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『老人ホテル』親ガチャもだけど地域ガチャもあるよねってふと思った本

最近読んだ中で圧倒的にモヤモヤした本。

作品概要

生活保護を受給する大家族で育った天使は、キャバ嬢時代に知り合った投資家の綾小路光子と再会する。訳あり老人たちが長逗留するビジネスホテルにひっそりと暮らす光子の指南で、極貧人生から抜け出そうと、生きるノウハウを学ぶことになるが……。秘密を抱えた二人の「投資版マイフェアレディ」!

Amazonページより


モヤモヤした理由


モヤモヤした主な理由は主人公の天使ちゃんの母親が心から嫌いなタイプのクソ女
その描写があまりにも立体的だったから。笑

人からものを奪うこと
人に暴力をふるうこと
嘘をつくこと
不正受給をすること

などに躊躇がない上に
テレビの取材を受けて
テレビの前では諸々耐え忍ぶ母を演じ
時にはテレビの前で涙を流し…

フィクションだと分かっていても
心の中で舌打ちしちゃいがちな


わたしの嫌いな色々をギュッとした


この前吐き出した嫌いすぎる『は?』がベースになってて(+働けるのに働いてないのか本当に働けないからなのか…)

イライラするなこの母親って思いながら、物語の展開が気になってどんどん読み進めてしまった。

主人公の天使と光子ばあちゃんが、天使の母親のところに乗り込んでいく場面が好き。

「恥?あんたにはじの概念があるとは思わなかったし。子供の頃から人生をすべてさらけ出して金を稼ぎ、それでも足らずに生活保護まで受け取ってた親に育てられたのに。そういうところはもう少し、母親を見習いな

P200


原田ひ香さんのエッセイ


さっきnoteで「老人ホテル」と検索したところ、作者である原田さんのエッセイがヒットして読んでみた。


あ、あの本屋でよく見かける「3千円の使い方」の方なのね。このエッセイの中にも親ガチャって表現があったし、「老人ホテル」もまさに親ガチャがベースになってる話なのだけど、こんな一説があり…

天使のまわりはあまり進もうとしない人たちばかりだった。何かに進んだり努力したりすると、笑われたり馬鹿にされたりする。

P237

あーもうこれすごいわかる。
地域ガチャ(なんて言葉ないかもしれないけど)も大きいと思う。

大都会には大都会の大変さがあるのだろうけど
大田舎の勉強してる人は「ガリ勉」枠を割り当てられ、勉強せず、ルールに従わないことを美徳として結束する方々と相性がよろしくないことも…ねぇ(オブラート)


勉強することに逆風が吹くクソ田舎でいっぱい勉強してたわたしに会いに行って「腐るなよ!」って激励したい。

法律は弱い人を守ってくれる?!


会社員時代
仕事で必要なる…というか
身につけないと担当できないからって日々勉強。
税務とか法務とか金融の試験の話を
お昼休みに同期たちとしてた時

通りかかった役員がボソッと言ってた。 

「法律は弱い人や無知な人を守ってくれるわけじゃない。法律を知ってる人が身を守るためのものやからな」

って

エピソードを思い出した1冊でした。

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