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読書報告その6 ガストン・ルルー 長島良三 訳 『オペラ座の怪人』

今月の読書報告です!
今月はガストン・ルルーの『オペラ座の怪人  』。
こちらは、 角川文庫より出版されている 長島良三 翻訳のものになります。

言わずと知れた名作ですね。
ミュージカルになっていたり、色んな作品で題材になっていたりします。
現在だと、映画館にて『オペラ座の怪人 4Kデジタルリマスター』が公開されていますね。

まぁこれを見に行くために、今回読んだのですが。
既に見に行っており、こちらはこちらで感想を投稿しますので、少しお待ちくださいね。

舞台は19世紀末のパリ。
オペラ座ではたくさんの不可思議な事件が起きていた。
オペラ座の怪人と、彼愛した歌姫、その歌姫を恋している貴族の男。
彼らが渦中にいた事件、その真相とは。


こんな人にオススメ!

ドロドロしたお話が読みたい人!

ドロドロしたお話が好きな人!読も!!
こんな単純な言葉で表していいものではないかもしれませんが、要するに三角関係です。愛重たい系男子の話です。
愛重たい系男子が好きな方なら、あのシーンやこのシーンで嬉しくて笑ってしまうのではないでしょうか。私は笑いました。嬉しくて。

好きな作品が、オペラ座の怪人を題材にしたものを扱っている人

割とこれ、あるんじゃないでしょうか。
私自身、A3!を遊んでいた時があったのですが、その中にもオペラ座の怪人をオマージュしたのであろうものがありました。
ほかの例は思い浮かびませんが、他にもあるでしょう。
オマージュ元を知っていると、また新たな楽しみ方があるのではないでしょうか。
そういった楽しみ方をする為にも、読んでみてはいかがですか。

読んだ感想

どうしてこのタイミングで読んだかというと、オペラ座の怪人 4Kデジタルリマスターが公開されるから。
以前にも読んだことがあったのですが、その映画を見に行く前に改めて読もうと思いたったのが今回です。

さて、以前読んだのは(秘密)年前でした。
その時は、オペラ座の怪人ことエリックに思いを馳せていたのを覚えています。
435ページ終わりからの、エリックの長いセリフ。章タイトルとしては「27 〈怪人〉の愛の終わり」でしたが、私はエリックの独白と読んでました。
いや、全然独白ではないんですけど…彼の話す言葉を聞いている人はいるんですけど…

読んだ方はご存知だと思いますが、このシーンでは、彼女との時間がどれだけ幸福だったかを語ります。
その幸福は、多くの人は手に入れることがそこまで難しくないであろう幸福でしたが、エリックには得がたいものでした。
当時の私は、率直な言葉を使えば、エリックのことを可哀想だと思いました。同情と言ってもいいかもしれません。
可哀想なエリックだから、幸せになって欲しかったのだと思います。

ただ改めて読み直した時、私は素直にエリックに幸せになって欲しいとは思えませんでした。

エリックの言葉の中に、

だれかに愛してもらいさえすれば、私だって優しくなれるんだ!

オペラ座の怪人 ガストン・ルルー 中島良三 訳 374ページ6行目

という言葉があります。
いや、私もね、誰かに愛されることで優しくなれるというのは一理あると思っています。
誰かに愛されることで、愛し方を知るかもしれません。
誰かに愛されることで、自己肯定感が高まり、誰かに優しくできる余裕が生まれるかもしれません。

だけどね。それを監禁してる相手に言ってはいけないと思うんだ!?
脅している相手に、愛されることはないと思うんだ!?ストックホルム症候群ですか!?!?
引用した文章の前後を読んでも、エリックは自分の幸せのためにクリスティーヌを愛しているのであって、そこに彼女の想いは関係なさそうなところというか。
強要された生活の中で、クリスティーヌが幸せを得るためには、彼女が心の底からエリックを愛さなくてはならないという条件付きなところというか。
おそらく今の私は、可哀想なエリックよりも、可哀想なクリスティーヌに感情移入しているのだと思います。

だからといって、エリックが最低な奴だ、救いようのない奴だともおもえないのです。
私の大好きな 27 〈怪人〉の愛の終わりを読むとどうしても、彼を最低な奴だと切り捨てることはできないのです。

おそらく彼は、誰かに愛されたかっただけだとは思う。
やり方が分からなかっただけで。

幼い頃に多くの人が得られるはずの、母親からの愛情を得たかっただけだとは思う。
母親からの愛情を得られなかったから、クリスティーヌという別の女性に求めただけで。

そんな彼を最低な奴と切り捨てることは出来なかったのです。

分からなくなってきたので、強引にまとめるとしましょう。

数年前に読んでいた時は、可哀想なエリックの幸せを祈っていました。
ただ今回読み返してエリックの幸せは、クリスティーヌがラウルとの未来を諦めた上で得られるものだと感じました。
だからこそ私は、純粋にエリックの幸せを祈れなくなったなぁと。
以前はエリックのことだけを、今回はクリスティーヌのことも考えられるようになっていました。
次呼んだ時には、ラウルのことも考えられるようになっていたりして、と今から数年先に読むのが楽しみにしています。

また、冒頭でもお伝えした通り、読み直したのは映画を見に行くためでした。
実際に映画館に行き、見てきましたので、映画の感想も後日投稿予定です。

当てにならない次回予告

さて、今回とやってきました。当てにならない次回予告でごさいます!
多分ですが次に読む本は、司馬遼太郎の「燃えよ剣」か永倉新八の「新撰組顛末記」じゃないかな。多分ね
理由?刀ステ心伝、とだけお伝えしておきましょう。

さて、ここまで読んでくださったあなた!
本当にありがとうございます。
この記事や私が、まだ見ぬ素敵な出会いのきっかけになっていれば幸いです。
それでは、最後までお付き合いくださいました貴方に。
素敵なことが起こりますように♪

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