【女湯事件ボ11】バイブラがコワい女の子。
北海道のとある銭湯(2018年頃)。
だだっ広~い銭湯にも関わらず、
お客さんは私だけだった。
ラッキーと思うと同時に、なんだか申し訳なくなる。
でも心地よいバイブラに揺られ、
おっきく深呼吸をしていた。
と、きゃっきゃと女の子の声。
ペチペチと足音までかわいい。
そういう時、来た来たっ。。と私はワクワクする。
「あぶないよ、ママと入ろうねぇ」
と、その途端、
「いやぁ!」と女の子が後ずさりをし、
ぐずり始めた!!
や・・・やべ、私嫌がられてるかな?
とりあえず、にごぉっと笑ってみた。
「おナベ!こわい!」
・・・なるほど!
バイブラ(ジャグジー)の泡がお鍋のグツグツみたいで、
「熱そうでこわい」と、ためらっている訳だ。
「大丈夫だよ。熱くないよう?」
「お姉ちゃん、大丈夫だって。」お母さんもうなずく。
「いやぁ。」
これはまずい。
これでデビューできなくなっちゃ、私も責任感じる。
私もつい懸命になり、
「お母さん、お湯触ります?」
お湯をすくってお母さんに触ってもらった。
「あら?気持ちいいよー??」とニッコリするなり、
女の子を抱き抱えて、お湯に浸かった。
浸かる瞬間 既に女の子はぐずりもしていなかった。
お母さんって、偉大だ。
「ありがとうございました。
ね、私ココ、産後久しぶりで・・・入れないとね、もったいないもん。」
お母さんはお風呂好きで、お子さまは初銭湯だったらしい。
ちょっとだけその背中を押せたならば、良かった。
その後、ついご近所ですか話になって、
私が東京から来た事等で盛り上がった。
「〇〇ちゃん、お姉ちゃんは東京から来たんだって!
ディズニーランド、ミッキーさんいるとこ!行きたいねえ。」
その銭湯のバイブラ浴槽は
ぬるめで、勢いが良くって、薬湯で、
ちょっとおしゃべりするに最適だった。
私たち3人はそのお鍋で、グツグツと・・・いい感じに煮え、仕上がった。
それにしても驚く。
バイブラのブクブクがお鍋のグツグツに見える、幼心の可愛らしさ。
でも、言われてみたら、よく似ているものだな。
私たちは気づかないうちに、
その感性を失ってしまっているようだ。
すっかり摩耗している感性を・・・やっぱり 自分は大事にしたい。
だって 銭湯で出逢うキッズたちが、こうして教えてくれるんだから。
その機会を逃す手はないでしょ。
やすこ。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?