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モチベーション:Topic1 イントロ

最も興味のあるモジュールの1つがあるSpring Termが始まった。やはりモチベーションは面白い。

<課題論文1>内発的動機と外発的インセンティブによるパフォーマンスの予想

1本目からかなり面白い。Cerasoliらによる40年以上に渡る研究を9つのメタ分析した論文。Findingのポイントは、
・内発的動機とパフォーマンスの関係は、量的タスクより質的タスクにおいてより強い。
・内発的動機とパフォーマンスの関係は、パフォーマンスに対して非直接的インセンティブが与えられた場合は強く、直接的に与えられた場合は弱くなる。
・量的パフォーマンスについては外発的インセンティブが、質的パフォーマンスについては内発的動機がより良く予測できる。
というところ。

売上や、処理した個数などで評価できる仕事は直接的なインセンティブを与え、管理、育成などの仕事は非直接的インセンティブを与えるのが良さそう。この境目は、細かいところまで読んでいないのでわからず。

Cerasoli, C. P., Nicklin, J. M., & Ford, M. T. (2014). Intrinsic motivation and extrinsic incentives jointly predict performance: A 40-year meta-analysis. Psychological bulletin, 140(4), 980.

<課題論文2>社会的アイデンティティ、自己分類、ワークモチベーション

1本目ほどは面白くないが、それでも面白い。ポイントは、
・個人のアイデンティティは個人的なニーズやゴールがモチベーションの源泉となり、組織の構成員としてのアイデンティティは組織のニーズやゴールがモチベーションの源泉となる
・ポジティブフィードバックがあると、忠誠心を進んで示す意欲と、役割以上の仕事をしようとする意欲が高まる。
・組織としての高い地位を示すと、ルールを守る意欲が高まる。
というところ。実務的に違和感がない。

Haslam, S. A., Powell, C., & Turner, J. (2000). Social identity, self‐categorization, and work motivation: rethinking the contribution of the group to positive and sustainable organisational outcomes. Applied Psychology, 49(3), 319-339.

<課題論文3>ワークモチベーションとパフォーマンス

これもまあまあ面白い。
・社会的アイデンティティが加わる→共同体(組織)のために努力しようとするモチベーションが湧く→そこに組織のゴールや興味が加わる→ワークモチベーションが生まれる→パフォーマンスが生まれる
みたいな話。

Van Knippenberg, D. (2000). Work motivation and performance: A social identity perspective. Applied psychology, 49(3), 357-371.

<授業での学び>

レクチャーは、概要的な話。印象に残ったのは、これ。まあそうだよね。
・パフォーマンスはスキルや知識、人間関係、状況、など様々な要因の影響を受けるため、モチベーションだけでは説明がつかない。

セミナーでは、珍しく論文についての議論はなかった。2つのエクササイズを実施。
・100くらいのカードから、自分のValueを探し、関係する強み、モチベーションを考える。それらをクラス全体で共有。
・Public Domainのモチベーション測定のInstrumentについて、どんなモチベーションを測定しようとしているか当てる。

論文は細かいところまでは読んでいないが、この調子で広く浅く理解を広げて行きたい。それでも十分深まっているはずなので。

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