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5年ぶりのコーポレートサイトリニューアルで目指したこと【後編】

こんにちは。セプテーニグループnote編集部の宮崎です。

2020年8月にリニューアルしたセプテーニ・ホールディングスのコーポレートサイト。

「5年ぶりのコーポレートサイトリニューアルで目指したこと【前編】」では、どのような目的でリニューアルをしたのか、またどのようなデザインコンセプトで制作が進んだのかをプロジェクトメンバーのみなさんにお伺いしました。

後編では、IRドリブンなコーポレートサイトにおいて、どのような工夫でユニークさをキープしたのか、またこのサイトを今後どのように進化させていきたいのかをお伺いしました。どうぞご覧ください!

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佐々木さんプロフィール(加工)

佐々木智也さん:
株式会社パーク代表・アートディレクター / 外資系広告代理店→面白法人カヤック→PARK / スタートアップ・ベンチャーのブランディングを中心に、UI/UX、パッケージ、プロダクト、グラフィック、広告などを手掛ける。2020年夏よりメンズコスメのD2Cブランド『LOGIC』も展開中。

加来さん

加来さん:
2006年セプテーニ入社。デジタルマーケティング事業のクリエイティブ部門などを経験した後、新規事業コンテストを経て2018年にグループ会社としてサインコサインを設立、代表をつとめる。セプテーニグループ全体のコーポレートブランディングを推進するコーポレートデザイン室を兼務。

岡田さん

岡田さん:
2013年セプテーニ・ホールディングス入社。IR担当を経てCSR担当に着任。理念浸透の7th code プロジェクトやLGBTに関する取り組みを行うSEPALLY RAINBOW、環境プロジェクト「ECHO」の事務局をつとめる。副業やプロボノで写真撮影・動画制作などにも挑戦中。

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浅見さん:
2018年セプテーニ・ホールディングス入社。経営企画部IR課に所属。IR担当として機関投資家、株主、証券会社などとのコミュニケーション業務全般に従事。IR業務の一環として、コーポレートサイトのコンテンツ制作、ディレクションを担当。

─ 『「DASH BOARD」というデザインコンセプトでコーポレートサイトを制作するとシンプルになる。その分どこかで「おもしろさ」を感じるように』というオーダーが佐藤さんからあったとのことでしたが、このあたりはいかがでしょう?

佐々木さん:
そうですね。固くなりすぎないようにユニークさを保つ、というのは意識しました。

セプテーニグループが展開している事業って、写真をパッと撮ってわかるようなものじゃないことが多いですよね。形がないものを扱っていることが多いので。

絵がないところでどういう形で伝えていくかってなったときに、インフォグラフィックスなどを使うことになるんですけど。そこで個性を出していくのが良いんじゃないかと思って、グラフィックの方向性を提案させてもらいました。

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─ 3案あったんですね。ここからチームでどのように絞ったんでしょう?

浅見さん:
あわせてご提案いただいたグラフィックのイメージを見ながら検討しました。C案は少し振り切った印象を受けたので、A案かB案が良いだろうということで話し合いました。A案は少しきっちりした堅いイメージがあって今とあまり変わらない。なのでバランスの良いB案でいこう、そんな感じでしょうか。

佐々木さん:
3案とも、どこを強めに出すかというところで切り分けてみたものなので、どれを選んでもらっても正解だなと思っています。

ただ、佐藤さんもおっしゃってましたけど、IRドリブンで「DASH BOARD」コンセプトのコーポレートサイトを普通に作っていくと、比較的おもしろみのないものになっていくんじゃないかという懸念があったと思うんですよ。

たとえば金融系のサービスだったら、真面目さが全面にでてもいいと思うんですよね。でもセプテーニグループは創造的なことをしている、クリエイティブだったり発想だったりを生業にしている会社なので、真面目になりすぎないように、見ていて息苦しくならないように、というのは僕も思っていましたし、みなさんも思っていたんじゃないかなと。

▼リニューアル前後のグラフ・グラフィックの違い
■リニューアル前

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■リニューアル後(B案をもとに制作)

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佐々木さん:
ユーモア、ユニーク、ファンな部分というのは、何かしら、どこかしらで入れる必要はあるだろうなと思っていたので、そのあたりがB案になった理由なんじゃないかなと思います。

─ なるほど。ありがとうございます。なんだかすごく、意思疎通のスムーズさが伺えますね。プロジェクト全体もスムーズに進んだのでしょうか?

岡田さん:
どうでしょうか・・・(苦笑)。僕は全体をディレクションさせてもらう立場にいたんですけど、正直なところかなり苦労しました。意思疎通という意味ではPARKさんも、もう1社の制作会社さんもすごくやりやすかったんですけど。

より体制を強化して挑んだリニューアルだったこともあって、かなり関係者が多かったんですよね。その分スケジュールの調整なども大変でした。コミュニケーションにはとにかく気を配りました。

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浅見さん:
シンプルで見やすい階層を実現するためにもページ数を減らすことになったんですが、IRチームとしては、新しい階層にあわせてコンテンツをまとめなおすのがとにかく大変でした。

ただ僕たち自身、リニューアル前のサイトは、いろいろなところに情報やデータが散らばっていて見にくいというのは課題に感じていたんです。だからこそ、見やすいレイアウトや回遊しやすい導線をいかにつくるか、というのはすごくこだわりました。

出来る限りページ数や階層を減らしながらも、コンテンツ量はなるべく減らさないようにするにはどうすればいいのか。何を伝えて、何をあえて削ぎ落とすのか。IRチーム内でかなり議論しました。

正直苦労しましたけど、IRサイトとして求められる多量のコンテンツがとても見やすいレイアウトでまとまっていること、英語版も日本語と同じコンテンツで構成されていることなどが今回のランキングでは評価いただけたポイントなのかなと思います。

加来さん:
実は、僕が入社1年目に手掛けたほぼ最初の仕事が、当時のコーポレートサイトリニューアルだったんですよ。もう何代前のサイトか忘れちゃいましたけど(笑)。

反省を込めて思い返してみると、あのときはサイトをリニューアルすることが目的になっちゃってたなと。「今風のサイト」としてカッコいいってどういうことだろうとか、あの会社のトップページのFLASHアニメーションがかっこ良かったから取り入れてみようとか。今だから言えますが、それこそ企業理念なんて、全然気にできてなかったかもしれません。

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今回はロゴリニューアルからの一連の流れでのサイトリニューアルなので、サイトをリニューアルすることが目的ではないよと。コーポレートデザインをしっかりアウトプットする手段としてのサイトリニューアルなんだよ、というところにはすごくこだわりました。

だからこそ二人が言ってくれたように、大変なことがたくさん起こるのもある意味当然なんですよね。限られたリソースの中で、これまで以上のことをきちんと果たそうとすると、やっぱり大変になるし、工夫しなきゃいけないこともたくさんある。

だけどそこは妥協せずに、佐藤さんとも何度も話して、出てくる課題を一つひとつクリアするために工夫し続けた、というのはあるかなと思います。

─ ありがとうございます。佐々木さんはこのプロジェクトで大変だったことって何かありましたか?

佐々木さん:
いろいろありましたけど、階層をどうするか、コンテンツをどうまとめるのか、というところがいちばん苦労しましたね。IRからもCSRからも誘導するコンテンツがあったり、重複するコンテンツがあったり。

僕は立場的に、いかにシンプルにするかっていう視点が働くんですけど、一方でセプテーニさん的には、いろんな属性の人に対してこういう風に見てほしいっていう思いがあって、そこをすりあわせて着地させるまでが大変だった記憶がありますね。結果的に納得度の高い着地になってよかったです。

あとは今回、グラフも事業の説明図も、UIの観点から見直し、一新しているので、みなさんに見えないところでPARKのデザイナーたちが奮闘しています。ひとり1日30個グラフつくるとかね。制作フェーズのオペレーションも大変でしたけど、何よりデザイナーたちを労ってあげたい気持ちでいっぱいです。

▼財務・業績ページは特に多くのグラフが並んでいます

グラフイメージ

─ グラフが夢に出てきそうです。デザイナーのみなさん、本当にありがとうございました。ちなみにPARKさんでは当社のようなIRに注力したサイトってよく制作されるんでしょうか?

佐々木さん:
PARKはシードラウンドのスタートアップから上場会社まで、幅広いレンジの企業ブランディングに携わっていますが、こんなにIR関連のグラフを作ったのは初めてかもしれません。

ちなみにブランディングって大きく括ってますが、具体的にはミッション・ビジョン・バリューを一緒に考えたり、CIやサービスのアイデンティティを作ったり、それに付随したVI(ビジュアル・アイデンティティ)を作ったりしてます。

ただそれらはあくまで手段で、事業の価値を世の中にどう伝えていくかをクライアントと一緒に考える、というのが本質的なところです。更に踏み込むと、事業自体の成長をサポートできれば、という感じで関わることもあります。

▼PARKさんのフィロソフィー

PARKさんフィロソフィー

─ だからこそIRにこだわりたいセプテーニ側の目線や意見を、ある意味フラットに受け入れた上で、どう価値を伝えていくのか、という部分に力を割いていただけたのかもしれませんね。

佐々木さん:
たとえばグラフの設計ひとつで印象って変わると思うんです。ラベリングとか、数字の前年比がどれくらい変わったかって、グラフっていくらでも大きくも小さくも見せられる。当然、嘘はつかないし、大げさに見せることもしない。

でも、株主のみなさんが注目している数字をメリハリつけて表現する、無駄にネガティブな印象にしない。ただ単にグラフをつくるのではなくて、そういうことは意識しましたね。

─ なるほど。このお話をお伺いして改めてコーポレートサイトを見ると、いろいろな発見がありそうです。では今後コーポレートサイトの運用を担当する浅見さん、これからどのようにコーポレートサイトを発展させていきたいか、展望を教えていただいていいですか?

浅見さん:
いまセプテーニグループでは、中期経営方針に「ドメインの拡張」を掲げています。今回のリニューアルは、これまで以上に事業の幅が広がっていく前提でそれに耐えうるようなデザインにしていただいているので、その箱をうまく活用して、事業の変化・拡張を見せていけるようにアップデートしていきたいです。

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正直なところ、ESG情報や事業情報に関するコンテンツは必要最低限なものしか載せられていないので、そこは充実させていきたいですね。

それから、市場環境の情報との比較や、投資判断に必要な情報ももっと追加することで、投資家のみなさんはもちろん、その他のステークホルダーの方にとっても使いやすい、必要な情報を見つけやすいサイトにできればと思っています。

─ では最後に佐々木さん、今回のプロジェクトに関わっていただいた感想をお聞かせください!

佐々木さん:
大変でしたけど、みなさん、このプロジェクトに対してすごい熱量があったのが印象的です。時には意見の相違があったり、内容についてぶつかったり、ということもありましたけど、同じゴールを見ていたので、リスペクトの気持ちを持ちながら向き合うことができたかなと思いますね。ちょっとキツイことも言ったかもしれないけど、それはお互いさまということで(笑)

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─ 佐々木さん、プロジェクトのみなさん、本日はありがとうございました!

*編集後記*
コーポレートサイトのリニューアルを終えたプロジェクトメンバーに「おつかれさま、すごくいいね!」と伝えた私に返ってきたのは「大きなトラブルなく、無事に公開できてホッとしています。でも本当は、まだまだやりたいことがあるんです。これから一歩ずつ、ですね。」というコメントでした。大きなプロジェクトが一段落したばかりなのに、もうその先を見ていることを、とても頼もしく思ったのを覚えています。

そんなストイックな関係者たちは、これからこのコーポレートサイトをどのようにアップデートしていくのでしょうか。私自身、CSRのコンテンツ担当者として、まだお伝えできていない情報をどう世の中にお届けするのかを考えながら、一緒にこのサイトを育てていきたいと思います。

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