雨の日歩きながら牛丼を食べるサラリーマンを見た
壁がガラス張りの小さなバーでワンオペ
10秒歩いたら髪が潰れるくらいの雨の日
グラスを拭きながら外を眺めていた
もともと多くない人通りでその日はほとんど誰も歩いていなかった
そんな時、傘を頬と肩の間に挟み牛丼を食べるサラリーマンが目の前を横切った
ドラマみたいにスローモーションでキラキラのエフェクトも見えた気がする
私は完全に魅了されてしまった
もともと歩きながら食べる人に魅力を感じていたので不思議な話ではない
今まではおにぎりやパン、カップラーメン、おでんまでなら食べている人を目撃したことがある
その度に私の口角が少し上がるのを感じていた
私は普段から、社会の一員として日々働く人を尊敬しているので、目に見えてそう感じるスーツを着た大人には心の中で感謝を伝えることもある
事実に関係なくわたしの脳内では働く人を崇め奉っている
そして、食べることは生きることを信じているため労働人生を送っている人の生活を感じる行動を尊く思う
歩きながら牛丼を食べるサラリーマンをそれから見かけることはなかった
というよりかは、一途に牛丼を食べていたため顔が分からなかったのですれ違っても気づけないかったのではと思う
彼がどのような心情で牛丼と向き合っていたのか想像してみる
とっても疲れていて帰宅後、即就寝したいから
あまりにもお腹が空き待ちきれなかったから
歩きながら食べる牛丼が1番美味しいから
もっとロマンチックで情緒的な理由かもしれない
本当のことは分からないけれどただそれを好き勝手に考える
もし何かの刑法や憲法に違反しているなら教えて欲しい
きっとこれからも何度も思い出す姿なのは確かだ
大袈裟ではなく人生の支えになる気さえする
今日だって初めてのnoteを書く勇気をくれたのだ
とってもありがとう
次はなにを歩きながら食べるのだろう
ぜひまた目撃したいな
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