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世界中古童話堂44話 本当の姿


 ユイトの目の前で手術室のドアが閉まった…。

  `救急車に初めて乗ったな…'

 10分弱…大体のスケッチを描き終えて、色合いを残そうとスマホで写真を撮った途端、カレンは倒れた。 そこからは緊迫感で頭が追いつかない状況が続いた…
 やっと一息がついたユイトは長椅子に座り深く息を吐き、目をつぶって綺麗なカレンを思い出した…
  `そうだ、写真!'ユイトはスマホの出してさっき撮った写真を確認した。

  `  ん!wj@p'.→30〆×6|%#$€☆❓❗️
         \&@ ̄  ん?'

ユイトは自分の目を疑った…画面の中の写真にはしっかりポーズしている私たちのお客様、早苗が映っていた。

 手術室の中、
看護師と医者さんは困っていた、、

 4人がかりでカレンの足から赤い靴を引っ張りどれだけ力を入れても、赤い靴はカレンの足からほんの少しの隙間も許せない中、男の看護師さんが医療用カッターを持ってきて足から赤い靴を剥がそうとした…
 まずは、ヒールどころから狙い、カッターを当てたが、硬過ぎるのか何なのか⁈
 通用しない、、
       靴は無傷…
人間達の顔色が深刻になった。

 凍傷で足が腫れて抜けでないだけじゃ無いとみんなはおかしいと思った、でもこのままだと〈足指切断〉の範囲が広がるだけ、医者は看護師に聞いた、
  「保護者さんとの連絡は?」

もし、靴を剥がす事が出来ないなら、命に別状がある前に足首こと切断するしか無い場合もありえる…とにかく保護者の同意が必要だ。

  「それが、まだです」

 救急外来の看護師さんが誰かを探している、
頭を水で洗ったのか?男子トイレから出てるユイトと目が合った、

 「 ねえーユイトくんでしょー?
 〇〇高校にはカレンって言う生徒は無いらしい…財布にはお金以外は何もないし、スマホはロックだし、連絡もきてない?」

 「あっ、はい…まだなにも」
看護師は疑い深い目でユイトを見つめ、

 「このままだと、命が危ないかも。なにか隠してる事があるなら言って欲しい!」ユイトの頭には写真が浮かび、でも、、

 「無いです。隠してるとか」
看護師はユイトからカレンのスマホを奪うように取り自分のデスクに戻って充電ケーブルを差し込んだ。 

一方、店の中でのキルアとジンは、のんきにしているマリンを注視していて…2人は気が気じゃ無かった…ユイトが写真を見た時、ジンは

 「マリン様…そろそろ靴を返却させないと取り返しがつかなくなります。」と言ったがマリンは厳しい口調で、
 「シン!キルア!よく聞いてちょうだい! 
今回、赤い靴のカレンからはうちの店の目的は前とは違う。
 私、マリンは死ぬ前に気にかかってた全てをクリアして、後悔無く、世界中古童話堂と共に最後を迎えたい。
 その為には、パンドラの箱から出てしまった人間界の全ての感情や欲望を出来るだけ箱に吸収させた代わりに、パンドラの箱に残された希望を箱から取り、人間界に出してあげたい…それが私が死ぬ前やりたいこと。」

マリンの話を感じたパンドラの箱はバーカウンターまで降りて来てキラキラ光った、、
 さすがに…キルアとジンは丁寧な返事をして黙り、店のみんなはマリン様が思うギリギリの瞬間まで待つことにした。


カレンは手術室から待機用の病室に移動された…カレンのベッドの足元には水槽が置いてあり、赤い靴を履いたままカレンの足はお湯に浸かっていた。

 暗い部屋の中、まだ眠っているカレンも
 その部屋の外でただ座っているユイトも
 何かを待っているんだろう、、

    〜♪~♪

看護師さんは電話に出た、、

        相手は早苗のお母さん


 ソファーに寝転んでいたマリンは立ち上がり、

 「ジン、部外者のお母さんに早苗の姿をバレたら、本当に取り返しがつかない!
  今すぐユイトに会いにー」と急いで走り、
2階に上がり、勢いよく窓から飛び降りた。

 ジンは、「寝巻きのまま出ないで下さいー!」と叫びながら後ろを追ってみたものの、
 マリンが自分を待機していた魔法の絨毯を乗って、スゴいスピードを出し去った後だった。



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