![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/138881244/rectangle_large_type_2_2bf2f07a71def375200fdc8d4f10c68f.jpg?width=800)
民俗信仰収集 #002
前回#001はこちら↓
今回も福岡県京都郡みやこ町に伝わる伝承です。
豊前国府政庁跡の隅に小さな神社があります。翁神社といい、かなり新しい神社のようで再建されたものかもしれません。
由緒も御祭神も名も無き旅行者にまつわるものです。
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/138880142/picture_pc_af0619dfb0e7d81b256d496b01f0c6e1.png?width=800)
「むかしむかし当地に病い流行しとき一人の女旅行者が一命を投じて村人を救った記念して当神社を祭ったと言い伝えられる。平成二年農地基盤整備のため東300メートルにありしをこの地に移転建立した。」
とあり、具体的な時代背景等詳しいことは分かりません。
ここからは推測なので読み飛ばしてください。
「一命を投じて」ということ、主体が「女旅行者」とされていてその他ディテールがボカされているところを考えると、人柱的なことで疫病退散を祈願したということかもしれません。
何か古代からの信仰や鎮守のような形ではなく、具体的で身近なエピソードから発生した信仰にはどこか生々しい祈りの匂いが漂い後世に残すべきものだと感じます。
新型コロナで突如登場したアマビエのように得体の知れない脅威に直面したときには何か手掛かりになるようなシンボルを求めるようになっているのが日本の特色なのかもしれません。或いは無生物や概念すらもキャラクター化しがちな日本人の旺盛な創作精神の顕れかもしれません。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?