見出し画像

ある朝のこと、その少し前 明け方のこと

情けなさとくやしさに、迫られた日。

自分を傷つける思いとの付き合い方が、
少しはうまくなったなずなのに、
そこに置いておけない、葉っぱごと流れてもくれない。

なにも変わってなかった自分を、思い知らされた日。

いつもなら一晩中、眠れない。
でも、昨日までの分も、明日からの分も、まとめて疲れた。
疲れが勝ち切ることに賭けて、横になった。。


たぶん眠った。
意識のない時間があったことを、おぼえているから。

が、もうひと眠りしないと、あとで仕事に差し支える。
疲れの取れ具合が10のうちの4、短針の数字も4。

回復した分のエネルギーが、頭だけ働かせる。
諦め物語の続きが始まり、
クライマックスの筆が冴える。

自分は、陸に向かって逃げるイルカだろうか。

シャチの群れを振り切り、
生き残る可能性を求めて泳いでいるはずが、
岩礁に突き当たり、砂浜に打ちあがり
衰弱していく。

未来につながる道だと願ってきたけど、そうではなかった。
海はもうない。

もし、クライエントさんがこんな思いでいらっしゃったら、
自分に何ができるだろう。
ここで仕事のことを考えるのはケナゲだが
そこから何も思いつかない。もっと情けなくなる。

自分なりにがんばってきたんだけどなぁ・・・


マスコットだけは、そのことを知ってくれている。
ふいにそのことを思い出した。

仕事が全然なかった頃、お稲荷さんで買った、
きつねのマスコット。
マネージャー兼、福の神の使い。

仕事用のバッグの持ち手にぶら下がりながら、
いつも見ていてくれた。

少しずつできることが増えていくたび、嬉しかった頃
いい気になって失敗し、反省し、また頑張ろうと思った日

こころに少しあかみがさし、
眠れるなぁ、と思った。


疲れの取れ具合、短針の数字、ともに7。
朝が来た。
心地としては、こんなもん。

で、もう一回、ふいに、思った。

「自分は選べる!」

鋼鉄の板を踏みしめて、溝にはまり込むことも
10円拾ったくらいの成長を、いとおしむことも

目の前の海に気づかぬよう、下を向くことも
陸に上がったら上がったで、しょうがない
割り切りとカラ元気で、歩き出しちゃうことも


<解説という名の言い訳コーナー>

「コノヒト、ダイジョウブカシラ」と
モヤモヤされたことと思います。

今回は、「私のこころの治癒力」体験記のつもりで書きました。
(ステマとかのたぐいではないですよ!)

より正確には、“私がイメージしている”心の治癒力、に合う
体験であって、本当は別のものである可能性もあります。

ですが、本当に、唐突に、
「気持ちが変わり回復に向かう瞬間が訪れるものだなあ」
と、人の中に備わる不思議な力を実感したのは確かです。

下線部のところの唐突さは、リアルに描いたらそうなった次第です。
「手抜き」「作文事故」と思った方がほとんどだと思いますが。 

「きつねのマスコット」も「自分は選べる」も、
読者の方には、それ自体が、なぜなぜワードだと思います。

両方とも、私なりの意味や、心理臨床的な考察は可能ですが、
それはまた別の機会に。

最後に、
「マスコット“だけ”が知っている」と書きましたが、
そんなことないですよね。

「私も知っているのに! 恩知らず!」
と思われた方、本当におっしゃる通りです。
いつもありがとうございます。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?