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状況観察

あこがれのレビュー論文を発表しようと始動したわけですが、そのためには論文を1.短期間に、2.しっかりと、3.読んでまとめ、ねばならないわけです。この10連休に読了してまとめを記事としてあげていく予定だった2論文ともに全く未着手。

そもそも年末へ向けて社会が堕落してく中で自分も酒飲んで堕落するのがなにより楽しいので、酒は減らそうと決めていたのに26日から休みが始まってあっさりそのまま4連日で酒浸りになってしまい(10連休とはなかなかタフなもので)、全くまともに読めていません。

とはいえわかったこと

生物起源揮発性有機化合物(Biogenic VOC: BVOC)の分野はいまでも着実に発展しており知らない若手がどんどん出てきている。師匠すらわからない名前の人もいるという状況は肌で感じましたね。

はじめの記事で書いた通りBVOC全体のレビュー論文を書くなんてとんでもない話、というより数冊の教科書になってしまうので論文として成り立ちませんから、私が得意としていた高分子量のものに絞っていくなり、森林生態系との相互作用に着目したものの中からさらに何かのふるいをかけていかないと「こりゃあ手に負えたものではないな」ということはわかりました。

挑戦する価値が大きいとより強く感じた

私がBVOCの研究を大気化学の一分野として始めよう、微量分析の技術を使ったらなんとかなるんじゃないか、と思い実際に行動を始めたころは完全に知らない惑星へ踏み込んだような状態でした。なにをしたらいいか全くお手本がなく、少なくとも国内に「観測ベースでやりたいです」という学生の思いにこたえてくれる人なんていませんでした。

いまの学生やポスドクたちは全く環境が違うというわけです。BVOCの世界には多くの先駆者がおり、若手が目立つためにはなにかそうとうニッチなことをしなくてはどうにもならない状況に見えます。私のころは少なくとも国内ではBVOCというだけで十分ニッチだったのでその点は楽でした。

もともと私は大気化学を始めたときからニッチなところを狙うのが好きでそういう形が染みついています。たとえば環境中の成分としてある物質がすでに有名だったら「その物質ができるためには別の物質が存在したはずで、それを見つけてはどうか」といった発想です。

BVOCに関心を持つようになったきっかけはそういう理由でした。

ニッチなものを見つける道しるべになればよい

7年のブランクののち最新論文を読んでみて衝撃的だったのはなにしろやってることが細かい。おそらく私の時代には「こんなの測りました。見たことないでしょ?」でなんとかなっていたものが既にやりつくされて、そうはいかなくなっており精緻な統計解析や環境操作など込み入ったことをしないと若手の論文ひとつ出せない状況のようです。

私もこうしてびっくりしているだけではだめなので、ある程度数を読んでいきながら得意のニッチなところを探す嗅覚を活かしていきたいと思います。研究というのはアインシュタインやオイラーのような無茶苦茶な人たちが立て続けに出てこない限り必ず活路があるものだと私は考えています。

2論文も読めていないのでなんにも言えませんが、いいレビュー論文を書いて「若い人たち、こっちに抜けるとなんとかなりそうだよ」といえるようにしていきたいものです。

万年軍曹の大きな挑戦は始まったばかりです。応援していただければ幸いです。

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