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THE FIRST SLAM DUNK  感想其の二

 昨日投稿では大分前置きが長くなってしまい、冒頭しか所感を書くコトができませんでした。今日はフルで書いていきたいと思います。

序盤 この映画を通して大切にされる事

 今作は基本的に原作では主人公桜木花道の良きチームメイトとして描かれた宮城リョータを軸に、過去回想と、インターハイの対山王工業高校戦という両輪をまわしながら話が進んでいきます。

 リョータの過去は原作にはない描写が沢山あるのでネタバレの無いように気を付けますが、彼の家族がキーパーソンとなってきます。

 そんな中で本作の大切な描写となっていたと感じたのが「マッチアップ」です。

・映画冒頭のリョータと〇〇のマッチアップ
・リョータと深津のマッチアップ
・ゴリと河田のマッチアップ
・リョータとミッチーのマッチアップ
・リョータとミッチー(長髪)のマッチアップ(笑)
・流川と沢北のマッチアップ
・花道と河田のマッチアップ
・リョータと沢北のマッチアップ

 補完という意味ではリョータとミッチー(中学時代)のマッチアップはとても良かったですね。やはりミッチーはどこまで行ってもオトコマエです。

 これ以外にも人間関係の対峙という意味でも、マッチアップが沢山描かれた作品だったなと思います。

 あの完全無欠と思えた山王工業戦を過不足なく描けたのは、流石の一言でした。

中盤 各キャラの葛藤

 リョータは主役なので終始葛藤が描かれ続けますが、その他のキャラにも様々な葛藤があります。
 体格が頭抜けているので勘違いしてしまいがいですが、彼らが多感な高校生だという事を改めて感じさせられました。リョータやミッチーは勿論、ゴリや流川もまだまだ未熟。
 
 これは相手チームの絶対的エース、沢北にも言える事です。名実ともに日本一のプレイヤーとなってしまい、国内での課題を何一つ持たない天才。そんな彼もまだ高校生。神社のシーンは良かったですね。分かりやすいフラグという意味だけでなく、あのシーン自体の背景美術や音響が素晴らしかった。あのモチーフとなった神社(エンドロールで流れていましたね。さすがに思い出せない)は、人気が出そうです。

中盤 映像化される事で際立つ「素人」の怪物ぶり

 前半をリードして折り返した湘北メンバー、驕りは無かったと思いますが、常勝軍団率いる名将が勝負をしかけてきます。山王工業伝家の宝刀であるゾーンプレス。相手コートゴール下でパスを回すことを許さない。とてもアグレッシブで攻撃的なディフェンス。

 奪ったボールを即座にゴールへシュート。あっという間に逆転されたかと思えば、気が付けば10点以上引き離される事に。

 タイムアウトを取る湘北、イラだつ桜木をはじめ。気落ちする湘北メンバー。
 40秒間呼吸をしましょうと落ち着かせ、その間に各人へ指示を出し、「ココ(ハーフコート)までは宮城くん、あなたの領域ですよ。」と明確に役目を課す安西先生。
 原作の進行を忘れてしまいましたが、メタ的な見方をすればどう考えてもここで息を吹き返すのが主人公チーム。

 しかし、山王工業はそれを許しません。ようやくゾーンを抜けたその先、スタミナを消耗させられ飛び道具として機能しないように映る(?)三井。こうなると湘北の得点源は流川の切り込みかゴリという屋台骨をセンターに据えたX軸での勝負がパターンとなります。

 が、ここで立ちはだかるのが全国でも3指に入ると評される最強センター河田。身体の強さは言うまでもありませんが、ゴール下に身体を上手く入れてゴリのゴール角度を潰したり、攻守が逆転するとパワープレイだけでなくジャンプショットも華麗に決める器用さも持ち合わせています。

 ここに沢北の圧倒的1on1の強さがプラスされ、得点差は20点を越えます。更に言えば湘北は後半がはじまって以降1得点も取れていない非常事態です。

 そんな絶望的な空気感をぶち破るのが原作主人公である桜木花道。
連続リバウンドや滞空時間の異様に長い跳躍力。
 河田の「あれ?まだいる」と淡々と独白した一言で語り尽くされる怪物の異常性。そこからの全力ダッシュ。

 山王の堂本監督をして「まず止めるべきは桜木だった・・・!」と言わしめるほどの才能。まさしく現代風に言えばフィジカルギフテッド。

 その桜木、来賓や観客に対して挑発的な行為にでます。


「ヤマオーは俺が倒す! by天才桜木」



 明日へ続く。すみません、やっぱり長くなります。また時系列などぐちゃぐちゃになっていたら申し訳ない。

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