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モチベーション:Topic3 プロセス理論

今回はモチベーション理論のもう1つのメジャーどころ、プロセス理論。

<授業での学び>

【SDTの続き】
・パフォーマンスに紐付いた報酬は、自律性にネガティブな影響を及ぼす。
・パフォーマンスに紐付いた報酬は、行動の効果についての情報を提供することによって、有能感にポジティブに影響する。
・自律的モチベーションは、パフォーマンスとウェルビーイングに繋がる。

【プロセス理論とは】
・内容理論が「何」がモチベートするかに着目するのに対し、プロセス理論は「どのように」欲求が意図と行動に変容するかに着目する。
・内容理論は認知理論としても知られる。
・要因→出来事→認知プロセス→モチベーション

【期待理論】
<VroomのVIE理論>
・以下の3つが高いほど、モチベーションが高まる。
 ー誘意性(Valence):結果の魅力 ※どのように誘意性と訳されたか疑問
 ー道具性(Instrumentality):パフォーマンスが結果に繋がる度合い
 ー期待(Expectancy):努力がパフォーマンスに繋がる度合い
・嘘の振る舞いもこの理論で説明がつく。
<PorterとLowlerの期待理論>
・パフォーマンスから得られた報酬が、期待と道具性、誘意性にフィードバックがかかるとした。
<期待理論の評価>
・意図のプロセスの複雑さを反映している。
・実務で応用ができる。
・行動の癖や感情を無視してしまっている。
・方法論に限界がある。

【公平理論】
・モチベーションを下記のプロセスで説明する。
 ー成果とインプットを比較する
 ー成果とインプットが等しくない場合、不公平が存在する
 ー不公平は嫌な緊張や不安を生み出す
 ー公平を取り戻そうと行動する
・公平と取り戻す戦略には以下があるため、行動を予測することは難しい。
 ーインプット(努力)を変える
 ー関係性から去る
 ー成果においている価値を下げる
 ー比較を変える
・公平性の認識がどのようにデモチに繋がるかを理解するのに役立つ。
・不公平を受け入れる人もいるため、どの程度普遍的か明らかでない。
・社会交換理論と似ている。

(所感)期待理論も公平理論も、あまり実務で使えるイメージが持てない。VIE理論はプロセスなのか疑問。公平理論はイメージはわかるが、不公平の程度を人間はざっくりとしか認識できないので、厳密に活用・運用することはできなそう。どれもやや古い理論だが、新しい理論はないのか?

<課題教科書>

期待理論、公平理論、ゴール設定理論、ジョブデザイン、自己決定理論、グループモチベーションと組織化、モチベーションの時間変化、モチベーションと創造性、報酬とモチベーションなどについてまとめられている。

Grant, A. M., & Shin, J. (2011). Work motivation: Directing, energizing, and maintaining effort (and research). Forthcoming R. M. Ryan (Ed.) Oxford Handbook of Human Motivation. Oxford, England: Oxford University

<課題論文1>

Vroomの期待理論に関する77の研究をメタ分析した論文。誘意性、道具性、期待は、パフォーマンス、努力、意図、好み、選択に含まれる。

Van Eerde, W. & Thierry, H. (1996). Vroom's expectancy models and work-related criteria: A meta-nalysis. Journal of Applied Psychology, 81, 575-586.

<課題論文2>

報酬における組織正義についての研究。3つのカナダにおける組織に属する285名の従業員を対象に行われた。従業員は、報酬による満足と手当による満足を明らかに区別している。また、分配的正義は、手続き的正義より報酬による満足をより良く予測できる。逆に、手続き的正義は、分配的正義より、手当による満足をより良く予測できる。そして、分配的正義は、手続き的正義より仕事に対する満足と組織に対する満足においてより重要である。

(所感)プロセス理論との関係はわからなかった。

Tremblay, M., Sire, B., & Balkin, D. (2000). The role of organizational justice in pay and employee benefit satisfaction, and its effects on work attitudes. Group and Organization Management, 25(3), 269–290.

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