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難病って何?

SENZUのTakaです。
毎年5月23日は「難病の日」に制定されています。2014年5月23日に「難病の患者に対する医療等に関する法律」(難病法)が成立したことを記念して、JPA(Japan Patients Association:日本難病・疾病団体協議会)によって2018年に「難病の日」が登録されました。患者や家族の思いを多くの人に知ってもらう機会とするのが目的です。
SENZUでは、筆者の代表Takaが難病の当事者であること。また、難病などの深刻な疾患は広義の貧困に通ずるとの思いから、難病に関する発信を行なっています。
この記事では難病についての簡単な説明を記しました。

● 難病って何?

難病は、1)発病の機構が明らかでなく、2)治療方法が確立していない、3)希少な疾患であって、4)長期の療養を必要とするもの、という4つの条件を満たす疾病です。簡単に言うと、治すことができず長く付き合っていかなければならない疾患です。
加えて、5)患者数が本邦において一定の人数(人口の約0.1%程度)に達しないこと、6)客観的な診断基準が成立していること、という2条件を満たすものは指定難病と呼ばれます。指定難病に対しては、

● どれくらいの難病患者がいるの?

指定難病となっている疾患は333あります(2021年5月23日時点)。(参照:指定難病一覧 / 難病情報センター

また、指定難病患者数(申請を行なって受給者証の交付を受けた人)は約95万人で、日本の総人口(1億2536万人)の約0.76%です。(2021年5月1日時点)(参照:特定医療費(指定難病)受給者証所持者数総務省統計局:人口推計

● 難病になると何が大変なの?

難病は、治療法が見つかっていないため基本的には治らない病気です。そのため、医療費が長期的に必要となります。患者数が少ないため、治療法の研究もなかなか進みません。加えて、日常生活に制限が出たり、以前のように働けなくなってしまうことも多くあります。入院治療になった場合には、医療費+収入減というダブルバンチを受けてしまいます。

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● 難病になるとどのような保障を受けられるの?

「指定難病」と診断され、病状が一定程度以上の場合、医療費の補助が受けられます。これらの要件は「難病法」によって詳しく規定されています(参照:難病の患者に対する医療等に関する法律 / e-Gov法令検索)。
医療費補助を受けるには、市役所などで申請を行って認定を受け、特定医療費受給者証を取得する必要があります。指定難病とそれに関連する傷病の医療費の自己負担額が減ります。

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(画像:難病対策 / 厚生労働省 医療費助成制度周知用資料リーフレット)

加えて、「障害者総合支援法」による福祉制度の対象疾病・難病等は361あるので、「指定難病」に入っていなくても、障害者手帳を取得して障害者に関する様々な福祉サービスが受けられる可能性があります(参照:障害者総合支援法の対象疾病(難病等) / 厚生労働省障害者総合支援法のサービス利用説明パンフレット(2018年4月版) / 全国社会福祉協議会)。
また、特定医療費受給者証と障害者手帳を併用することもできます。

● 難病に関する福祉制度の課題

難病に関する社会福祉の課題はまだ多く残されています。指定難病になっても「軽症」と見なされた場合は助成を受けられません。「指定難病」および「障害者総合支援法」の指定疾病に入っていない病気もあります。
また、就労という面でも課題があります。難病でも、障害者手帳を取得できなかった人は、障害者雇用の支援制度を受けることができません。仕事に支障をきたしている難病患者で、就労に悩みを抱えている人も少なくないようです(参照:障害者認定ない難病の人の就労 支援厚い「枠」に入れず 「手帳」制度化求める声も / 東京新聞 TOKYO Web)。
さらに、これらの福祉サービスは基本的に自発的に申請しなければ受けられません。必ずしも病院がこれらのサービスを熟知しているとは限らないため、知らないことによって補助を受けられていない患者もいるかもしれません。

● 最後に

視点を国家レベルに広げて難病を見た時に、難病に対する医療費助成は対症療法と捉えることができます。「難病」という社会問題に対する原因療法は、難病の研究を進めることです。将来の患者を救うという意味では、研究が進むことも非常に大切です。現在、指定難病に対する医療費助成費は約1,091億円、難病の調査・研究費は約118億円です(平成31年度難病対策概算要求について / 厚生労働省)。難病研究の約9倍にあたる金額が医療費助成金に使われています。
前述のように、SENZU代表Takaは指定難病の医療費助成を受けています。また、SENZU代表Yukiは製薬会社で難病研究に携わってきたバックグランウドがあります。そのような身として、2人の知見が少しでも難病研究の糧となるように発信を行なっていきたいと考えています。

筆者の難病に関するもろもろの記録はコチラ↓

Written by Taka, Yuki

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