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「統合報告書2019」発行!セプテーニグループの「価値」「強み」「理念」を追究した制作プロジェクトメンバーインタビュー


こんにちは。セプテーニグループnote編集部です。

突然ですが、みなさんは企業の「統合報告書」を読んだことはありますか?

ちなみにこちらがセプテーニグループの統合報告書です。
https://www.septeni-holdings.co.jp/ir/library/integratedreport/https://www.septeni-holdings.co.jp/ir/library/integratedreport/

「統合報告書ってなに?」「名前からしてちょっと難しいことが書いてありそう」と思う方も多いかと思います。

そこで今回は、セプテーニグループの統合報告書制作プロジェクトメンバーである経営企画部の3名に、「統合報告書とはなにか」という初歩的なことから、統合報告書に込めた想い、そして、読者のみなさんに読んでほしいポイントについて、話を聞いてきました!

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【プロフィール】

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セプテーニ・ホールディングス 経営企画部 次長 呉 鼎
2010年セプテーニに新卒入社と同時に子会社に配属。2011年セプテーニ・ホールディングスに転籍。経営企画課で投資・アライアンス、中期経営計画策定等を担当。2017年からIR課も管掌、現在は経営企画部責任者として様々なステークホルダーと関わりながらグループの企業価値向上に向け奮闘する日々。

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セプテーニ・ホールディングス 経営企画部 IR課 奥野 優
2019年セプテーニ・ホールディングスに中途入社。
IR課のマネージャーとして決算説明会や四半期毎の投資家との面談、株主総会等の業務に従事。
今回の統合レポート制作ではプロジェクトマネージャーを担当。

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セプテーニ・ホールディングス 経営企画部 IR課 岡田 唯
 2015年、セプテーニ・ホールディングスに新卒で入社。
 入社当時からIR課に所属し、決算説明会や四半期毎の投資家との面談、          株主総会運営等の IR活動全般に従事。

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単刀直入にお伺いします、「統合報告書」とは何でしょうか。
そのターゲットや制作目的について教えていただけますか。

奥野)統合報告書は、企業の「財務情報」と「非財務情報」を統合して載せている報告書です。

「財務情報」は、売上や利益、資産や負債などの数値で表せる情報のことです。
一方「非財務情報」は、例えば「どのようなビジョンやミッションを掲げ、どのようなビジネスモデルで社会に価値を提供しているか」ということや「CSR活動ではどんなことに取り組んでいるのか」、「どんな社員が働いているのか」など、財務諸表には載っていないその企業固有の資産を指しています。
どちらも企業の価値や強みを表す重要な情報です。


「非財務情報」の開示がなぜ企業の価値・強みになるのでしょうか。


奥野)統合報告書のメインターゲットは投資家の方々です。当社が事業活動を行うことができたり、新規事業をはじめ様々なことにチャレンジできたりするのは、多くの投資家からの資金調達があってのことです。

昨今投資家のみなさんに、企業経営のサステナビリティ(持続可能性)を評価するという概念が普及してきていて、「非財務情報」にあたるESG(環境・社会・ガバナンス)の要素を考慮して投資判断が行われることが多くなってきています。

「非財務情報」は短期的な業績への影響は見えづらいですが、中長期でみると、財務情報や持続的成長に寄与してくるものだと考えられています。
例えば、「ミッション」や「ビジョン」から、どういう考え(価値観)のもと事業を進めていて、それが顧客視点で物事を考えているかということや、ガバナンス体制を整え、リスク発生による影響を最小限に抑えられるようにしているかなどが、企業の価値や持続可能性につながってくるんです。

こうした流れを受けて、従来の株主向け報告書は「事業報告(株主通信)」のみで、財務情報が主でしたが、より重点的に自社の成長戦略やストーリー、財務だけでなく非財務情報での独自の取り組みと方針を伝達するために、2018年から統合報告書を作成しました。

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岡田)代表の佐藤とも統合報告書の位置づけについてよく話していますが、決算説明会資料は直近3ヶ月の取り組みを伝えるツールなのに対し、統合報告書は、今現在やっている取り組みに加えて、セプテーニグループのアイデンティティや社会とのつながりなど、より上位概念的な部分をステークホルダーに伝え、10年後、20年後・・・といった長い期間で当社の企業価値を感じていただくためのツールだと考えています。

当社としても統合報告書で「非財務情報」を開示していくことで、短期的な業績だけでなく、長期的な視点で当社の事業の成長性や持続可能性を評価し、期待・応援してくれる投資家や株主を増やしたいと思っています。いわゆるファンのような投資家・株主に長期で応援してもらえることは、上場企業が長く事業活動を続けていくためにとても重要なことなんです。

なるほど。投資家や株主と聞くと遠い存在のように感じますが、自分たちの日々の事業活動と密接に関係しているんですね。
2018年から制作されたということですが、表紙も中面もテイストが異なりますね。それぞれどのようなコンセプトで制作したのですか。

統合報告書_表紙

岡田)昨年は統合報告書制作初年度ということで、まずは自社の資産にフォーカスしようというコンセプトで制作しました。「社員がイキイキと働いていることが当社の最大の資産です」というメッセージを込めて、表紙にも中面にも社員をたくさん登場させていました。

2年目である今回は、そこからアップデートをかけています。
表紙デザインでいうと、変化をつけたいということからあえて写真は使わず、シンプルで洗練されたデザインにしました。右に向かって広がる赤と青の2本の線は、今年の統合報告書のメインコンテンツのひとつでもある中期経営方針のテーマ「ドメインの拡張」をイメージしています。

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「統合報告書2019」版では価値創造モデル(P12‐15)」が非常に印象的でした。制作にあたり苦労された点はありますか。

統合報告書_価値創造モデル

奥野)「価値創造モデル」ですね。今回の統合報告書で最も注力したポイントでもありますし、だからこそいちばん苦労したとも言えるのかなと。「価値創造モデル」は、当社が展開するBtoB、BtoC様々な事業が、どのように社会に対して価値を提供しているかを
一つの図で表現することが求められるのですが、この形に行きつくまでにプロジェクトチームメンバーや制作会社の方々と何度も何度も議論しました。

制作会社さんにご提案しただいた初案の内容を、もっと当社らしく表現するにはどうすればいいんだろうとプロジェクトチームで試行錯誤しました。会議室で膝を突き合わせて何パターンも価値創造モデルを作ってみたのですが、どうもしっくりこない。いちど基本に立ち返って、「オクトパスモデル※」に則ってつくろうということになり、作ってもみたんですけどこれも完全に納得できるものではない。そこでやっと分かったことは、必ずしも「型」に嵌めなくても良く、自分たちの感じる価値をそのまま形にすることが良いということでした。

そこで、昨年多くの社員にも協力してもらい、ワークショップを行って、自分たちの価値を明確化していたので、それをベースにつくろうということになりました。制作会社さんも含めて再度作り直そうということになり、制作会社さんのチャレンジ精神にも助けてもらいながら、セプテーニグループの「強み」や「固有の組織風土」をあらためて言語化するところからスタートしましたね。そこで出た案が完成版の原型になっています。

“OS(セプテーニグループの強み)が土台としてあり、その上でアプリケーション(事業)を展開している。その事業を通じて人と産業をエンパワーすることが、ミッションである「ひとりひとりのアントレプレナーシップで世界を元気に」につながっている。”という、OS、アプリケーション、ミッションそれぞれがどのように相互作用しているかを表現すのはとても苦労しましたが、結果的に当社らしい「価値創造モデル」ができあがったと思っています。

岡田)言葉選び、図の位置関係などにもかなりこだわりました。細かい話ですけど、中期経営方針のテーマ「ドメインの拡張」を表すには、どれくらいの角度で矢印を拡げ、どのあたりの位置に文字を配置するのがいいのか、などなど。この価値創造モデルは、統合レポートの全体像を示すものでもあると考えていたので、その点も達成できるように徹底的に議論して進めました。細かいアップデートは必要かもしれませんが、今後の統合報告書を考える上でも大きな土台ができたと手応えを感じています。

奥野)社員のみなさんも、ミッション自体は覚えていても自身の業務がどのようにそのミッションにつながっているのかは普段意識しづらいと思うので、そこを再認識してもらえたらと思います。また、中期経営方針である「ドメインの拡張」が示すビジネス展開のイメージも可視化できているので、ぜひみていただけたらと思っています。

※国際統合報告委員会(IIRC)が提唱する統合報告フレームワークの価値創造プロセスのモデル図


「統合報告書2019」版で一番読んでほしいポイントはどこでしょうか。

呉)まずは社長メッセージ(P4-7)です。ここでは代表の佐藤がグループの長期的発展のために今どのようなことを考えているのかがわかるかと思いますので、ぜひ読んでいただきたいです。

次に「価値創造モデル」のところは、社員のみなさんには見てほしいですね。(P12‐15)
現在社員数は約1500人、グループ会社も30以上ある中で、グループ全体で価値観を共有するのが難しいフェーズだと思っています。そうした中で、改めて自分たちの強みや理念がなんなのかがちゃんと言語化されています。

ただ、「価値創造モデル」は正解がないものなので、今回制作に携わったプロジェクトメンバーが言語化と図式化をした結果このような捉え方をしましたが、「こんな部分も強みではないだろうか」とか「この領域が我々が捉えるべき市場のポテンシャル(またはリスク)である」みたいな意見があれば、社員からどんどんあげてほしいですね。

あと、ガバナンス(P22-25)については、ここ数年で様々な改革を行い、先進的な体制を整えています。社外取締役メッセージ(P25)も入れていますので、ぜひ読んでいただきたいです。
また、普段なかなか伝えられていないCSR関連の取り組みについても綺麗にまとまっているので、こんなことやっているんだなということを知っていただけたら嬉しいです。

統合報告書のメインターゲットはセプテーニグループの投資家ですが、お客様、ご家族、就活生など、広範囲のステークホルダーに読んでもらえるとものだと思っています。社員のみなさんにはこれを各自が対話ツールとして使いこなしてもらえると作った甲斐がありますね。

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次回チャレンジしたいことはありますか?

奥野)協力者をもっと募りたいですね。今回も役員や事業会社の方に協力いただきましたが、今後は社内外の人をもっと巻き込んで、視点を広げて行きたいなと思っています。

岡田)私も今まで出せていなかった情報の開示にもっとチャレンジしていきたいですね。
実は今回制作段階で、各取締役の性格特性やマネジメントスキルをステークホルダーのみなさんにわかりやすく伝えるために、「スキルマップ」を掲載する案が上がりましたが、客観性をうまく表現できずボツになってしまいました。しかし、各取締役のスキルや役割を明確化することは、事業やガバナンス面での強みをご理解いただく上でとても重要な情報で、ステークホルダーの方々の関心も高いので、「スキルマップ」以外の表現も含め検討していきたいと思っています。

呉)統合報告書は多くの企業が作成するようになり、大企業であればあるほどきっちりとしたフレームワークに沿った硬い内容のものが多いですが、当社はやはり自分たちらしさ(つよく、やさしく、おもしろく、等)をもっと打ち出していきたいですね。多くのステークホルダーに読んでもらえることが前提にありながらも、もっとエッジが立った内容のものにしていきたいです。

ありがとうございました。

「統合報告書」では、様々な切り口からセプテーニグループの価値が多面的に表現されているということがよくわかりました。
まだ読んでいない方は、2018年、2019年・・・と連続して読んでいただき、当社について幅広く知っていただけたらと思います。


※本インタビューは、セプテーニグループが在宅勤務に移行する前に行ったものです。

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