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社外取締役 石川 善樹氏インタビュー ~セプテーニグループが目指すべき統合報告書とは~【前編】


こんにちは。セプテーニグループnote編集部です。

セプテーニグループでは先日、統合報告書2019を発刊しました。そこで今回は、経営企画部次長で統合報告書制作プロジェクト責任者の呉さんから、12月に新しく社外取締役に就任した石川善樹さんに、統合報告書2019についての率直な感想や、石川さんからみたセプテーニグループの魅力についてインタビューしました。

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【プロフィール】

■石川 善樹氏(写真右)
東京大学医学部健康科学科卒業、ハーバード大学公衆衛生大学院修了後、自治医科大学で博士(医学)取得。専門分野は、予防医学、行動科学、計算創造学、概念工学など。「人がよく生きるとは何か?」をテーマとして、企業や大学と学際的研究をおこなっている。2019年12月よりセプテーニグループの社外取締役に就任。

■セプテーニ・ホールディングス 経営企画部 次長 呉 鼎(写真左)
2010年セプテーニに新卒入社と同時に子会社に配属。2011年セプテーニ・ホールディングスに転籍。経営企画課で投資・アライアンス、中期経営計画策定等を担当。2017年からIR課も管掌、現在は経営企画部責任者として様々なステークホルダーと関わりながらグループの企業価値向上に向け奮闘する日々。

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本日はよろしくお願いします。
今回、統合報告書2019を読んでいただき、その感想等を伺いたいと思っているのですが、その前に、石川さんのこれまでの経歴や今のメインの活動について教えていただけますか。

僕は最初、予防医学という学問の世界から入ったんですよね。でも30代前半くらいにはみ出てしまって(笑)。よく考えたら、自分には“難しい問題を解きたい”という欲望があって、たまたま学問は難しい問題がたくさんあったんだけど、難しい問題はビジネスや政治の中にもあるだろうと思い、領域をガッと広げたのがその頃ですね。
そこから様々な企業の方と知り合うことが増え、セプテーニグループ代表の佐藤さんとも出会いました。

先程お話ししたとおり、僕は何がしたいかでいうと、難しい問題を解きたい。では、難しい問題とはなにか、どうやって解くのかという話ですが、まず、難しい問題の中には、情報を右から左に持ってきて解ける問題ってあるんですよ。知識が足りなくて解けない問題。そういう種類の問題は実はあまり難しくないんです。ただ情報がないだけ。僕はビジネスの領域は素人でしたので情報量では勝てない。だからこの手の問題は扱わないようにしようと決めました。

それから、情報だけでは解決しない難しい問題の分野って、よく考えたら専門家がたくさん集まっているんですよね。情報も経験もある人達が集まってもなぜ解けないかというと、ちょっとした視点の転換ができていないからだと思うんですよ。だから僕は難しい問題の周りにいる人たちの話をよく聞いた上で、全く別の視点で問題を捉え解いていく。正確に言うと解くアイデアを出す。って感じですかね。
実際に解くのは事業をやっている人たちなので。そんなことをビジネスの世界でやり始めると、「解ける、どんどん解けるぞ。」ってなって今に至ってます(笑)

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少し話は変わりますが、石川さんの研究テーマである「Well-being」について、「Well-beingな企業」とはどのような会社のことなのでしょうか。また、ミレニアル世代やZ世代は企業に対する見方、評価がこれまでの時代と大きく転換してきていると思うのですが、そのような中で、企業はどのような会社を指していくべきでしょうか?

まず、「Well-being」とはなにかという話ですが、結論から言うと、僕は「セルフリーダーシップ」のことだと思っています。文字通り捉えると「being」は「本質」なので、「Well-being」は「良さの本質」ってことなんですが、自分の「Well-being」と考えると、「いい意味での自分らしさ」ってことなんですよ。じゃあ、自分らしいってどういう事なのかと言うと、「自分の人生を自分がリードすること」だと思っています。

一世代前までは、人は企業や国にリードしてもらっていました。その時代は「与えられた仕事は天職だと思え」という教えがありましたが、それは企業が一生面倒みてくれるという前提の考え方ですよね。
でも、今の時代は、国や企業が一生面倒見てくれるわけではないですから、ミレニアル世代やZ世代は自分の人生は自分でリードしようという考えが強いんだと思うんですよね。だから「自分はこれがしたい」ということを重視するのだと思います。一方で、企業側もやりたいことがあるじゃないですか、「〇〇事業をやりたい」とか。それが重なったときに入社するし、離れたら卒業するってだけだと思う。
そうやって今の若い世代の子は、自分は何がしたいかをよく考えている。考えているからこそ「何がしたいかわからない」という困ったことにもなっている(笑)

そうなると次に何を考えるかというと、いろいろ経験してみようと思うんです。興味があることもないことも幅広く経験しようと。そう考えた時に、いろいろと経験できる場所、すなわち、チャンスを与えられて自分がリーダーシップを発揮できる場に行きつくんですよね。その企業がやっていることに興味があろうがなかろうがどうでもいいんです、若い世代は。とにかく質の高い仕事を自分がリードしてやらせてもらい、そこでの経験を通じて自分がやりたいことを見つけようとしているんです。

セプテーニグループでは、そこを核に据えているじゃないですか、「最大の資産は『当事者意識が高く起業家精神溢れる人材』」って。そういう意味では、若い世代の人が社会人としてスタートするにあたって、セプテーニグループはめちゃめちゃ面白い会社だろうなと僕は思っているんです。


「Well-being」を考えている会社は最近増えていると思いますか。

キーワードとして掲げている企業は増えていると思います。ただ、本質的な意味でやっている企業は、僕が知る限りでは、セプテーニグループや丸井など、本当にごくわずかです。

多くの企業はどちらかというとトップダウンのやり方ですよね、「これがWell-beingなり~」って。会社が掲げるミッションやコアバリューを骨の髄までしみわたらせようとしています(笑)。
そういうタイプの会社は、一見「Well-being」な感じがするんですよ。でも違います。なぜかというと、会社にリードされているじゃないですか。もちろんそれが悪いわけではないですが、セルフリーダーシップではないですよね。

セプテーニグループでは、統合報告書にも書いてありますが、ミッションで「ひとりひとりのアントレプレナーシップで世界を元気に」と掲げて、「みなさんひとりひとりがリーダーシップを発揮してください!」って言ってるじゃないですか。そういう点で、セルフリーダーシップという意味での「Well-being」を考えている会社だなと思います。

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それは当社の社外取締役に就任されてから感じたことですか。

いや、以前からそう思っていました。
人事部門の統括役員である上野さんが代表取締役であることからも、会社として人材を大事にしているんだなと思います。また何より、統合報告書をみるとそれが顕著に表れていますよね。


ありがとうございます。そのように当社を見ていただけていて嬉しいです。
統合報告書の話が出ましたので、そろそろ本題に移ります。 <後編に続く>

  

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※本インタビューは、セプテーニグループが在宅勤務に移行する前に行ったものです。

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