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国策紙芝居、どう展示すればよく見てもらえるか、で行きついたチープな方法

 戦時下の雰囲気を伝えるのに、当時の政府の方針や軍の期待を臣民に伝えるために使われた「国策紙芝居」を使うのは最適の方法と考えています。国策紙芝居はこれまでも触れてきましたが、従来の紙芝居がアドリブだったセリフをきちんとした方針を伝えさせるために脚本にし、一枚の原画を補強して貸元が紙芝居を上演する人たちに貸していたものを、印刷で大量の部数を作って各種団体や常会などで使えるように販売したものです。

 とはいえ、一日中上演するのは無理だし、時間を区切ると限られた人しか見れない。そこで、紙芝居の「そっと抜く」などの演出を犠牲にして、絵と裏のせりふを同時にみられる方法を考えました。広い会場を確保できるようになったことから、2点ずつを展示することにしていて、好評をいただいております。まずは、縦方向に3枚の紙芝居を配置することにしました。これだと遠すぎて見えないといった事態が起こりません。そして紙芝居を飾る道具がこれです。

障子紙にB4判の透明な袋を3つつけたもの
上部は角材で固定。タコ糸を張って下げられるようにしました

 上写真のような単純なものです。ここに紙芝居を差し込んでいきます。ほぼ紙芝居は袋とぴったりになるので、抜けないのは良いですがはめるのはいささか苦労します。

ここまでぴったり入れられれば勝ち
破かないように袋を押さえつつ差し込み(実際は右手を袋の中央付近に広げて支える)

 これを繰り返して、3枚セットすると、次の工程。あらかじめ、裏を印刷したせりふ部分を用意しておきます。紙の変色などで、文字だけきれいに出すのは調整が必要ですが、そのあたりはコピー機と勘で勝負です。

絵のセットが終わった状態
セリフを切り取るためのコピー
絵と見比べて間違いないか確かめジョキジョキ

 そして絵の下にセリフを張っていきます。あまりしっかり張ると剥がす時破れるので、適度に済ませるのがポイント。

セリフを張り終えた状態

 これを繰り返していきます。3枚で1本ですから、20枚組の紙芝居だと7本作ることになります。

1本完成

 ひたすら、間違いのないよう、破かないよう、気配りの連続です。本体もひびが入ったりもろかったりするので、そちらも壊さないように注意して。

2本完成。これを壁につるして展示、というわけです。
一組完成してたたんだ状態

 まあ、こんな手作業で少しづつ展示の準備を進めています。今回、予定していた休暇が諸事情で吹っ飛んでしまったので大変ですが、毎回何とかしてきたので、何とかなりますよ!

 皆さんを会えるのを楽しみにしています。

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