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モチベーション:Topic4 目標設定理論 Goal Setting Theory

<授業での学び>

<前回の続き>
・期待理論への批判として、感情や個性を無視している、というものがある。
<目標設定理論>
・プロセス理論の1つ
・以下の条件が揃った時、モチベーションとパフォーマンスが高くなる、という理論。
 ー目標が明確
 ー目標がチャレンジング
 ー目標が受け入れられている/合意されている
  ・従業員、ラインマネジャー、組織・HRの三者間で
 ーフィードバックがある
  ・すぐにやるのが効果的
・DoranのSMART Goal:Specific, Measurement, Achievable, Realistic, Time-based
・目標の達成は外発的動機と内発的動機の両方に影響を及ぼす。
・学習目標、幹となる目標、"最善を尽くせ"的な目標、枝葉の目標、の順で、自己効力感とパフォーマンスに及ぼす影響が大きい。(所感:MBAの学生を対象とした研究なので、学習目標が最上位に来るのは当たり前では?)
・タスクの相互依存性、タスクの複雑さ、参加は、グループの目標がグループのパフォーマンス及ぼす影響を抑えることはない。
・学習目標、成果を追求する目標、失敗を避ける目標、の順で効果が大きい。(所感:学生対象の調査ではないか要確認)
・質的目標、複雑な目標、新しいタスクには応用できないが、シンプルなタスクではより効果的。
<コントロール理論>
・コントロール理論の基本的原則
 ー人間は、ゴールや標準と現状を比べる
 ー相違を埋めようと行動を調整する
 ーこれらのプロセスがネガティブフィードバックループを形成する。(所感:何がネガティブ?)
・自己調整理論などの理論に興味がシフトしていった。
・社会的影響、文脈、習慣などの影響を無視している。
<自己調整理論>
・人がどのように行動とパフォーマンスをコントロールするかに着目し、コントロールにおける失敗を説明しようとする。
・以下3つの要素がある。
 ー基準:ゴールやあるべき状態
 ーモニタリング
 ー自己調整の強さ(自制心)
・さらにモチベーションが加えられた。
 ー自制心が弱まった際、モチベーションが補う
 ー矛盾するモチベーションは自制心を弱める(ダイエット中の食欲など)
・社会的影響、文脈、習慣などの影響を無視している。
(所感)これらの理論は説明・適用できる状況が限られていそう。

<課題教科書>

Topic3でも用いられていた。後ほど詳細まで読み込みたい。

Grant, A. M., & Shin, J. (2011). Work motivation: Directing, energizing, and maintaining effort (and research). Forthcoming R. M. Ryan (Ed.) Oxford Handbook of Human Motivation. Oxford, England: Oxford University

<課題論文2>

細かいところは読めていないが、コーチングにおいて目標設定は議論されていないが、有効であり重要、という趣旨の論文。コーチングのモデルにも普通に目標やゴールの設定は含まれており、トレーニングの中で耳にタコができるほど教えられたので、全く真新しさを感じないが、2012年時点ではめずらしかったのだろうか?

紹介されている統合型目標達成コーチングモデルは以下の通り。(図示したい…)
1.コーチングのニーズ発生(文脈・組織要因、個人的要因から影響を受ける)
2.目標選定プロセス
 -クライアント側のモデレーター
  ・変化への準備度合い
  ・認知的たくましさ
  ・マインドフルネス
  ・因果関係の力点
 -コーチ側のモデレーター
  ・知識
  ・スキル
  ・能力
3.目標選択
4.アクションプラン
5.ゴール達成プロセス
 -コーチ側のモデレーターから影響をウケる
6.自己調整サイクル(2に戻る)
7.(5の続き)ゴール達成

Grant, A. M. (2012). An integrated model of goal-focused coaching: An evidence-based framework for teaching and practice. International Coaching Psychology Review, 7(2), 146-165

<課題論文3>

目標設定には副作用があると主張した論文。副作用としては、
・目標設定しない領域を無視し、視野を狭める
・リスク選好を歪める
・倫理的でない行動を増長する
・学習を抑圧する
・組織文化を腐敗させる
・内発的動機を減少させる
がある。
(所感)目標設定のやり方によるのでは?

Ordóñez, L., Schweitzer, M., Galinsky, A., & Bazerman, M. (2009a). Goals gone wild: The systematic side effects of overprescribing goal setting. Academy of Management Perspectives, 23(1), 6-16.

<課題論文4>

課題論文3を批判した論文。エビデンスの裏付けが乏しく、代表的でない論文を引用し、結果を誤って引用し、感情的に打ちひしがれた隠喩を使った、と主張した。

Locke, E., & Latham, G. (2009). Has goal setting gone wild, or have its attackers abandoned good scholarship? Academy of Management Perspectives, 23(1), 17-23.


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