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ダイバーシティアワード2023、グランプリ受賞者インタビュー ~神山まるごと高専プロジェクト~

こんにちは。セプテーニグループnote編集部です。

セプテーニグループでは、2020年から「ダイバーシティアワード」を実施しています。
ダイバーシティアワードは、グループ内から「ひとりひとりが活躍できる環境をつくり、イノベーション・成果創出を目指す取り組み」を集め、特に評価の高い内容をグループキックオフで表彰するアワードです。

セプテーニグループを「誰もが自分らしく活躍できる場」に進化させることを通じて、グループビジョンの一文節目に掲げる「新しい時代をつくる人が育つ場となる」の実現を目指しています。

今回のnoteでは、ダイバーシティアワード2023でグランプリを受賞した『神山まるごと高専(※)プロジェクト』のメンバーと、神山まるごと高専のセプテーニグループ奨学生に、2024年3月上旬に実施したインタビューの内容をお届けします。プロジェクトの内容や実施背景、スカラーシップパートナー活動を通じて学んだこと・感じたことなどについてお話しいただきました。是非ご覧ください!

※神山まるごと高専について
「神山まるごと高専」は、徳島県神山町に2023年4月に開校した5年制の私立高等専門学校です。「テクノロジー x デザイン x 起業家精神」を教育の土台としながら、神山という地に根ざし、社会を動かす人材「モノをつくる力で、コトを起こす人」の育成を目指しています。

(取材日:2024年3月12日)


<プロフィール>

福西 祐樹さん
コミックスマート株式会社 取締役

2006年セプテーニ入社。約10年間デジタルマーケティング事業に従事した後、2015年より同グループでマンガコンテンツ事業(現IPプラットフォーム事業)を手掛けるコミックスマートへ転籍。オリジナルマンガを配信するアプリ「GANMA!(ガンマ)」のプロダクトオーナーとして、サービスのUI/UX、運営、マーケティングといったメディア事業全体を管掌する。2018年1月にコミックスマート取締役就任。
2023年『神山まるごと高専プロジェクト』メンバーに参画。


倉友粋さん
Septeni Japan 経営企画本部人材開発部

2015年にセプテーニに新卒で入社。
広告運用コンサルタントとして、ディスプレイ広告・SNS広告・検索広告の運用に5年半従事。コンサルタントとしてマネジメント経験を経た後、人材開発部を新設。
現在は、人材開発・ナレッジマネジメント・事業変革にまつわるイベントの企画等の責任者を務める。2023年『神山まるごと高専プロジェクト』メンバーに参画。


中溪 一心さん
神山まるごと高専

神山まるごと高専 セプテーニグループ奨学生 第1期生の1人。
神山まるごと高専の学生で組成されたFRC(FIRST® ROBOTICS COMPETITION)チーム「Hanabi」の代表を務める。2024年4月に世界最大規模のロボット競技会「2024 FIRST® Robotics Competition」ハワイ地区大会に出場し、Rookie Inspiration Awardを受賞。

ーダイバーシティアワード2023にてグランプリ受賞おめでとうございます。
『神山まるごと高専プロジェクト』について簡単に教えていただけますか?

倉友さん)
2023年4月に徳島県神山町に開校された「神山まるごと高専」にセプテーニグループもスカラーシップパートナーという形で出資をしています。スカラーシップパートナーでは、セプテーニグループの企業名を冠した奨学金を、神山まるごと高専の各学年に毎年4名ずつに給付し、それら学生とのコラボレーションにより、共同研究や新規事業の創造に取り組んでいきます。(参考:https://www.septeni-holdings.co.jp/news/release/2022/09013311.html
セプテーニグループのメンバー(セプテーニグループ奨学生)の4名に、充実した学校生活を送る中で、企業との関りによって何か得られるものや知れるものを広げ、将来の糧になるような時間を過ごしてもらえたらという思いで一緒に取り組んできたプロジェクトです。

10代の学生と関わる機会はセプテーニグループとしてこれまであまりなかったと思いますが、お互いの最初の印象について教えていただければと思います。
 
中溪一心さん)
僕は結構ギリギリでこの学校を受けて、あんまり調べずに入学したのですが、スカラーシップパートナー活動も内容が決まっているものでもないし、社会人と関わること自体がこれまでなかったので結構緊張していました。しかし、福西さんはじめセプテーニグループの方が一番最初に好きな食べ物の話でアイスブレイクしてくれて、その後もとてもフラットに接してくれたので、結構すぐに緊張がほぐれました。福西さんはずっと笑っていましたね。

福西さん)
好きな食べ物の話、したね!笑

そんな福西さんから見た最初の印象はどうでしたか?

福西さん)
僕は子供が3人いるので入学式には数回参加したことはあるのですが、神山まるごと高専の学生はやっぱり個性的で自分を持っている子たちが集まっているんだなという印象を受けたのを鮮明に覚えていますね。

倉友さん)
入学式の服装もユニークな子が多かったですね。

その後、取り組みを進められる中で関係を深められていったかと思うのですが、変化はありましたか?

福西さん)
そうですね、僕たち(社員)との関係性の変化もありますが、それよりも学生同士の関係性の変化を感じましたね。やっぱり最初は学生同士の仲もそこまで深まっていないので、コミュニケーションで遠慮しがちな子が多かった印象ですが、1年かけて徐々に関係性も変わり、お互いにリスペクトも出てきていて、そういう変化・成長を間近で見れたのは良かったなと思いました。

一心くんはどうですか?

中溪一心さん)
そうですね、結構距離感は縮まったと感じていて、たまに会う親戚くらいな感覚でいます(笑)。気軽にいろいろ相談ができて学びももらえていましたね。

もともと社会人って、もっと堅くて恐くて、嫌々仕事しているイメージがあったんですけど、セプテーニグループの人は楽しんで仕事している感じがしたし、プライベートの話もたくさんしてくださって、社会人のイメージがやわらかい印象に変わった気がします。そこがいい勉強になりました。

「社会人って楽しそう!」みたいな?

中溪一心さん)
はい。僕、趣味と仕事って分断されるものだと思っていたんですよ。だから、子供の頃からLEGOが大好きなので、将来は仕事をしてそのお給料で買ったLEGOを組み立てるのが夢の生活だと思っていました。でも、セプテーニグループの加来さん(株式会社サインコサイン代表)が仕事としてLEGOを用いたワークショップをされているのを知って、LEGOを仕事にしてもいいんだなと思えるようになりました。福西さんもマンガが好きで、マンガのお仕事をされているので、好きなことを仕事にできると知れたことは自分の中ですごく大きかったです。

なるほど、「仕事」の捉え方が変わったのですね!

本プロジェクトでは、「企業と学生たち」ではなく「社員一人ひとりと学生一人ひとり」という関係構築を目指したと伺いましたがそれはなぜですか?

倉友さん)
そうですね、「ゴールに掲げた」というよりは、セプテーニグループでの関係構築をそのまま持ち込んだ、という感覚に近いかもしれません。もちろん会社なので遂行しなければいけない業務があるのですが、その前提として一緒に働く人同士の繋がりや関係性を作ることを大事にしているところがあります。なので、このプロジェクトでも一心くんや他のセプテーニグループ奨学生の3人、また携わってくれているスタッフの方々も含めて、どんな人か知りたいと思ったし、いい関係性を作れたらいいなと思っていましたね。

福西さん)
あとはやっぱり、セプテーニグループの強みは「人」と「カルチャー」なので、企業と4人の学生が関わる中で、僕たちが提供できるものとしてもその2つだなと。カルチャーは伝わるのに時間がかかるので、まず会話をして僕たちが何者かを知ってもらい、信頼関係を築かないと何も始まらないよね、という考えがこの一年間の活動の土台になった感じがしますね。

倉友さん)
このプロジェクトを通じて改めて気づいた部分として、プロジェクトメンバーはそれぞれ違う組織に所属していて、初めて関わる方もいたんですけど、全員集まった時に皆さんが発する空気とか学生との関わり方が、根っこのところで似ていたなと感じました。

学校でスカラシップパートナー活動の中間発表会があった時に、奨学生がセプテーニグループの魅力をプレゼンしてくれたのですが、その時に「セプテーニという会社と活動している感覚があまりなく、ひとりの人として関わってくれている感じがした」と表現してくれていて、これがセプテーニグループのカルチャーなんだなと感じました。

2023年11月には奨学生4人が本社に訪問してくれましたが、そのとき感じたセプテーニグループ全体の印象などありますか?

中溪一心さん)
いろいろなコンテンツを組んでもらう中で、社員の方に「セプテーニグループ/自分の所属する会社の推しポイント」を3分でプレゼンするライトニングトークを実施いただきました。その時、何人もの方が「やりたいことを会社に伝えたら応援してくれた」というエピソードを話されてたのを見て、プレゼンターの方はものすごく活き活きとしているし、ひとりひとりの考えを尊重してその熱意にコミットして応援する文化をすごく感じました。ミッションの「ひとりひとりのアントレプレナーシップで世界を元気に」を体現されているなと思いました。

「カルチャー」の部分も感じていただけたのですね。

現在一心くんは、神山まるごと高専の学生で組成されたFRCチーム「Hanabi」の代表を務められていて、世界最大規模のロボット競技会「FIRST® Robotics Competition」に挑戦されていますが、これは一心くんの「一緒にFRC出よう!」の一声から始まったと聞き、すごくアントレプレナーシップがあるなと感じました。昔からリーダータイプだったのですか?

中溪一心さん)
いいえ、僕はだいぶインドア派で1人で工作するのが好きでした。逆に複数人で何かやると意思決定に時間かかったり、コミュニケーション量を増やさなきゃいけないので、それが苦手でした。「Hanabi」でも最初はコミュニケーション不足で思い通りに進まない時期もあったのですが、やっと最近いろいろな活動を経て、チームとして連携できるようになりました。

福西さん)
個人プレーからチームプレーに切り替えられたきっかけはなにかあったの?

中溪一心さん)
自分の好きなことをやる上では、単独でやるメリットの方が大きいと感じていたんですけど、「FIRST® Robotics Competition」はロボット作りはもちろんですが、スポンサー企業を集めたりもしなければいけないなど規模が大きすぎたので、夏休み明けから本格的に役割を分けて作業するようになりました。すると、自分が思っていた以上にメンバーのみんながすごく優秀で、得意な事が違う人たちと何かやると自分1人ではできない大きなことができるんだということに気づいたんです。

今のお話だけでも 「Hanabi」の活動を通じて様々な経験をして、それを成長に繋げられているのがわかりました。

最後の質問です。4月に新しいセプテーニグループ奨学生4名が入学され、一心くんも先輩になりますし、本プロジェクトも形式が変わったりもすると思うのですが、今後どのようなことをやっていきたいですか?

中溪一心さん)
セプテーニグループでよかったなと思うのは、やっぱり強制的じゃなくて自分達の主体性を大事にしてくれるところなので、今後活動量が増えても自分達でやりたいことを重視してやるということは大事にしたいと思っています。また、後輩の子とは、仲良くなりたいですね。コミュニケーションを積極的にとって仲良くなって楽しく一緒に活動していきたいなと思ってます。

倉友さん)
私は昨年同様新しい学生ともお互いのことを理解し合って、関係をゼロから築けたらいいなと思っています。また、会社でも新人が入るとチームがすごく刺激を受けるというのは実感としてあるので、二期生もそうですし、社員のプロジェクトメンバーも増える予定なので、またちょっと新しい形で刺激的な1年にできたらいいなと思います。

また、長期的な視点でいうと、セプテーニグループ奨学生は毎年4名増えるので、10年で40人、数十年経てば100人を超えます。一緒に共同研究や新規事業創造ができることも楽しみの一つですが、当社の理念に共鳴してもらえる人が増えることはセプテーニグループの応援者が増えることにつながるので、セプテーニグループの取り組みを通じて社会に大きなインパクトが与えられるようになればいいなと思います。

現在行われているひとりひとりとの関係構築が、長期的には会社にとって大きなインパクトにつながっていくのですね!とてもワクワクします。本日はありがとうございました。

* 編集後記 *

下記、ダイバーシティアワード審査委員よりいただいた表彰コメントです。

啄同時(そったくどうじ)という言葉があります。
卵の中にいるヒナ鳥が、外の世界に出ようとして
内側から殻をつつくと同時に、親鳥も外側から殻をつつくことで
卵にぱっと穴が開くことを意味します。

もしかするとダイバーシティというのは、
そういうことなのかもしれません。

自ら変わろうとして、内側からつつくと同時に
外側からも誰かがつついてくれているから
私たちはなめらかに未来のドアを開けることができる。

この神山まるごと高専プロジェクトは、完成度としてはまだヒナのようなものかもしれませんが若い学生たちとセプテーニ社員の交流が
まさに「新しい時代をつくる人が育つ場」となっている。

セプテーニグループの新しい企業理念とも深く共鳴する本取り組みは
グランプリにふさわしいと高く評価し、ここに表します。

おめでとうございます!!

これからさらに進化していく神山まるごと高専プロジェクトの取り組みに、今後も注目していきたいと思います。