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「虹トーーク!!withきのコさん」開催!~LGBT当事者トークイベントレポート~

こんにちは、セプテーニグループnote編集部です。

セプテーニグループでは、CSR活動の重点テーマの1つに「ダイバーシティ&インクルージョン」を掲げており、その一環として、グループ横断のLGBT&アライネットワーク「SEPALLY RAINBOW(セパライレインボー)」を組成し活動しています。

今回は、その「SEPALLY RAINBOW」で活動しているメンバーからの寄稿記事第3弾です!

■第1回の記事:
「SEPALLY RAINBOW」ってなに?  ~第1回:活動内容について~
■第2回の記事:
アライとは? ~第2回:LGBT当事者インタビュー。ゲイの実生活と私たちができること~

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こんにちは!「SEPALLY RAINBOW」メンバーの岩瀬です。

「SEPALLY RAINBOW」では、社内啓蒙活動の一環として、様々な社内イベントを行っています。先日、LGBTQ当事者(パンセクシャル、ジェンダークィア)のきのコさんをゲストにお迎えし、トークイベント「虹トーーク!!」を開催しました。
今回はそのイベントでお話しいただいた内容をお届けします!

■ゲスト

プロフィール写真

きのコさん
文筆家兼サラリーマン。
1983年福岡県生まれ、九州大学大学院修了。
2012年より、LGBTQ当事者(パンセクシャル、ジェンダークィア)
であることをカミングアウトして活動している。
認定NPO法人グッド・エイジング・エールズのメンバー(http://goodagingyells.net/

※パンセクシュアル:人、という括りで好きになる。性別や、LGBTなど既存の性別の枠組みにあてはめず好きになる。
※ジェンダークィア:性同一性(gender identity)が、既存の性別の枠組みにあてはまらない、または流動的な人を指す。

きのコさんのカミングアウトについて

―カミングアウトのきっかけは何だったのでしょうか。

中1のときに、自分は男性以外も好きになるのだということを自覚しました。当初は、一過性のものかと思っていました。
しかし、成長していくにつれて、男性も好きになるし、女性も好きになるな、と確信しました。

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ーカミングアウトの時期はいつですか。

LGBTであると周りの打ち明けはじめたのは社会人になってからです。
27~28歳で初めてカミングアウトしている人がいたので、少しずつ、私もカミングアウトしていきました。

ーカミングアウトして良かったこと、逆に失敗したなと思ったことはありましたか。

特別な扱いをされるのではなく、「自分の友達にもそういう人いるよー」というような、普通な受け止め方をされた時に、言ってよかったと思えました。逆に、「大丈夫!」などと励まされたりすると、違和感があります。

失敗したなと思ったのは、会社の飲み会でカミングアウトしたときに、「気持ち悪い」「私を好きにならないでね」などと言われたことがありました。
お酒が入った状態では真剣に聞いてくれないのだと思ったし、大勢の場でカミングアウトして、冗談のように扱われてしまいました。

LGBTQへの偏見、誤解について

ー私生活で困ることはありますか?

「彼氏いるの?」と聞かれることが一番困りますね...
「彼氏いるの?」などの質問は、LGBTQにとって、言われると困るワードなので、そういったことを聞きたい場合は「お付き合いしている人はいるの? 」と言い換えるのが ベターだと思います。

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相手の恋愛に興味を持つのは良いと思いますが、気軽にネタにすると地雷を踏む可能性もあります
宗教や政治の話を簡単にしないのと一緒で、初対面で、恋愛話をするのはハードルが高いと思います。

LGBTQ当事者と、会社での生活

ーどのような環境作りをすれば良いのでしょうか?

社内制度とかシステムを整えることはもちろん重要ですが、社内の「空気」や「文化」をつくるほうが、もっと重要だと思います。
制度があっても、利用するためには 何名もの承認が必要で、その人数だけカミングアウトしなければならない場合、申請し辛いです。気兼ねなく制度を使えるという文化が必要だと思います。
また、例えばトランスジェンダーでだんだん性別が変化していく方もいるので、みなさんの理解が広がっていることが一番重要です。

ー同性パートナーシップ制度についてどう思いますか?

誰かから認めてもらえる、という点は良いですが、今の制度では、カバーできない人もいると思います。
例えば、3人で付き合っている人はどうなるのでしょうか?
色々な場合に対応するためもっと寛容な制度や、人に応じた制度が必要だと思います。

そっとしてほしい当事者にはどうすればいい?

ー気を遣われすぎて不快になることはありますか?

全肯定や励ましが強すぎると違和感があります。普通に接してほしいです。
当事者から「困っている」と言われたときに、助けることができれば良いと思います。
また、「LGBTQ=可哀想」と思っている人もいますが、まったくの誤解です。LGBTQは100人いれば、100通りの姿があるので、どうしてほしいかは当事者に尋ねることが大切です。

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ーLGBTQが、当たり前の世の中になっていくでしょうか?

1つの個性として受け入れてもらえれば、当たり前とか当たり前でないという判断基準には、ならないと思います。
LGBTQという一括りではなく、ひとりひとりの個性として、LGBTQという名称がもはや必要なく、すべて受け入れられる世の中になれば一番良いですね。

複数恋愛(ポリアモリー)について

ーポリアモリーとはどういう感情なのでしょうか?

ポリアモリーとは、「ポリ→複数」 「アモリー→恋愛」という意味から生まれた言葉です。
ちなみに、ひとりの人と恋愛して結婚するのは「モノガミー」 です。
複数の人を好きになって、複数の人と恋愛する。それぞれのパートナーに合意を得た上で複数人とお付き合いするので、「浮気」とは異なります。

―好きな人に対する、愛情のパーセンテージはどのようになるのでしょうか?

愛情のパーセンテージなどは特にありません。子供を何人もお持ちの方が、自分の子供に愛情配分のパーセンテージや優劣をつけないのと同じ感覚です。

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―ポリアモリーをカミングアウトするのは大変ですか?

同性が好き、というカミングアウトよりもハードルが高いです。
倫理的にネガティブに受け取られてしまうので理解してもらうのが、難しいです。
生理的に拒否感を示す人もいるから、仲良くなりそうな人には先にカミングアウトしておくのが重要です。

―ありがとうございました!

今回きのコさんにお話しいただいて改めてわかったことは、LGBTQは特別ではなく、1つの個性だということ。

変に意識するのではなく、普通に1つのその人の個性として受け入れ、
お互いに楽しく生活できれば一番ですね!

※本記事は、過去にセプテーニグループ内で公開された記事を転載したものです。年齢、所属等は、掲載当時のものです。

#ダイバーシティ &インクルージョン #LGBT #アライネットワーク #社内イベント #