SEPTENI RAPTURESがアップサイクル衣装に込めた思い【前編】
こんにちは。セプテーニグループnote編集部の宮崎です。
日本発のプロダンスリーグ、「第一生命 D.LEAGUE 20-21」が開幕して半年。6月21日に行われたリーグ最終戦の結果、SEPTENI RAPTURES(以下ラプチャーズ)は惜しくもチャンピオンシップ出場の切符を手にすることはできませんでした。この悔しさを糧に、来シーズンのラプチャーズはもっともっと強くなって帰ってくる。そう楽しみにしているファンの方々も多いのではないでしょうか。
本日のnoteでは、ラプチャーズの衣装にフォーカスしたインタビューをお届けします。インタビュアーは、グループ横断の環境プロジェクト「ECHO (エコー)by SEPTENI GROUP」に所属する新田さん。登場いただくのは、クリエイティブ・ベースTEN10所属のスタイリストの立松さんとPRの志賀さん、ラプチャーズの運営会社PERFの柳さんです。どうぞご覧ください!
柳さん (写真:左)
2009年 セプテーニに新卒入社。モバイル、ソーシャル、ブランド広告など新規部門での事業立ち上げ、推進を経て、2020年にPERF(パルフ)株式会社を設立。現在は同社にて日本発プロダンスリーグ「第一生命 D.LEAGUE 20-21」に参画するプロダンスチーム「SEPTENI RAPTURES(セプテーニ ラプチャーズ)」のゼネラルマネージャーに就任。
新田さん (写真:左から二番目)
2013年セプテーニに新卒入社。営業、オペレーション担当を経て2019年10月よりグローバルプロダクト部に異動。現在はIn-Out及びOut-Inプロモーションの担当営業としてクライアントワークに従事。グループ横断環境プロジェクトの一期、二期メンバーとして、エコな生活を心がけている。
立松さん (写真:右から二番目)
東京都出身。
2011 年 YG ENTERTAINMENT JAPAN 入社。
所属アーティスト (BIGBANG、2NE1) のスタイリングサポート & コーディネーターを経験。
2015 年 独立。
ミュージシャンのスタイリング・衣装製作を中心に活動。その他、俳優、雑誌、広告、TV など様々な媒体を担当。
2021年 株式会社TEN10を市野沢祐大、志賀光と共に設立。
志賀さん (写真:右)
2011 年PR01. 入社。
様々なファッションブランドのPRをはじめ、イベント企画進行などに携わる。
2020 年 独立。
2021年 株式会社TEN10を市野沢祐大、立松秀顕と共に設立。
─ セプテーニグループとして環境問題に向き合うことを目的として、昨年グループ横断の環境プロジェクト「ECHO by SEPTENI GROUP」がスタートしました。グループ内で環境イベントの企画・運営をしたり、グループ会社と一緒に環境方針を策定したりしています。
始まったばかりのプロジェクトなので、いろいろな事例を調べていたんですけど、その中でラプチャーズがアップサイクル衣装を採用しているというプレスリリースを見て。すごく感銘を受けて、是非お話を聞きたいなと思って今日の機会を設けさせていただきました。よろしくお願いします。
ではまず、立松さんと志賀さん、自己紹介をお願いしてもいいでしょうか。
立松さん:
普段はスタイリストの仕事をしています。アーティストやミュージシャン、俳優、ブランドのカタログ、広告あたりがメインです。ミュージシャンの場合、今回のような衣装製作みたいなこともやっているので、リメイクやデザインをすることもあります。
ラプチャーズの衣装製作は、チームディレクターのakihic☆彡(アキヒコ)くんを中心に動いています。akihic☆彡くんが試合ごとにコンセプトを設けているので、その話を受けて、こういう衣装がいいんじゃないかと相談し、デザインして、衣装の形にしていく、というのが大まかな流れです。
─ akihic☆彡さんとは以前から付き合いがあったんですか?
立松さん:
akihic☆彡くんはBeat Buddy Boiというダンスボーカルグループのリーダーとしてメジャーデビューしているんですけど、その頃にスタイリストの仕事で出会いました。その縁でラプチャーズの衣装について相談を受けて今に至ります。
志賀さん:
僕はPRという立場で関わっています。普段はブランドや企業や地方創生などのPR、具体的に言うとメディアとのコミュニケーションから始まって、どういう風にコミュニケーションをとるか、それをどういうスタイルで伝えるかなど、企画・制作ふくめたPRプロデューサーみたいな立ち位置ですね。
─ ありがとうございます。ここで改めて、ラプチャーズが採用しているアップサイクル衣装について教えて下さい。アップサイクル衣装って、どんなものなんでしょう?
柳さん:
リサイクルやリユースとは少し違って、古くなってしまったものや不要だと思うものへの見方を変えて、もともとの形や特徴などを活かしながら、新しいアイディアやデザインなどの付加価値を加えて製作された衣装のことです。アップサイクルは、より価値のあるものに生まれ変わる、とてもサステナブルな概念だと思います。
─ なぜラプチャーズでアップサイクル衣装を採用したんですか?
志賀さん:
今の時代にプロとして世に出る際に、どういうスタンスでいるべきなのかを考えて採用した、という感じでしょうか。
Dリーガーって、若い世代の子たちに発信するメッセンジャーの役割もあると思うんです。それから新しいプロリーグが始まるということは、プロのダンサーが誕生するわけで、オフシーズンも含めて彼ら彼女らがプロとして生活していけるように考えないといけないよねと。
普通にかっこいい衣装をつくるのは誰だって出来るので、なにか差別化できる要素が欲しいなと。それからスポンサー企業の思いにも寄り添えたほうが良い。そのあたりも含めて考えたときに、ちょうどアップサイクルの「EP」というプロジェクトが進んでいて、この考え方をラプチャーズの衣装に導入するのがいいのではと。
立松さん:
他のチームとの差別化にもなるし、チームのブランド、イメージにもなるので良いねという話をしましたね。
志賀さん:
スポンサー企業のCSRやサステナビリティにも文脈として合うし、今後、広告を獲得しにいこうってなったときに、いかにラプチャーズというチームがイメージ良く世に露出できるかってところも考えてアップサイクル衣装を企画しています。
なのでアップサイクル衣装を採用した理由って、目立つから、とか、流行っているからサステナブル、とか、そういうのではないです。サステナブルが大切って当たり前のことっちゃ当たり前のことじゃないですか。その側面を活かしたっていうぐらいなのかなと。
立松さん:
あと毎試合、ショーのコンセプトが違うので、既製服だとそのコンセプトを100%表現できない可能性があった、というのも理由の一つですね。Dリーガーの衣装に必要とされる要素はいくつかあるんですけど、それらをバランス良く表現できるのがアップサイクルで衣装をつくることだったっていう順序な気がしますね。
柳さん:
僕はアップサイクルって作り方のフレームワークだと思っています。それを使って、akihic☆彡さんが衣装に乗せたコンテキストとか、どういうメッセージを込めた上でこの衣装にしているのか、というのをショーで表現してるというか。
ダンスのショーって、構成要素はパフォーマンスとかコレオグラフ(振り付け)だけじゃなく、衣装や楽曲を含め、全部を通して一つのコンセプトやメッセージを届けているんだってことを、akihic☆彡さんと仕事してすごく実感しています。
─ ラプチャーズって、それぞれ別々の活動をしていたメンバーが集って出来たチームじゃないですか。別々のものがアップサイクルによって一つの衣装になるのって、メンバーたちが一つのチーム、Be The Oneになって一つのダンスを創ることにもコンセプトが近いんじゃないかなと聞いていて感じました。
▲「Be The One」はラプチャーズの初戦のテーマでした
完成した衣装を着てダンサーがパフォーマンスしているところを見た感想はいかがですか?
志賀さん:
うちの衣装がいちばんかわいいと毎回思ってます(笑)
柳さん:
僕たちは最初に、サンプル写真でどんな感じの衣装なのか見せてもらうんです。その段階で「あら、こんなかっこいい、かわいいのが出来るんだ」っていう驚きはありますね。
僕たちスタッフもそうなんだけど、ダンサーとかディレクターとかが、あがってきたものをLINEで共有したり届けてもらったりしたときに、毎回歓喜してる。みんな大喜び。
▲ラプチャーズのリーダー、RIRIKAさんのツイッターより
その段階でまず良かったなって思うんです。メンバーみんなが自信をもって試合に臨む状況を作っていただけている。
─ そうなんですね!ちなみにアップサイクル衣装ってどんな流れで製作するんですか?先ほどakihic☆彡さんのコンセプトをベースにしている、というお話がありましたけど。
柳さん:
毎回決まった形があるわけではないのですが、例えばのケースで言うと、コンセプトや曲が先にあって、その中でどういう風に踊るのか、その時にどんな衣装がいいのか、みたいに連想しながら全部同時進行で進んでいく感じですかね。最終的にいろんなものがラウンド前にバチバチって決まっていくというか。
振り付けが決まっていく中で、こういうギミックを入れたいのでこういう衣装にしたいっていう変更点が生まれてきたりとか。けっこうリアルタイムに決まっていきますね。
立松さん:
すごく極端なケースですけど、ROUND.5の衣装って、もともとこれじゃなかったんですよ。ROUND.4までの結果を受けて、急遽使う楽曲やコンセプトが変わったんです。チームを勝たせるために。
▲初めての優勝を果たしたROUND.5
こうなると、もともと想定していた製作期間よりかなり短い時間で作らなくちゃいけなくて。
─ よく間に合いましたね・・・
柳さん:
ぶっちゃけここ土下座したほうがいいかもしれない・・
志賀さん:
まあでも、僕たちが企画する段階で、そういったことにも対応できるだろうっていう目論見があってやってるので。
─ それにしても2週間に1回試合があるっていうスケジュール、すごくタイトに感じます。
一同:
そうなんだよ。やばいよね。
立松さん:
akihic☆彡くんもメンバーも本当にすごい。精神面、体力面とも管理が大変だと思うので、他人事みたいな言い方になっちゃいますけど本当にすごいなって。さっき柳さんが言ってくれてましたけど、本人たちが「これを着て踊ったら勝てる」って、そういうモチベーションを感じながら臨んでもらえると良いなと思いますね。
─ 特に製作が大変だった衣装ってどれでしょうか?
立松さん:
「REFLECTION」で使った衣装ですかね。一旦もとの形を全部バラして、設計図みたいな一枚の布の状態にした後でプリントをしています。この上にさらに一個一個ビニールをかけてるので、工程数はけっこうかかってますね。
▲第3戦「REFLECTION」の衣装
柳さん:
これは大変そうでしたね。
立松さん:
akihic☆彡くんにも手伝ってもらって。ほんと総力戦でやっているような感じでしたね。
─ そうだったんですね。ではいちばんお気に入りの衣装ってどれですか?
立松さん:
三人で指差しますか。せーのでいきますよ。せーの!
柳さん:
あ、みんなバラバラ!
志賀さん:
わかる、俺もそれいいなと思ってた。
立松さん:
これポップでかわいいよね。カッコいいもあるし。
▲第4戦の衣装
志賀さん:
これはやっぱりあのギミックが良いですよね。ショーの途中で前からフードをかぶって、このままスパイダーマンみたいにして踊るっていうショーだったんですよ。フードを逆にかぶる発想が面白いと思って。
▲第2戦の衣装
立松さん:
akihic☆彡くんから「こういう振りが面白いんですけど出来ますかね?」って相談をもらって。できるとは思ったんですけど、途中ではずれちゃうとかありえるんで、やってみないとわかんないですよねってことで、いろいろと試行錯誤しました。ボタンが足されていったり、見えないと困るから一部メッシュに変えてみたり。
志賀さん:
これはお気に入りというか思い出。思い出補正です(笑)。初戦の会場にいって、他のチームの衣装に比べてもマジでラプチャーズがかわいいなって。これはもうイケるなあって思いました(笑)
▲初戦の衣装
柳さん:
他のチームのディレクターさんからも現場で素敵!と高評価をいただいたこともあったようで。
志賀さん:
嬉しいですよね。衣装っていうものの効果をすごく感じましたね。
立松さん:
いやでもホントかわいいですよ(笑)。いままでの衣装を全部並べたときに、振り幅もかなり広いし。
志賀さん:
この衣装は何試合目のものだっていうのがわかりやすいよね。
立松さん:
ちょっと話逸れちゃうかもしれないけど、akihic☆彡くんが各セクションにプロフェッショナルを配置している判断はすごいなって思うんです。akihic☆彡くん自身がすごくいろんな引き出しを持っていて、それが活かせるような体制があるから、これだけ幅広くなるのかなって。
▲ラプチャーズ公式Youtubeチャンネル、akihic☆彡さんのショー解説も人気です
後編につづく
(後編では、アップサイクル衣装に期待すること、これまで製作したラプチャーズの衣装を今後どうしていきたいのかお伺いしています!どうぞお楽しみに!)
※本インタビューは、2021年4月に行ったものです。
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