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本気で子供に向き合えるか?

品川駅から新幹線に乗ろうとして、少し早く着いたので本屋さんで本を物色していると、
誰かが危険な目に遭ってるのかと思うような神経に突き刺さる叫び声が途切れなく聞こえてきた。

思わず身構えてしまう声に目を向けると見えてきたのは家族連れ。
パパとママとママの抱っこ紐に1歳くらい(寝てる)の子と、声の主はお姉ちゃん、多分4~5歳。

大人でも出せないレベルのボリュームで言葉にならない叫び声から伝わるエネルギーは怒りと抗議。両親も困り果てる叫び声だけど冷静に見るとそれは彼女のネゴシエーション。

多分お母さんに抱っこしてもらいたいが、妹(もしくは弟)がそこに居座り、その上こんなに叫んでいるのにも関わらず一向に起きる気配なく爆睡していることに激怒。

両親が周りの目を気にして、自分を軽くいなして、さっさと歩みを進めようとしていることにも激怒。

見たところ悲しくはなさそうで泣いてはいない。

床に寝転んで動かないつもりなのだが、お父さんがそんな自分を抱っこしようとしたり、立ち上がらせて歩こうとさせると全身反らせて抵抗。

自分の目標を達成させる為に自分が持ちうるありとあらゆるカードを切っている。

そんな彼女のカードは
・床に寝転ぶ
・叫ぶ
・手足バタバタ
・反り返る
と限界がある。

それを同時に何度も切るが、
残念ながら、愛する両親に届かない。届いてない。

それでも彼女はあきらめない。

全身汗だくになって一生懸命訴える姿にこの熱量と同じ熱量で向き合ってくれる大人がいるといいなと思った。

つい、子育てに孤軍奮闘していた昔の自分を思い出した。
30台の頃のワタシはいつも忙しくて、なかなか時間がなかった。

でも、このレベルの熱量で息子しゅんしゅんが何かを訴えて来た時は、予定をキャンセルしてでも息子が納得するまで一緒に座り込み、とことん彼の想いや感情に向き合った。

しゅんしゅんが怪我をしたり熱を出したりするのと同じ重さで彼のこの魂の叫びを真正面から受け止めた。

自分の叫びに誰も耳を傾けてくれない。と心を閉ざしたり、諦めたりする子には育って欲しくなかったし、どんな事があってもしゅんしゅんの魂の叫びはこの私がいつ何時も受け止めると決めていた。

人生いつも自分の意図通りになるとは限らない。自分の意図通りにならない怒り・要求は、とことん一緒に誰かが向き合うと悲しみに変わる。

ワタシに対する要求も、時と場合によって叶わない時も沢山あるし。

挫けた自分の意図や叶わない夢の前に打ちひしがれて、嘆くしゅんしゅんのアタマを抱きしめながら何度撫でたことだろう。

こっちが泣きたくなることも何度もあった。

子育て真っ只中のお父さんお母さんはとにかく忙しい。ワタシもそうだった。育児に仕事にバタバタ追われていたな。余裕がなくて有り得ないミスをしてしまい自己嫌悪で消えたくなったことも2度や3度じゃない。

でも、しゅんしゅんには本気で向き合って生きてきた。
人生本気で生きてます。そんな後ろ姿も見せてきた。

名前も知らないけれど、
断末魔のような叫びをあげ続ける
その可愛らしい女の子に、
ガンバレ!ってココロの中で応援した。
君の行動力はすごい。
そのデカい声、なかなか出せない、出し続けられない。
あきらめないその姿、すごいぞ。
君の想いがワガママだと思われない様に祈ります。
その努力が報われる時がきっと来るとワタシは信じたい。




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鮎永麻琴
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