見出し画像

世界中古童話堂38話 駆け引き


 私はなんでこんなに焦っているの?
 この焦りはこれからも付くもの?

 靴とスマホはバックの中、まだ誰にもバレてない…ユイトと約束した代々木駅の狭いトイレ中で裸になり…窮屈…赤い靴を履いて持ってきた私服に着替える…スマホをチェックしながら…髪をいじって、リップを少々塗り、カレンとして登場…すぐにも踊れそうな、軽いスタップで!


 なのに、
  なのに、、
   なんであなたがいるの?

近くのハンバーガー屋にユイトと入ったカレンは先に2階の席に着いて注文した物を待っていた。

 トレイを持って来るユイトの後ろには昨日の三年生がいた。

 ユイトは三年生に私を紹介した、
私の向かい側に2人は座った。  

      `誰だ?あなたは?

名前を聞いたのに忘れた、イラストサークルのメンバーとかそんなことより…なんであなたが一緒にいるわけ?' 早苗は心の声を押し殺して、無意識にポテトをずっと口に入れた。三年生は、

 「カレンちゃん、本当細いね!食べても太らない体質?」私は、

  「あー多分…」三年生は私たちの後ろに座っている太った男子高校生を一瞬だが目で殺し、

 「 自己管理はベイスでマスト。今の時代…スタートラインの差で天と地の差がひらくの…
ユイトが…カレンちゃんのイラスト見せてくれて   ……
   アンバランスがよくて… 」
長い話で気を失いそうなカレンの肩をユイトが軽く触った、

 「 カレンちゃん、大丈夫?」心配そうな優しい顔、

 「うん、最近貧血気味が… 笑 」彼は、

 「やめてよ、カレンちゃんが言ったら冗談には見えないし、、イラストだけだね…カレンが食べ物に興味持つのは…心配だな…」私は三年生の目線を無視出来ず、

 「大学のこと聞いたんですか?」と深掘りしてしまった。


 帰り道、私はサークルに正式に入ることになり、三年生は「へぇ、今どき珍しい靴だね、赤が好き?」と余計な一言を言って先に電車から降りた。そしてユイトは言う、

「カレン、時間大丈夫なら軽く散歩でもする?」私は彼の横顔に惚れ、ついて降りた。

 `夜7時の公園は真っ暗、ベンチに座っている高校生2人…周りから見るとカップルには見えるかなぁ?' カレンは赤い靴を入った自分の細い足を眺めながらユイトの話を聞いた…彼はあの三年生と同じ次元のだった…

 要は、大学は目標とか大事なことではなくて、行こうと思ったら行けるから一応行くけど卒業もしてもしなくてもいい。
究極な目標はアーティストとして何を表現したいのか?
これからの未来はどんなライフスタイルを描いているのか? 

 `そんなのを私に聞いても、、
一日を乗り切ることに精一杯で生きてる私と違いすぎ…もう帰りたい。家に帰ったら8時、4時間かける3は12時間…うわ、明日遅刻確定だ'

 「 ユイトくん、今日はありがとう!私もう帰らなきゃー!」立ち上がった私は目の前がくらくらした、私を支えたユイトは私を見つめて軽く唇にちゅーをした…幻覚? ユイトはカレンの手を握り、甘い声で…
 「帰ろうか」私はもう、ドキドキが止まらい! 

それから、無事にお家に帰った早苗は疲れと刺激に果ててベッドで寝落ちした。

 朝は悲劇の連続だった… 、、
まずは、
 呼んでも起きない早苗の部屋に入ったお母さんは、ベッドの上で弾けた洋服まみれで寝てる娘をみて、ショックを受けて会社のカウンセラーに精神科医の紹介状をもらった。
(赤い靴は脱いだけど服はカレンの服のままだった💦)  

その次は、服が弾ける瞬間をみたマリンは笑ってたけどジンは見苦しくなり応援する気持ちを失せた。

最後は9時過ぎて起きた早苗はなんか開き直り、遅くても学校に行くことをやめた。
早苗は、スマホを握ってパソコンの前に座り、こう思った。

 `この焦りを埋めたい!
  消えない不安も消したい!

とりあえずは、、ユイトが欲しがるイラストをいち早く完成してみせたい!彼に褒められたい'


 一方、マリンとジンは

 早苗の過程も変化も全てをみていた…



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?