運営者が居ない時間!?「家守タイム」はじめました
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運営者が居ない時間!?「家守タイム」はじめました

こんにちは、銭湯ぐらしです。
会員制シェアスペースとして運営中の小杉湯となり。オープン2年目の今年、会員さんの中に「家守」という役割をつくりました。

家守って?

家守は、小杉湯となりを使いながら、運営にも関わる人。つまり、利用者であり、運営者でもある会員さんです。「家守タイム」は週に数回。スタッフはその時間帯におらず、家守が場所を守ります。
そもそも「家守」とは「家の番をする人」や「江戸時代に不動産管理をしていた人」を意味する言葉ですが、最近では「エリアマネージャー」や「コミュニティマネージャー」としても使われはじめています。小杉湯となりでも、その場にいる人や状況など、広い意味で場を守る人として使っています。

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なんで家守タイムをつくったの?

この仕組みをつくった大きな理由は2つあります。

1つ目は「銭湯のような居心地をつくりたい」という思い。

銭湯は、さまざまな要素の居心地から成り立っています。例えば、お湯の気持ち良さ、裸になる開放感などは、すぐに思い浮かぶ人も多いでしょう。でも、仮にお風呂がなかったとしても、場づくりの参考になるヒントが隠されていると私たちは考えています。

それは、銭湯の居心地が、基本浴室にスタッフが居ない「セルフサービス」で成り立っているということ。桶を片付けたり、常連さんに会釈したり。気持ちよく過ごすために、利用者自身が気を配り合うことで場が保たれています。

小杉湯となりも、そんな居心地のいい場所を目指したいと思っていました。

a小杉湯_室内


2つ目は「運営に関わってみたい」という会員さんの声。

ある時、会員さんから「運営をお手伝いしたい」という声がありました。
場に関わるきっかけがあれば、他の人とのつながりや場所への愛着が生まれる、というのです。
また、他の人からも、運営側の課題を知ったり、そこに貢献できたりすることで、自分の場所として行きやすくなると聞きました。

居場所は与えられるのではなく、自らつくること。
さらに、じぶんごと化するために、主客の垣根を越えて関わりあうこと。
もしかしたら、これが銭湯の居心地に通ずる部分なのでは?と私たちは考えたのです。

でも、いきなり会員さんが運営者のように振る舞うのは難しいし、中には、利用者として使いたい人もいます。その人たちを蔑ろにせず、うまく共存できる点を探したい。
そこで、私たちは「『利用者と運営者の間の存在になれる』選択肢を設けることで、結果的に境目があいまいになるのではないか」という仮説を立てました。

こうして生まれたのが、家守タイム。実際に始めてみると、会員さん同士の交流が生まれて、新しいイベントや企画に進展したり、利用者としての目線が運営の改善につながったり。自ら改善を図ってくれた会員さんもいました。

小杉湯となりは「居心地のいい場所をつくりたい」 という主体性が集まって成長していく、理想の場所に近づきつつあります。

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家守タイム、試行錯誤レポート|vol.1

家守タイムが生まれてからの半年間は、まさに試行錯誤の連続。今回は、スタートまでの出来事をまとめてみました。

まずはトライアル。「運営に関わってみたい」と言ってくれた会員さんを中心に、何人かに「家守」を体験してもらい、その感想を話し合いました。すると、こんな課題が見えてきました。

最初は、家守タイムが「何を目指すのか?」ということ。

先に「銭湯は、基本浴室にスタッフが居ない『セルフサービス』で成り立っている」とお話ししましたが、改めて銭湯の良さを考えたときに、完全な無人・自治運営でなく、番台や番頭という役割の人も大切だと気づきました。

小杉湯となりに置き換えるなら、家守は、会員さんに寄り添いながら接する存在。利用者の中には、誰かと話したい人もいれば、逆にそうではない人もいる。また、それは日によって違うかもしれません。これらを感じ取りながら、声を掛けたり、何かのきっかけをつくったりする人が「居る」ことで、場は成り立つと考えました。「馴染みのない会員さんに声をかけてみる」などの些細なきっかけを同じ利用者の立場である家守がつくっていけば、緩やかで温度のある交流が生まれ、それを深めることにもつながっていくでしょう。

次に、家守が「何をどこまでやるのか?」ということ。

議論したところ、家守はあくまで場所を守ることが大事、という答えにたどり着きました。
大切なのは、アルバイトのように、タスクをこなすように動くのではなく、あくまで小杉湯となりの利用者として居心地よく過ごすこと。そして、その中で「できること」「やって良いこと」をより増やしていくことによって自分も周りの人も過ごしやすくなることを目指すことにしました。

こうした、保たれた場所をより住み良くしようとする意識は、家守の「態度」になぞらえることができます。

最初は難しいかもしれないけれど、家守が、ルールなど、守ら「なくてはいけない」ような強制力のある言葉で指示するのではなく、できる範囲で場にふさわしい態度を示していく。そうすれば、マナーやモラルのように、徐々に周りにも浸透していくのでは…?
だとすれば、家守は、そこに「居る」ということ自体が仕事、という認識が必要だと分かったのです。

最終的に、家守タイムは「運営上必要な業務以外は利用者が主体的に動けるように、小杉湯となりへの “関わりしろ”を増やしていく。そして、会員さんたちが自然に過ごすことで成り立つ場所を目指し、みんなで小杉湯となりを育てていく」ことで一致しました。

いよいよ本格的な家守の募集。掲示したポスターには、家守として必要最低限意識して欲しいことを次の3つにまとめました。

・コロナ対策(換気・消毒)
・気持ちの良い空間の維持(照明や空調の調節、定期的な掃除と片付け)
・お困りごと対応・交流(話したそうにしている人と話す)

こうして、2021年4月には17人が集まり、家守タイムが正式にスタートしました。

a小杉湯となり運営サポーター募集-1

a小杉湯となり運営サポーター募集-2

家のように使ってもらえる場所へ。

家守タイムは、まだ道半ばではありますが、「運営者」「利用者」というラベルに囚われない、新しい役割の存在が、場所への主体性を育んでいくのではないかと私たちは思っています。

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今後は、取り組みが始まってからの試行錯誤や、家守の視点から新しく生まれたことなどを随時更新していく予定ですので、興味がありましたらまたご覧ください。

また、会員さんも絶賛募集中です!見学を受け付けていますので、ご興味のある方は、以下のフォームからお申し込みください🐤

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