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デザイン経営セルフチェック

ビジネスにおいてデザインはますます重要になってきています。企業の競争力を高める経営手法として、経済産業省・特許庁は「デザイン経営宣言」を発表しました。今回は、この「デザイン経営宣言」に記されている7つの取り組みを参考に、マネーフォワードの現状についてセルフチェックを行ってみました。

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1. デザイン責任者(CDO,CCO,CXO等)が経営チームへ参画する

デザインを企業戦略の中核に関連付け、デザインについて経営メンバーと密なコミュケーションを取る。

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マネーフォワードでは以前から経営メンバーのデザインに対する関心は高く、CDOの設置を積極的に検討してきました。2020年9月から、私がその役割を務めています。各経営メンバーとコミュニケーションを取りながら、経営にデザインの視点を取り入れ、ビジネス、テクノロジーと同様に、意思決定の重要な要素としてデザインが扱われています。

2. 事業戦略・製品・サービス開発の最上流からデザインが参画する

デザイナーが最上流から計画に参加する。

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プロダクト開発においては、できるだけ早い段階からデザイナーが入ります。デザイナーの立場が弱いということはなく、しっかりと意見を反映することができる環境です。しかしながら、プロダクトに対してデザイナーの数が追いついておらず、行き届いていない場面もあるのが今後の課題です。事業戦略においても、デザイナーが積極的に関与できる会社です。

3. 「デザイン経営」の推進組織を設置する

組織図の重要な位置にデザイン部⾨を位置付け、社内横断でデザインを実施する。

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マネーフォワードではより事業に対する高い解像度を持ちながらデザインを行うため、各事業部内にデザイン部を設置しています。さらに、全社横断組織として、デザイン戦略室を設置することで、縦と横でつながるデザイン組織を構築し、デザイン経営を実施できる組織体制を整えています。

4. デザイン⼿法によって顧客の潜在ニーズを発⾒する

観察⼿法の導⼊により、顧客の潜在ニーズを発⾒する。

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マネーフォワードのValueのひとつには「User Focus」があり、デザイン手法をベースにしたユーザーリサーチは積極的に行われています。一方で、プロダクトは複雑化しており、ユーザーの潜在ニーズの発見が困難な場面もあります。これからより一層強化していきたいという思いから、厳しく評価し「△」としました。

5. アジャイル型開発プロセスを実施する

観察・仮説構築・試作・再仮説構築の反復により、質とスピードの両取りを行う。

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マネーフォワードではスクラムを中心としたアジャイル型開発を行っています。通常のスクラム開発をベースに、定期的なユーザーインタビューや定量調査をスクラムイベントに組み込んだ「ユーザーフォーカススクラム」という手法も用いています。

6. 採⽤および⼈材を育成する

デザイン⼈材の採⽤を強化する。また、ビジネス⼈材やテクノロジー⼈材に対するデザイン⼿法の教育を行うことで、デザインマインドを向上させる。

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マネーフォワードのデザイナーは約40人という規模になりましたが、まだまだ成長中であり、デザイナーを募集中です。育成、サポート体制も少しずつ整ってきてはいます。またノンデザイナー向けのデザインプログラムについても現在準備中です。いずれも仕掛かり中ということから「△」評価としました。

7. デザインの結果指標・プロセス指標の設計を工夫する

指標作成の難しいデザインについても、観察可能で⻑期的な企業価値を向上させるための指標策定を試みる。

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NPSの導入やコンバージョンの計測など、プロダクトのパフォーマンスを数値化する取り組みは行っていますが、デザインの結果指標として明確に定義られているものは少ないです。指標の策定を計画中ですので「△」評価としました。

まとめ

今回はデザイン経営宣言を参考に、簡易的にセルフチェックを行ってみました。マネーフォワードでは以前からデザインに対する関心は高く、デザインがビジネスの重要な要素として捉えられてきました。体制としては少しずつ整ってきていますので、近い将来には「△」と評価した項目がクリアできるよう、引き続きデザインを取り入れた経営に取り組みます。

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