気付きこそが自分らしい生き方への第一歩【2019年5月期受講生課題記事】
※こちらは「ライティング基礎ワークショップ(2019年5月期)」の受講生が、課題として作成したインタビュー記事です。
「価値観の多様性」や「自分らしさ」は、もはやトレンドとなりつつある今日この頃。
それにも関わらず、日本の就活制度の下では、未だに学生がエントリーシートに追われ、黒髪に同じようなスーツ姿で、面接官の受けがよい志望動機を考えています。
社会に出れば、多くの人が周囲の人間の価値観に合わせ、自分の本当にしたいことが分からず、何となく追い込まれ日々せわしなく働いているのが現状です。
そんな、社会のあり方に違和感を持った上野さん。
上野さんは現在家具量販店のイケアで働きながら、webサイト「FUHEN」を通して、悩める就活生や受験生をターゲットに、自分がしっくりくる将来の選択肢を見つけるきっかけを発信しています。
ー上野さんが、今の活動を始めるきっかけはなんだったんですか?
就活ですね。就活の制度に違和感を覚えて、このまま流れに乗っていいのかなと思っていたんです。
ちょうどそのころイケアの仕事に出会って、「一人一人の価値観を大切にする」という企業理念に動かされました。
自分の価値観を大切にしたいと思っているのに、このまま同じレールに乗っていればどこかで自分を抑えなくてはならない。
それなら、今レールから降りて自分がやりたいことをやろうと思ったんです。
ー決断をして、行動できるのが素晴らしいです...!上野さんの話を聞いていると、自分のペースを大切にされているように思いました。そんな上野さんの価値観ができた過程って?
うーん...僕、小学校でいじめられっ子だったんですよね。何事も出だしが遅い子で。
クラス替えもない小規模の学校だったんですけど、最初に出来たグループに入っていけませんでした。徐々に一人で過ごすようになっていったので、元々、人に合わせることが苦手なんだと思います。
ただ、中学校で出来た友達とは、お互いにいいところも悪いところも何でも話せて。ありのままの自分を出しても、受け入れてもらえるんだ、とその時に実感しました。
その子とは、今でも仲良しです。
それが、自分の今の価値観を形作っている気がします。人に合わせて、無理をするよりも自分のペースを大切にした方が、より幸福度が高い人生になると思いました。
ーなるほど、今の価値観は小中学生時代の経験から来ているんですね...。上野さんが、「書く」ことを手段にして自分の価値観を発信する理由はありますか?
「書く」って誰でもすぐにできるじゃないですか。それが、「書く」という情報発信のいいところだと思います。
それから、元々サイト運営に興味があったので、「やりたい」と思ったことを「すぐ」できる手段でと考えたら「書く」に辿り着きました。
ー確かに、Twitterやnoteなどの「書く」SNSが発展してる背景には「思いをすぐに形にして、発信できる」というメリットがあるからだと思います。すぐ」は、発信にとって大切なポイントとなるかもしれません。
上野さんにとって、将来の選択肢の多様性を後押しすることは「今すぐ」にでもやりたいことだったんですね。
はい、そうです。
ーこれから、「FUHEN」での活動を通して就職をする人や受験生にどんな思いを伝えたいですか?
周りに合わせずとも、考え方次第でどんな選択もできるということを伝えたいですね。
そのために、選択肢の幅を広げていく必要があると思っています。
今は、「いい大学に行って、いい会社に入れば安泰」というイメージが未だに残っているので、まずは当事者の意識から変えていきたいです。
世間のイメージではなく、自分の価値観やペースに素直になることで活躍している人たちはたくさんいます。彼らの話に感化されて、「自分もやりたいことをやってみよう!」と思う人たちが増えるといいなと思っています。
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そう語る上野さん自身も、自分が進みたい道を選択をした人。
自分らしさとは、意外と分かりづらいものです。
「自分のやりたい、好きなことに素直になれば見えてくるのでは」と、上野さんの生き生きした姿をインタビューする中で思いました。
学生もいつかは、「働かなければならない」ときが来ます。ただ、その時に義務感ではなく自分との対話を通して、フラットに未来を見つめることが必要だと思います。
就活中に周りが「内定がでた!」と話している中で焦らず、自分と対話をすることは難しいかもしれません。
そんなときに、上野さんのメディアを通して、受験生や就活生にとっての気付きが少しでもあれば。
そしてそれが、誰かの背中を押す一歩になれば。
今よりも、もっと1人1人が輝ける未来を作ることができるのではないでしょうか。
(インタビュー・文/糟谷 柚佳)
(写真/Sierra Dungan on Unsplash)
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