見出し画像

2020年のSEOと、2021年の展望

2020年も終わりが近づいてきました。コロナという大きな変化が世の中全般ではありましたが、SEO界でも多くの動きがありました。

・2020年に何があったか 
・それを踏まえて、2021年は何を意識するべきか

についてまとめてみます。

先に結論を言うと、「大きくはやることは変わらない。引き続きSEO視点に閉じず、サービス自体の価値を上げていく施策を実行しよう」に尽きます。

目先で多くの変化があったように感じますが、結局はSEOとしてやるべきことは変わっていません。
慌てたり、情報収集に時間を使いすぎるのではなく、優先度をつけて淡々と施策を進めていきましょう。
その上でご覧ください。言うまでもありませんが、全て筆者の私見です。

前提:2020年のSEOの動き

SEO界で2020年にあった大きなニュースは以下の通りです。
※主要なもののみ

コアアルゴリズムアップデートの頻度減

コロナによる社会的影響が大きいということもあり、コアアルゴリズムアップデートの頻度が少ない年でした。
例年は3-4ヶ月に一度はありましたが、今年は1、5、12月と、3回のみで期間も空きました。
とはいえ12月のアップデート影響は大きく、このまま2020年が終わると想定していた好調サイトにとっては辛い年でしたね。

ドメインの信頼性重視の傾向加速

そもそもアルゴリズムは機械学習によるものなので、単一の変数が効く効かないというのは原理的には間違っています。
が、実運用において意識すべき点としては、ドメインの重要性の向上が挙げられます。

3,4年前に比べても「コンテンツさえ良ければ順位向上する」といった傾向は薄まり、ドメイン自体のリンクやサイテーション、コンテンツ量などの比重が増したと各所で言われています。

ポイントはこうしたドメイン関連の要素は十分条件ではなく必要条件であることです。
インデックスされるコンテンツ総量も増えていることから、コンテンツやリンクのどちらかだけ良い、では勝てず、双方とも満たしていることが多くのKWジャンルで重要になりました。
YMYL領域ではなお強い傾向でしたね。

体力に劣る個人や中小企業ではなかなかSEOで継続的に成果を出すことは難しく、大手や巨大サイトがより伸ばした年だったとも言えます。

MFIの延期

多くのサイトでは既に関係ない話かもしれませんが、MFIの強制移行が2021年3月に延期されました。
MFI移行は順位影響がないことを確認されたサイトから進めていることをGoogleは発表していましたが、強制移行のタイミングでは順位に変動があるサイトもありえる状況でした。
そのため、特にMFIにまだ対応できていない大規模サイトでは猶予が与えられたといえます。

得られた約1年の間に対応できたサイトもあれば、大規模サイトにとって1年でできる施策は限られるので、まだ完了していないサイトも多くあるでしょう。
このままいけば3月に起こる強制移行時の順位状況は注視する必要があります。

リッチリザルトのテスト増加

ここ数年、Googleは検索結果に通常のリンク以外の形式で表示するリッチリザルトのテストや実装を進めています。
今年も同様に多くが行われました。

直近では12月に、スニペットを動的に変化する形式を英語のみでテストしていましたね。
この変化でSEO担当が気をつけるべき点は、KWごとのCTRの変化です。

例えばニュースやレシピなどのカテゴリでは、リッチリザルト枠が出ることで、順位が変わらなくとも通常検索結果のCTRは下がります。

また、FAQマークアップなどを競合が軒並み対応し自社だけ遅れれば、同様にCTRは下がることになるでしょう。
その結果、自社サイトの流入数が減少したり、施策実施時の試算と実際の効果の乖離が大きくなります。

こうした自体を避けるため、
・競合の施策モニタリング
・サーチコンソールでの主要KWのCTRモニタリング
は定期的に行うことが重要です。

Passage IndexingやCWVの予告

来年実装される要素として、
・Passage Indexing
・Core Web Vitals
が発表されました。

CWVは今までの延長線であるため、真っ当に速度改善等を行っていたサイトであればそこまで気にする必要はありません。

Passage Indexingは注意が必要と考えています。
まだ実装されていないため影響度合いは明らかでないですが、公表されている通りの影響があれば、長大なコンテンツを持つサイトがロングテールKWでも流入をより獲得できると想定されます。

ロングテールKWでは個人や中小でも現状獲得できている例も多くありますが、この結果より体力のある大手がより有利になることも考えられます。

また長大なコンテンツが有利になることで、各ページのコンテンツ量と速度のバランスや、ページの統廃合など、考えてるべき内容も増えます。

いずれにしても影響度合い次第ですが、CWV以上に現時点ではリスク・機会とも大きい可能性がある変更と考えています。

2021年のSEO展望

以上の前提を踏まえて、2021年のSEO展望を考えてみます。

ドメイン重視は引き続き

ドメイン重視の傾向は続くと想定します。Googleが推し進める信頼性重視の世界観において、コンテンツ内容の信頼性を判断するよりは、ドメインで判断するほうが現時点では確実だからです。

最近は企業ドメインのサブドメインや一部ディレクトリを借りてアフィリエイトサイトを運営する例が増えていますが、この手法も長期で効くとは思えません。
ドメインとサイトの関係性や、対象のページ自体がリンクを得られているかも今後見られていくと思われるためです。

サービスとしての独自性や信頼性が大事

サービス自体に独自性、強み、信頼性がないのに、SEO施策だけで補い上位表示することはここまでの通り難しくなりつつあります。
SEO施策として、サービスの強みを適切に伝え表現することも進めつつも、そもそもの強み自体を強化すべく、SEO以外に染み出していく動きも重要になるでしょう。

結局やることは変わらない

ここまで展望を書いてきましたが、細かい新要素を除き、大きくは昨年末と状況は変わっていません。
引き続き、短期のハック的な施策ではなく、ユーザーのためになるコンテンツ作成や施策実行を推進するという長期観点が重要です。

そういうマインドであれば、アルゴリズム変動やGoogleの発表に踊らされることなく、よりサービスをユーザーのためになるものにすることに力を注げるでしょう。

前提部分に比べ、2021年展望はだいぶ短くなりましたが、結局やることは同じだからです。
数年間継続的にSEOに関わっている方なら、毎年言われている話ばかりだなと思われるでしょう。

総括:淡々と長期に効く施策の実行を

長くなりましたが総括すると、

・コンテンツ品質もドメイン信頼性も両方重要
・大枠でのこの傾向は変わっていないし、続きそう
・踊らされず、長期で効く施策を淡々と実行すること

に尽きると考えています。

2021年も粛々と頑張りましょう。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?