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とある一人の男が占い師になるまで #1 ~信用金庫職員編~

有名大学卒業後、地元の信用金庫へ就職し、税理士試験会計科目2科目を取得した後、上場企業経理職へ転職を果たす。
順調な人生を歩んでいるかに思われたこの男が、なぜに占い師という不安定な職業へ転身する事になったのか?
この男の中で、一体どんな思いや葛藤があったのか?

とある一人の男が占い師になるまでの生き様が、今明かされる!

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『明日からいよいよ社会人か…』

地元では中堅規模の信用金庫に就職が決まっていた私は、明日から始まる新社会人生活に対し、期待と不安に胸を膨らませていた。

と言っても、実際のところは、「期待10%・不安90%」というのが妥当なところだ。

元々、信用金庫に対して特別強い志望動機があった訳ではない。

しかし、私は昨年春の就職活動では、途中からほぼ信用金庫と地方銀行ばかりを受けていた。

理由は、大学時代経営学を専攻していて、日商簿記検定2級まで取得していたから、何となく金融機関が良いかなと思っていたのと、引っ越しを伴う転勤が嫌だったので、地域密着型の信用金庫と地方銀行なら全国転勤がないから良いかなと、その程度にしか思っていなかったのだ。

つまり、フワフワした学生時代を過ごし、フワフワした動機で就職活動を始め、フワフワした流れで信用金庫に内定を頂き、フワフワしたまま新社会人生活をスタートさせるという、まさに典型的なフワフワ人生を歩んでいるフワフワ人間だったと言って良い。

とは言え、やはり内定を頂いた時は、ようやく就職活動を終わらせられるという安堵な気持ちだけでなく、「自分が認められたのだ!」という素直に嬉しい気持ちもあったので、その時の心境は恐らく「期待90%・不安10%」ぐらいの割合だったように思う。

しかし、今は不安と期待の割合がまるで逆転してしまったのだ…。

その最大の原因は、昨年10月1日に開催された内定式後の飲み会だ。

その日は内定式が終わった後、同期生たちだけで集まって飲み会が開催されたのだが…。

私は元々大勢で集まる飲み会というのが好きではない。

親しい人たちだけで集まる少人数の飲み会は好きなのだが、親しくない人たちまで沢山いる大勢の飲み会というのは好きではなく、特にあの異様なほどの陽キャ感丸出しの学生風なノリが本当に苦手なのだ。

大学時代、それで結構苦い思いをしてきたので、飲み会というと、正直嫌な予感しかしなかった。

そして、その嫌な予感は見事に的中してしまった。

その飲み会で直感的に分かったのだ。

「コイツら(同期たち)とは合わない…」と。

その内定式後に開催された同期生たちの飲み会があってから、私の気分は日に日に憂鬱になっていった。

とは言っても、とにかく明日から新社会人生活が始まってしまうのだから、必死に前向きな気持ちになろうとそれなりに頑張ってはみた。

しかし、その思いも空しく、入社式から始まる2週間の新人研修により、まさかアレほどまで苦痛を味わう事になろうとは、この時はまだ知らなかったのである…。

To Be Continued ➤





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