世界中古童話堂42話 逃げる
いつまで玄関にいたのか……
目を開けた早苗は自分の部屋の天井が見えた、
部屋の外からお母さんの声が聞こえた。誰かと通話中?
「はい、先生…いや、初めてです!
今まで学校も、塾も行かなかったことなんて無かったです… 、、はい…そうですね。
明日ですか? はい、いえいえ…大丈夫です!
ありがとうございます。はい、失礼致します」
電話を終えた、お母さんが入ってくる!早苗はすぐ目をつぶった。
`私をみてるの? 静か…
ん?ん? もう1人誰かの足音が聞こえる!
男の声?、、お父さん⁈ '
「スマホは?」お母さんは久しぶり会う旦那のやり方で昔を思い出してしまった…
「あるけど、ロックしてあるから無理よ。」男は、
「起こして、 ロックを解除させろ。」お母さんは、
「 明日、 紹介してもらった先生のところに行くからもう大丈夫だと思う。 運んでくれて助かったですが、、でもここからは気にしなくていいから、、」
お母さんの震えてる声が伝わった、早苗の緊張は、寝てるふりがバレるんじゃないか?から男がお母さんを殴るかも…に変わり、より喉が渇いた… 早苗は、
`あ、、唾を飲み込みたい'と思いながら
寝てるふりに集中した。 男は、
「 そう? ならこれで会うのは最後にしたし、
いきなり連絡は無しねー、言わなくてもわかるよね⁈」と言い、物音を立てながら出て行った。
誰も居ない部屋でスマホだけが光った、
ユイトからのdmが溜まり出した… 。
朝の4時、スマホを強く握った早苗は荷造りをしている…
リュックには真っ先に、赤い靴を入れた…
それと、財布と新しく買った洋服、化粧ポーチまで入れてリュックを背負い、ゆっくり家から出ることにした…
だって、病院へ行く訳にはいかない!
ユイトはスマホをコートから出して時間を確認した、05:06
待ち合わせ場所はカレンが決めた…
05:08、スマホを見ているユイトにカレンが近づいた。
「お待たせ、、ごめんねこんな朝早く…。」
ユイトは、
「おはよう! 気にしないで、笑
さーあー、私たちは今から何処に行く?」カレンはユイトの笑顔で全てを忘れられる気持ちになり、
「えーとねー、、高尾山に行きたい…」ユイトは意外にも動揺なく、
「丁度良いね!僕も義晴らししたい気分だしねー」と言い、しれっとカレンの手を握ってふたりは電車に乗った。
ユイトは、思った `今日こそ!'
一方、店に戻ったジンとマリンは、なんだかぐったりしたかった… けど2回から下りてくる2人をみたキルアは、
「 マリン様、ご無事でしょうか?
ジンー、カレンのことを忘れたのか!
この状況を見なさいよ!」とまったく違うテンションで喋って来た。
マリンはチラッとキルアに映されてるマリンとユイトをみて、
「 あとちょっとだな…
ジンー最後まで見といて!
私はお風呂いってくる〜 」と言い、バーからワイン一本だけ手にとり二階に逃げた。
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