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音楽

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#音楽

教職課程は履修すべき? 音大で教員免許を取った私が苦労したこと

大学で「教職」を履修するかしないか問題。多くの大学生、特に音大生が最初に抱える悩みのひとつではないでしょうか。私自身、音大入学時にとても悩みました。 「免許だけは持っておきなさい!」と両親に言われていましたが、私は教員の道を全く考えていなかったので、教職を履修する必要性がわからなかったし、せっかく音大に入学したのに音楽と向き合う時間が教職によって削られていくこともすごく嫌だったんです。しかし、音楽で生きていける人なんて本当に一握りだという現実に、大きな不安を覚えていたことも

西洋音楽史に輝く9つの宝 ベートーヴェンの交響曲全曲解説

今年も残すところわずか。この時期になると、日本各地でよく演奏されるのがベートーヴェン作曲、“第九”こと《交響曲第9番ニ短調作品125「歓喜に寄す」》です。“第九”は、俳句における冬の季語になるほど日本では年末の風物詩となっています。第九は「人類最高の芸術作品」と呼ばれるほどの作品ですが、第九だけでなくベートーヴェンの交響曲は、そのどれもがそれに匹敵する歴史的価値を持っています。そのすべてが、その後枝分かれする西洋音楽のあらゆる路線に影響を与えている、パイオニア的作品なのです。

“夜の洗足”って知ってる? 学生ライターが探検してみたら…

こんにちは。洗足公式note学生ライターのみずたま(ミュージカルコース)です。 これまで2回に渡って洗足のお気に入りスポットを紹介しましたが、今回は“夜の洗足”にフォーカスを当ててご紹介したいと思います。 夜の洗足は、なんだか神秘的でお気に入りです。学外の方は日中に足を運ばれることも多いかと思いますので、ぜひ日中との違いをお楽しみいただけたらと思います! ①ターミナルL:窓から溢れる光ターミナルLの入り口に立って上を向くと、窓から光が溢れていることに気づきます。 通り

芸術の秋、美術と音楽が交わる季節

どんどん日が短くなってきていますね。朝晩は涼しくも感じられ、秋の到来を感じます。 「食欲の秋」「読書の秋」「スポーツの秋」…と秋はいろいろなことをするのに適した季節です。 そして「芸術の秋」という言葉もよく聞きますね! 芸術にはいろいろな分野がありますが、視覚で感じる“美術”と聴覚で感じる“音楽”はその代表的なものでしょう。 作曲家の中には絵を描く人や、絵からインスピレーションを受ける人もたくさんいます。そして画家の中にも音楽からインスピレーションを受けたり、音楽を絵画で表

ひとりじゃ何もできないから。音楽環境創造コース・前田康徳先生に学ぶ、“つながり”の尊さ

洗足学園音楽大学同窓会コラムより転載: 洗足学園音楽大学を卒業した後に幅広い領域で活躍する同窓生や、現在洗足学園にて教鞭を執る先生方にお話を伺う、洗足学園音楽大学同窓会コラム。 今回お話を伺ったのは、音楽環境創造コース統括教授 ・前田康徳(まえだやすのり)先生です。音楽環境創造コースは2020年に新設されたコースのため、筆者が在学していた頃にはまだ設立されていないコースでした。そこで、このコースの名前を初めて耳にしたときにまず感じたのは、音楽・音響デザインコースとはどう違

うたっておどるシンガーソングライター、ゆめちゃん♪

そう、あれは昨年の4月、とある日の昼休み。中庭から突如聞こえてきた一人のアーティストの音楽に足を止めてしまいました。キッズソングのような、アイドルソングのような、洗足学園では普段聴かないような不思議な音。ピンクのフリフリの衣装を身につけた、ツインテールの女の子。そう、彼女はうたっておどるシンガーソングライター、ゆめちゃん♪だったのです。 どうやらそれはロック&ポップスコースのゼミのライブイベントで、ゆめちゃん♪はその出演者の一人だったようです。それから時は流れ、今年4月27日

『諸井三郎展』からつながる絆。音楽評論家・那須田務先生と辿る、同窓会の足あと

洗足学園音楽大学同窓会コラムより転載: 洗足学園音楽大学を卒業した後に幅広い領域で活躍する同窓生や、現在洗足学園にて教鞭を執る先生方にお話を伺う、洗足学園音楽大学同窓会コラム。 今回お話を伺ったのは、音楽評論家・那須田務(なすだつとむ)先生です。洗足学園音楽大学大学院では論文の授業を担当されており、筆者が大学院に通っていた頃は那須田先生の授業を受講していました。そのため、直接お話させていただくのは実に約4年ぶり! 個人的にお聴きしたい内容は盛りだくさんですが……。那須田

メディアアーツコースってどんなコース?

みなさん、こんにちは。 洗足学園は、2024年に創立100周年を迎えます。こうした節目に、洗足学園は新しいコースを設立します。それは「メディアアーツコース」。いったいどんなコースなの?何が学べるの?どんなメリットがあるの? 今回は、新しく開設されるメディアアーツコースについてご紹介します。 メディアアーツコースって?メディアアーツコースっていったいどんなコースなの? 結論から申し上げましょう。「音楽大学に開設される映像制作のコース」です。映像と音楽は常に密接に関わり合ってい

音大生の物件選びって難しい? 意外と知られていない“5つのコト”を知って、音楽ライフを楽しもう!

大学・専門学校への入学や新社会人となるタイミングをきっかけにひとり暮らしを始める方は多いのではないでしょうか。 物件選び、できるだけこだわりたいですよね。私たち音大生は「大学生」だけど「音大生」なので、音大生向けマンションや楽器の練習が可能な物件などに住む人が多いです。(私自身も音大入学を機にひとり暮らしを始めて、気づけば約5年!) 現在私は防音物件に住んでいますが、今の物件に決まるまでさまざまな苦悩がありました。楽器を演奏できる物件だから万事OK……ではなく、実際に住ん

クリぼっちのクラシック♪

もうすぐ、みんな楽しみクリスマスのシーズンですね! 近所の商店街でもスーパーマーケットでもテレビでも、楽しそうなクリスマスソングが鳴り響きます。 それらを聴いて、胸を躍らせる人は多いでしょう。しかし中には、逆に寂しさを感じる人もいるかもしれません。かく言う筆者は、クリスマスは特に予定がなく、独りで寂しく過ごす一人です。 クリスマスに独りで過ごすことを、クリスマスと独りぼっちを合わせて“クリぼっち”と言うそうです。クリぼっちも気楽で悪くないですが、皆が恋人や家族と楽しそうに過ご

音大生に聞いてみた! 買ってよかった「普段使いに最適なイヤホン」5選

はじめまして。 この度、洗足公式note学生ライターとして記事を執筆することになりました、学部4年生管楽器コースユーフォニアム専攻の石倉雄太(いしくらゆうた)です。 普段はユーフォニアムの演奏活動の他、作編曲の活動も行っています。そんな僕ですが、どうしてもこだわりたいモノがあるのです。 それは、「イヤホン」。 おいおい、いきなり音大生のマニアックな話かよ……。と画面を閉じないでください(笑)。 僕自身、もともと小さい頃から音楽を聴くことが好きで、イヤホンへの興味は人

打楽器で自然の音を再現してみたら、思った以上にジャングルだった

みなさんはじめまして。洗足公式note学生ライターとして記事を書くことになりました、打楽器コースのあずです。よろしくお願いします! 突然ですが、雨の音や海の音をはじめとした自然の音は好きですか? 私は好きです。しかし、自然の音は"そこ"に行かないと聴くことができません。スマホでも音自体は聴けるけど、やっぱり生の音を味わいたい……。 ん、待てよ? ピッタリな楽器があったじゃん! ① 雨の音自然の音を味わうために今回私が選んだのは、4種類の打楽器たち。動画とあわせてご紹介

音楽の仕事をしながら大学院に通う“音大生ワーカー”の1週間って?

みなさんは、「音大生の1週間」と聞いて、どのような1週間をイメージしますか? ・とにかく練習や課題に追われる日々 ・プライベートも音楽にどっぷり浸かった生活 大半の方が、このようなイメージを持つのではないでしょうか。 私自身も音楽大学に入学する前まで、このようなイメージをもっていましたし、入学後も音大生ではない周りの友達から「音大生ってどんな感じ?」「やっぱり大変なの?」とよく聞かれました。 今回は、「音楽の仕事をしながら音大大学院に通う私の1週間」を包み隠さず公開しま

ヴォーン・ウィリアムズのススメ

2022年は、イギリスの作曲家、レイフ・ヴォーン・ウィリアムズ(以下、RVWと表記)の生誕150年のアニバーサリー・イヤーです。アニバーサリー・イヤーということで、RVWが盛り上がっているかどうかと言われると、特にそんなこともなく、コンサートで取り上げられる機会が普段よりほんの少し増えた程度です。日本ではさほど取り上げられないこの作曲家ですが、本国イギリスをはじめ西洋では、作品の量、質ともにイギリスの作曲家の中で最も評価されているうちの一人です。今日は、そんなRVWの魅力をご