見出し画像

いってきますという言葉

多言語では表現しようがない単語だと思うんです。

いってきますの前提条件

 この言葉を使うにあたって、前提条件がいくつかありますよね。

1.送り出してくれる人がいる

 ひとり暮らしをしていると、送り出してくれる人がおらずとも、独り言で「いってきまーす」「ただいまー」ぐらいは言うかもしれません。

 だけど本来意義的には、いってらっしゃいと送り出してくれる人がいる前提で相手に向けて喋る言葉だと思います。

2.帰るべき住処ないし場所がある

 流石に帰るべき場所も無くこの言葉を使っている人がいるとしたら、それはもう富士の樹海や東尋坊に向かう片道切符だけの人か、極度の寂しがり屋、或いはかまってちゃんでしょう。

2つの言葉が合わさって出来ている

 日本語って単語単語の精度や高すぎるのと量が膨大すぎて、同音異義語って沢山あるじゃないですか。

・行く
・逝く
・幾

・来る
・繰る
・佝僂

 いくつかの単語を併せてひとつの言葉として意味をもたせるというのは、西洋文化圏のやり方だと私は思っていたんですね。

 例えばそうですね。R.I.Pとかわかりやすいじゃないですか。

・Restは休憩とか安息という意味で

・Inはまあ前置詞だから置いといて(え?前置詞でいい?大学英語追試おじさん)

・Peaceはこの場合平和というより安らかとか安寧という意味合いが強いですかね。

 直訳すると、『安らかに休んでください』というような意味になると思いますけど、意訳すると故人に対する言葉ですよね。

 これを日本語で表現するとなると、やっぱり結構長ったらしくなるんですよ。「御冥福をお祈りします」ってやつです。

いってきますの凄さ

 いってきますって、本来意義では上で挙げたような例と同じじゃないですか?

 だって、「行って、(帰って)来ます」という2~3単語からなる言葉ですよね?

 だけど長ったらしさをまるで感じないでしょう?というか1単語として成立している美しさがあると思うんですよ。

 我々が普段使っている「いってきます」という挨拶を発する際、いちいち「いって」と「きます」の間に読点を入れて喋る人はそういないでしょう?

 大半の方々は1フレーズとして「いってきます」と発するはずです。

 これ凄いなと思ったんです。

 この美しさに気がついたのは、今日です。35年生きてきて、やっとたどり着けた境地です。

 もっと沢山素敵な言語はあるのでしょうが、私はいってきますという言葉にとてつもない美しさを感じました。


 普段当たり前のように使っている言葉、改めて考えてみると実は凄い言葉だったりするかもしれませんよね。

 私にとっての「いってきます」。みなさんにとっては、何が該当しますか?

 是非教えてください。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?