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世界中古童話堂45話 放つ (シーズン1最終話)



 ユイトは病室の前にある、長椅子に座って眠けと戦っていた。寝落ちるのかー丁度そのとき!
 病室の内側からドアがパカっと開けられ部屋の中からブロンドの綺麗な女性が出てきた。

      `ええー!
        夢?'
 女は凛とした立ち振る舞いで、
 「おい、ユイトこっちに来なさい」と言った。

開けぱなしのドアの向こうには同じく開けぱなしの窓から冷たい外の空気が伝わった、

   `これは夢じゃ無い'目が覚めたユイトにはベッドで死んだように静かなカレンが見えた。この女が何者かは知らないが入らない選択肢は無いとユイトは呼ばれてるとおりに中に入った。

 ユイトが入ると、
     「バタン、バタン」
病室の中は密閉された。

 `時間が止まってる?
いや少なくとも、もの凄く遅く動いてる感覚’ とユイトは感じた…マリンが口をあけた、
 「ユイト!私達には時間があまり無い」といったら、 部屋の隅にある洗面台の鏡は飛んできてユイトの前にベッドのカレンを映してくれた…

 `写真の子と似てる…同じ体型、、
    いや一緒…'

 「カレンの本名は早苗って言うの…やっぱり、覚えてないよね?」マリンは鏡に塾の画室を映し出した。

  「 この子は⁈、、えっ!うそだ!」マリンはユイトの反動を無視し、

 「早苗ちゃんはね、君に恋して赤い靴を履き、貴方の理想的な女の子になった訳。でも、もうちょっとしたら、死ぬかもね。 …
 だってこんな根暗な、デブは好きじゃ無いでしょう?    ははははーあ!
  君、いま面白い顔してる~あははは、
     可哀想なカレン…、」マリンはカレンのベッドまでユイトを引っ張り、

  「おい、みて!」と指を指した。
カレンの足が浸かっている水槽の中は、足首から滲み出ている血で赤色になっていた、ユイトは段々泣きそうな顔になり…マリンは、脅し続けた。

   「えっ、もしかしてユイト
  早苗ちゃんのこと好き?」ユイトは力強く、 

  「好きだよ!なにがおかしい?」

  「へぇ、、この子助けたい?」

  「俺が出来ることがあるなら」

  「私はこの赤い靴を返却しに来たの、
 その為にはオーバーヒートしてる靴が望む何処までつまり足首を切るまで行かないと靴は足から離れない。
 だけどね、あなたが協力したら赤い靴を騙せる…似てる物で誘導するのよ!

   例えば、指とか」マリンはニヤッと笑い、ユイトの両手の小指をふわっと握り見つめた。

 「どう? 時間が無いんだ、

  わたしなら、、痛みなく、 

    切っていい? 」ユイトは軽く指に力を入れてみた、拘束された指は動けない。

ユイトはもう自分の意思かどうかも曖昧なまま、目を瞑りマリンに身を任せた。

`あっ、あつい、熱い感覚が小指に刺しかかる'

ゆいとか目を開けたら、マリンは
 赤い靴を呼び血が落ちてる小指ふたつをまるでわんこにボールを投げる人みたいに投げ出した。赤い靴は色濃く匂う小指を追い、カレンのあしから離れ飛び出した! …マリンは素早く、持ってきたメニューブックを出して、小指をひとつずつ分けあってる赤い靴がごまかしに気づく前に、開いたメニューブックを被せて見事に入れ込む事に成功した。

 一方でユイトは、
靴が離れカレンの足がみえた瞬間、
靴から解放されたカレンが本来の姿に戻った瞬間、全てを見て…指の痛みも忘れ、、
そのままに気絶をしてくれた。



 「早苗、早苗!起きた?」お母さんは優しい笑顔で早苗の頭を撫でてくれた、

 「お母さん…わたし、ん?ここは?」早苗は体を起こし周りをみて何かが変わってることに気づいた。
    `足の指がない'

そして、隣のベッドで寝ているユイトもみた。

  「お母さん、、ごめん…わたし、、」お母さんは早苗を抱きしめ、
  「うん、いいの、学校も塾も気にしなくていいの、早苗が無事だからそれでぜんぶいいから…」早苗は言いたいことよりも聞きたいことがいっぱいだったけど…肩から伝わるお母さんの温かい涙に気づき…

 肩が重いのか?
それとも軽くて飛びそうなのか?

まだまだわからなくても良い、この瞬間を吟味した。


  そうか、ぜんぶいいんだ!



   fin.

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