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味気ないひとりきりの日常にはPurple Disco MachineのHypnotizedを

Purple Disco Machineの曲はセンチメンタルでウェットでシック

 昨年秋のDOLCE&GABBANAの2021年度の春夏コレクション(のYouTube配信)でHypnotizedを聞いて以来、ドイツのプロデューサー・DJのPurple Disco Musicがお気に入りです。そしてどうしてもHypnotizedを何回も聴いてしまいます。

名前をググってその知名度を確認するくらいにクラブシーンはわかりません。音楽の知識もありません。それでも一丁前にPurple Disco MachineのHypnotizedのことを書こうと思います。

 Purple Disco Machineは60年代~80年代のシンセポップの影響を受けていますが、個人的には80年代のイタロポップに通じるセンチメンタルでウェットな印象を受けます。そしてCOOLよりもCHIC。落ち着いた大人っぽさを感じます。なお、80年代のイタロポップは有名曲コンピレーションくらいしか聞いたことがなく、アーティスト名はサブリナ・サレルノしかわかりません。

Hypnotizedは味気ない日常のひとり時間に特にうってつけ

 その中でもHypnotizedは特に湿っぽくて渋い楽曲です。クラブでも自宅でも、しみじみ聞く方がよいと思ってます(クラブでしみじみ聞くのも変ですが)。さらに同じ聴くでも、誰かと聴くよりひとりで聴く方が染み渡るはずです。しかも、凡庸で味気ない日常生活の中で。おもんない事務仕事をしている時。やりたくない家事をしている時。やさぐれた気持ちでベッドでぼんやりしている時。「アガる」曲とはあまり思えません。ですが、日本文化でいうハレとケの「ケ」の中でも、味気ない部分を少しだけ明るくしてくれます。ついでに言うと、謎のリラックス効果も感じます。

 作業用BGMとしても、ふて寝タイムにラジオで聞きたい音楽としてもしっくりきます。私は車は運転しませんが、公式YouTubeチャンネルにアップされたHypnotizedのPVに「夜のドライブには完璧な曲!」との意味のコメントがされているのを見る限り、ドライブにもいいのでしょう。確かに単調な風景が続く、眠気を感じるか感じないかの瀬戸際なのに気を張り続ける時に聴くのには丁度いいかもしれません。

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コロナ禍のミラノコレクションは自宅でひとりで見るものだからHypnotizedが選ばれた?

 さて、この記事の最初に「DOLCE&GABBANAの2021年度の春夏コレクション(のYouTube配信)でHypnotizedを聞いて以来」と書きましたが、最後にHypnotizedがドルガバのショーで採用された理由について推測します。

 Hypnotizedは2020年の春、ちょうど日本は緊急事態宣言、イタリアはロックダウンで下がり調子だった時期にリリースされました。家で退屈な時にひとりで聴くことを意識して作られていてもおかしくありません。そしてコロナ禍の自粛生活を過ごす世界中の人々はYouTubeを活用していました。ドルガバの公式チャンネルでも、"#DGFattoInCasa"とハッシュタグをつけて、おうち時間を”FattoInCasa(自家製、手作りの意)”で楽しむためのハウツー動画を上げていました。

 ドルガバは他の企業同様、YouTubeが貴重な生活の潤いであることを見越してビジネスを展開しているのです。そして2020年の秋までにコロナが収束しそうにないとなると、家の中でYouTube配信されたショーを見る人は爆発的に増えると安易に予想できます。レディースウェアのショーなので、一家だんらんの場で複数人が見るものではありません。

するとショーの音楽は、コロナ過でストレスを感じており、退屈な家の中でひとりでYouTubeをみる女性たちに向けたものが選ばれるはずです。お店に来なくても通販でプレタポルテを買ってくれたらいいのです。となると、家や車のような閉鎖空間で、日常にうんざりしている時に一人で聴きたくなる、Hypnotizedみたいな曲が選ばれるわけです。

以上、私の妄想です。よい子は寝ましょうね。

※ヘッダー画像はfashionela.net様から拝借しました。


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