩むこともなくなるでしょうし。でも、そうやって人間が思考することを放棄してしまっていいのだろうかとも思うわけです。私はむしろ、「単に答えを出す思考」から解放される分、人間はより想像と創造のために「思考」を活かせるようになるのではないかと期待しています。

自分や家族、あるいは所属するチームや組織の未来にとって本当に大切なテーマについてじっくり考える。自由にクリエイティブに全集中して考える。そういうことこそ人間が担う「思考」になっていく可能性を感じています。これはまさに「思考することを目的とする思考」とも言えると思います。

それを、ただ悶々と頭の中で堂々巡りするような思考をするのではなく、自らの手を使って想像力と創造力を生かしてプレイフルに行える方法があったらどうでしょうか。

例えば、自分の思考をレゴブロックで形にすることで一旦「頭の外」に出して、見たり触れたりできるものにして、それを見せながら人と語り合い、かつ人の思考と組み合わせたり、並べたりしながら、どんな新しい知識を得られるかを探求していく。そんなやり方があれば、それは何かとても創造的で人間的なプロセス、人間的な思考ではないかと思うのです。

ーーー

実際、そんな技法を自ら体験しつつ、提供する側(認定ファシリテータ)になれる資格を得られる4日間のトレーニングがあります。

「レゴ®シリアスプレイ®メソッド認定ファシリテータ養成トレーニング」です。

4日間のなかなかハードなトレーニングですが、「思考」について自らの体験を通じて新たな知見を得られる内容です。年内は以下日程のみ空席があります。

11月30日(木)- 12月3日(日)
開催予定地:静岡市内(最寄駅:静岡 または 東静岡)

ご興味ある方は是非こちらをご覧ください。
https://www.seriousplay.jp/blog/category_info/training/

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?