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新しいまち「BONUS TRACK」が“予定通り”の開業から、全テナントオープンの今日を迎えるまで。

2020年4月1日、“予定通り”開業したBONUS TRACK。小田急線の地下化に伴い、東北沢駅から世田谷代田駅に至る全長1.7kmにわたって生まれた線路跡地を開発して作られた「下北線路街」の一区画として、下北沢と世田谷代田のちょうど真ん中あたりに誕生しました。

“予定通り”と書いたけれど、本当に予定通りだったのは、4月1日に開業した、ということだけ。皆さんのご想像の通り、BONUS TRACKが開業に向けた、最後の大詰め作業を進めていた今年1月末頃から急速に拡大した新型コロナウイルス感染症の影響を大きく受け、日々刻々と変化する状況への対応を迫られながらの開業となりました。

テナントごとに様々な事情で開業を一旦見送る、あるいは開業はするけれど営業時間を大幅に短縮する、などという判断を余儀なくされたり、BONUS TRACK全体としても当初予定していたオープニングイベントや宣伝活動は全て中止としたり。

それでも、BONUS TRACKの仕掛け人たちは、「この状況だからこそ、できたこともある」と語ります。

緊急事態宣言も解除され、少しずつ「新しい日常」の入り口が見えてきた本日6月1日、開業が延びていたテナントが営業を開始、(4月時点で募集中だった1区画を除き)ついに全テナントがオープンしたBONUS TRACK。そもそもの立ち上げ経緯から開業まで、そして開業からこれまでを、BONUS TRACKを運営する散歩社の小野裕之さん、内沼晋太郎さん、BONUS TRACK MEMBER’Sを運営するomusubi不動産の殿塚建吾さんへのインタビューもまじえながら振り返ります。


①そもそも、BONUS TRACKはこんな経緯で立ち上がった。

BONUS TRACKは、小田急線の線路地下化に伴って開発された全長1.7kmの新しい“街”である「下北線路街」のちょうど中程に作られました。

下北線路街には、他にも住民のみなさんが自由に使える「下北線路街 空き地」や、今年秋オープン予定の宿泊施設「温泉旅館 由縁別邸 代田」、また、BONUS TRACKと同日に開園を迎えた保育園「世田谷代田 仁慈保幼園」など様々なブロックが計画され、一部は現在も開発工事が続けられています。

BONUS TRACKはこの他のブロックと比べても当初からかなりコンセプトの際立った、下北沢と世田谷代田の間というこの場所の魅力をどう未来に繋いでいくか、という議論を踏まえて計画されてきた場所でした。

BONUS TRACKの開業を知らせる小田急電鉄のプレスリリースにも以下のようなテキストが載っています。

(BONUS TRACKは)新たなスタイルの商店街です。本施設は、エリアの魅力のひとつである「店主の顔が見える個性的な店舗」が未来にも引き継がれるように、新たなチャレンジを応援したいという想いから開発するものです。また、地域に根差した“ローカル”、社会課題解決に資する事業を展開する “ソーシャル”、ファッションや本、音楽などの文化を発信する“カルチャー”に関わる個性的なテナントを混在させることで、これからの不動産施設の在り方を探っていき、社会的意義の追求やエリアの価値向上を目指しています。


BONUS TRACKの企画・運営に携わるのは、「greenz.jp」のビジネスアドバイザーであり、ソーシャルデザインやまちづくりに関わる事業開発・再生に数多く関わるビジネスプロデューサーの小野裕之さんと、「NUMABOOKS」「本屋 B&B」などを経営するブック・コーディネーター、クリエイティブ・ディレクターである内沼晋太郎さんが共同で立ち上げた株式会社散歩社。

この場所の仕掛け人とも言える2人は、オープンのはるか前、まだBONUS TRACKの敷地が更地であった頃に、こんなことを話していました。


「2階に暮らしながら1階でお店をやっていくような、『職住遊』が渾然一体となるような、まさに商店街でよく見る在り方の、2020年的解釈をどうしていけるか、という議論」(小野さん)

から生まれた場所は、

「小田急線が地下にもぐって、この下北沢から世田谷代田駅にかけてのエリアにボーナス的に生まれた線路跡(トラック)ということで、『ボーナストラック』という名前をつけました。音盤におけるボーナストラックというのは、本来の作品の外側にあるけれど、実はアーティストたちがやりたいことをやりやすい部分でもありますよね。そういう余白のような場所として、いろんな人に、本来やりたいことをここで思う存分やってほしい、という思いも込めています。」(内沼さん)

という経緯でBONUS TRACKと名付けられ、小野さんの盟友でもある殿塚建吾さんが経営するomusubi不動産や、この新しい場所でチャレンジを、と手をあげてくれたテナントさんとともに、2020年4月の開業を目指して準備を進めることになりました。


②開業直前、予想もしていなかった「コロナ」の襲来


事業者である小田急電鉄や、入居するテナントさんとのミーティングを重ねながらエリア全体の工事も進み、シモキタエキウエからもBONUS TRACKの建物が徐々に作られて行く様子が感じられるようになったころ、現在も世界中で猛威を振るっているコロナウイルス感染症に関する最初のニュースが日本でも報じられました。

最初は、中国で新たな感染症が発生したらしいこと。次に、大型クルーズ船のニュース。

この頃は、まだこのニュースがBONUS TRACKの開業にここまで大きく関係してくるとは、誰も予想していなかったといいます。

ところが開業準備に追われる中、日本国内でも感染の拡大が徐々にはじまり、グローバルでは日本のそれよりはるかに速いスピードで事態が深刻化したことで、状況は一変。

そもそも、建材として使うはずだった物資が届かない、入居テナントさんの海外から輸入するはずだった商品が届かない、といった物理的にお店のオープンに影響するような事態が起こり始め、また人から人へと感染するウイルスの特性上、そもそも人を集めるような施設をこの時期にオープンして良いのか?オープンしたとしても、当初思い描いていたような場所を作れるのか?と、BONUS TRACKの開業を巡り様々な議論をせざるを得ない状況に。

例えば、開業前に予定されていた地元の住民の方々に向けた現地案内会は中止、メディアの方々に向けたプレオープンは、一度あたりの媒体数を大きく絞って実施。開業にあたっても、当初計画していたような宣伝活動は取りやめ、ライブの実施なども含め検討していたオープニングイベントも全て中止、など、刻々と変わる状況に柔軟に対応しながら次々と決定を下して行く日々が続きました。

BONUS TRACK開業を巡る状況は正直に言って全く良いものではありませんでした。でも、何度も何度も重ねられた話し合いの結果、2020年4月1日、BONUS TRACKは当初の予定通り開業しました。

ここからは、散歩社の小野、内沼両代表、omusubi不動産の殿塚さんへのインタビューで、開業からの日々を振り返ります。

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開業直後のBONUS TRACK


③それでも、4月1日に開業したわけ。

ーー 世の中の状況が刻一刻変わる中で、最終的に予定通り開業しよう、と決めたわけをまずは教えてください。

小野:最終的に、4月1日に開業を決めたのは…もとから決まっていたから、ですかね。そう言ってしまうと身も蓋もないのですが、3月末の時点ではまだ緊急事態宣言も出ておらず、ギリギリ開業できてしまった、というのが正直なところかもしれません。たった2ヶ月ほど前のことですが、そこからの日々が濃すぎて、半年ぐらい経ったような感覚がありますね。

内沼:みなさん体感されていたことだと思うのですが、この期間は本当に毎週どころか、毎日、感じ方が変わっていた時期でした。当然その感じ方というのは、人によって全く違う。あのとき、はっきりと存在する大きな予定を動かすような判断基準は、誰ひとり持ち得なかったといえます。それでも、もしこれがひとつの組織であれば、判断が必要な局面というのはありますが、ボーナストラックはあくまでそれぞれ違った考えをもつ店主が集まる商店街なので、その原則に沿いました。


ーー 予定通りの開業に関して、テナントさんからの反応はどうだったのでしょうか。

小野:BONUS TRACKのコンセプトからして、テナントのみなさんには、施設全体は(4月1日に)オープンしますが、その方針に、強制的に合わせてもらうことはしないことをお伝えした上で、みなさんがどう考えていらっしゃるかお互いにやりとりしました。

結果として、海外からモノが届かず工事がストップしてしまったなどの事情があるといったテナントさんをのぞいては、一旦、予定通りに、オープンさせることができました。世の中の状況的に、政府としても事業者としても対策が定まりきっていなかったので、営業時間、営業スタイル、スタッフの勤務体制等、本当に3日おきぐらいに方針を判断する必要があり、毎晩のように内沼さんやテナントさんと深夜までチャットしてしましたね。

内沼:そうですね。もともと、コンセプトや事業モデルの面でもたくさん新しいチャレンジがあるうえに、ぼくたちにとってもともと初めての要素が多い仕事で、そこにさらに、世界中が初めて体験する危機が訪れたわけで。

けれどだからこそ、本質的なところに立ち返った判断がしやすかったというふうにも思います。

小野:何が正解か分からない中でしたが、自分たちの意思決定がテナントさん全体に影響を与えてしまう立場なので悩みつつ、でも、早くひとつの基準や議論のスタートとなる指針を示さないと、結局テナントさんにしわ寄せがいってしまう、という焦りがありました。

なによりも、基本は慎重になるべきタイミングというのは自覚しつつ、慎重になり過ぎて萎縮するよりも、なにか微力ながら少しでも勇気づけられるような振る舞いをしたいと、個人的には思っていました。


ーー 小野さんは「ANDON」と「発酵デパートメント」、内沼さんは「本屋B&B」と「日記屋 月日」と、お二人はそれぞれ入居テナントのオーナーでもあります。入居テナントのオーナーとしては、この時期どんなことを考え、どんな風に捉えていましたか?

小野:2店舗目となる「ANDON」と新規の立ち上げとなる「発酵デパートメント」ではまったく状況が異なりました。またお店の大きさとしても「発酵デパートメント」は「ANDON」の6倍あるので、関わる人の人数含めて、難しさの質が違います。とはいえ、始めるからには、コロナの収束を待つよりは、収束はしばらく訪れなさそうだ、というのも見えてきていたので、個人的にはお店を完全に閉める、という選択肢はなく、いかにいまの状況に合わせた対応をしていくか、ということに集中しようと思っていました。

内沼:ぼくの判断は小野くんと逆で、そうとう悩みましたが、両方とも4月4日にいったん休業しました。それまでの「本屋B&B」は著者を招いたトークイベントを毎日開催することが事業の軸になっていて、いわば人が集まる空間をつくることが前提となっています。7年半ずっとその形でやってきたものをゼロから考え直さなければならないときに、走りながらやるのは限界があると判断しました。そして「日記屋 月日」は、完全にぼくの直下にあった新規事業だったので、まだやることが山積み。自分は施設の運営側でもあるので、より開けたい気持ちは強かったですが、これから先長く続けていくことを考えると、ここはテナントとしてきちんと立て直すことに集中すべきと判断しました。


④開業して、実際に起こったこと。


ーー BONUS TRACK全体としては開業し、テナントはそれぞれの判断で、開けたり、閉めたり、営業時間を短縮したりされていましたが、開業直後、実際に現地はどんなことがありましたか?

小野:内沼さんは長野、一緒に施設管理をやってくれるチーム(omusubi不動産)は松戸がベースだったので、共有部のセキュリティから鍵の管理、ゴミ出しのルール作り、テナントさんたちのヒアリング等々、開業までに詰めきれていなかったことや、開けてみないと分からない日々の細かなことを、3月の半ばから入社してくれたスタッフたちと、とにかく整えていくだけで毎日が終わっていき、GW前にようやくひと段落つけたような状態でした。正直、この頃のことは、もはや記憶が一部曖昧です。(笑)

内沼:昨年の秋に自宅を長野県上田市に引っ越して、東京と上田を半々で行き来するスタイルで仕事をしてきましたが、状況的にもどんどん県境を越えた移動がしにくくなっていき、ひたすらオンラインでの仕事でした。散歩社のことは東京にいる小野くんの負担がだいぶ大きくなってしまいましたが、自分が経営する2店をはじめ、ほかあらゆる仕事のコロナ対応やビジネスの立て直しの業務がとにかく集中して、間違いなくこの十数年で一番忙しい時期でした。

小野:お店を持つのは初めて、というテナントさんも含めて、すでにファンのいる店主ばかりだったので、開ける前までは、開業直後にその人たちを目がけてたくさんの人たちが、東京中、日本中、世界中から訪れてくれることを想像していました。

でも、遠くからわざわざいらっしゃる方に、積極的に呼びかけるのが難しくなってしまい、結果として、開業するまで顔の見えていなかった徒歩圏内のご近所の方たちが遊びにきてくれるというのがBONUS TRACKのメインの日常になりました。古くから代々住まわれているという高齢者の方や、ワンちゃんを散歩させている方、BOUNS TRACKの隣には同日開園の保育園(世田谷代田 仁慈保幼園)がありますから、そこにお子さんを連れてきた親御さんや。

内沼:公共交通機関に乗ってきてもらうのが難しくなっていたので、ぼくもBONUS TRACKに行くときは新幹線ではなく車で行くようにしていました。けれど結果的に、お客様はほぼ近隣の方という状況からはじめられたことは、施設にとっては苦しいながらもとても意味のあることだったと思います。

小野:(4月8日に)開業後1週間で緊急事態宣言が出ましたが、その後も結果として12テナント中、5テナントは時短ながら営業を続けることができました。それからは、一瞬休業していたカフェが再開したり、営業の方針を迷っていたコワーキングスペースが始まったり、日々姿を変えながら営業をしてきました。

遠くからのお客さんに呼びかけることができない分、ご近所で生活されている方、商売を営まれてる方に向けて、なにができるか、できる限り実践するようにしてきました。そのなかで、ご近所の方も、この施設のオープンを心待ちしてくださっていたこともすごく実感しました。

内沼:これだけ情報が広がりやすい社会において、新しい場所が立ち上がるときにいくら近隣の方との関係性を最優先しようと考えていたとしても、実際は遠くから人が押し寄せてしまえば、簡単ではない。

けれどこのような、そもそも近隣の人にしか来てほしいと言えない特殊な状況下にはじまったことは、きっと今後に生かしていけることだと思っています。

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地域へのオープンのご挨拶もできなかったBONUS TRACKを紹介してくれた
「発酵デパートメント」の小倉ヒラクさんによる「発酵壁新聞」。


⑤「シェア」前提の空間をどう使うのか

ーー 一方で、BONUS TRACK MEMBER’Sを運営するomusubi不動産の殿塚さんは開業直後のこの時期、不特定多数の人が出入りするシェアの仕組みを、この状況でどうしていくか非常に悩まれていたと伺いました。

殿塚:BONUS TRACK MEMBER’Sも、omusubi不動産も、場所を提供する仕事のため、テイクアウトをすることも、ECサイトで販売することもできません。なので正直なところ、一度は「開けない」ということも検討していました。

元々「密」になることを良しとしてプランニングしていたので、この状況下で根本から再考しないといけなくなったことと、不動産業社として他物件の入居テナントさんから家賃交渉の連絡が増え、そちらの対応に追われていた状況もありました。

ただ、散歩社さんから「#散歩をしよう」というステートメントが出た時に、僕たちも前向きになることができて、地元の方に向けてできることを考えようと思うようになりました。

結果、BONUS TRACK LOUNGEは当面の間、利用者を徒歩圏の方に限定し、十分な対策を取ってご利用いただくことにしました。あわせて、キッチン(BONUS TRACK HOUSE)は従来のイベント利用ではなく、近所のレストランのテイクアウト販売所として、BONUS TRACK STANDは4月半ばから無人販売所としてご利用いただくようになりました。

完全に止めるわけではなく色々試みながら動き出すことで、利用者さんとのコミュニケーションも生まれ、次の新しいチャレンジに発展していく流れを作れたのは大きかったと思っています。

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⑥「#散歩をしよう」に込めた思い

ーー 今、殿塚さんのお話にもありましたが、「#散歩をしよう」というBONUS TRACKから出されたステートメントについてもお聞かせください。

内沼:緊急事態宣言が出るにあたり、何かメッセージを出したい。なんともいえない危機感とともに、ちょうど「ソーシャルディスタンス」という言葉が流通しはじめたころでした。けれど自分たちの施設はオープンエアで遊歩道に面しているという特殊な環境で、営業を続けるテナントもある。

その中で何とかポジティブなことが言えないだろうかと頭をひねりました。国の方針の中に「健康維持のための散歩と運動は認める」という文言が入ることが発表されていて、そこから「散歩」というキーワードが思い浮かんだときに、自分たちの社名が「散歩社」であることの偶然に驚きました。

炎上しないだろうかとヒヤヒヤしながらも文面を練って、4月7日の夕方に“散歩をしよう”と題したnoteを公開し、「#散歩をしよう」「#健康維持のための散歩」というハッシュタグをつくりました。



小野:個人的には、これはお客さんへのメッセージであると同時に、12あるテナントさんの店主や、そこで働くスタッフのみなさんへのメッセージである、という要素も多分に含んでいると感じていました。

それが、大声をあげて集客するでもなく、ただひっそりと休業するでもなく、気をつけながら、できることをやろう(できることならやっていい)というポジティブなメッセージとなり、日々の選択肢が増えることにつながっていたら嬉しいですね。


⑦試行錯誤の4月、5月。そして全テナントオープンを迎えて。

ーー 内沼さんがnoteに書いた「開けるために閉めている」というお話も反響を呼びました。開業からここまでの時期は、BONUS TRACKとテナントさんそれぞれにとって、本当に試行錯誤の時期だったと思います。本日(2020年6月1日)、開業を延期していた3テナントを含め、予定全テナントがオープンしました。これまでの時期を振り返りつつ、この先どんなことを考えていらっしゃるか教えてください。


小野:ようやく(全テナントオープン)ですね。

広場で開催する予定だったさまざまなイベントやギャラリーでのポップアップショップなど、まだまだ本来やりたかったことの1-2割もできていないような気がしますが、ただ暗い話ばかりではなく、当初の予定よりもEC等オンライン対応が進んだり、4月から営業を続けてきたテナントさん同士の結束や、スタッフ同士の交流が深まったり、イベント実施ができない分、徒歩圏、自転車圏ということを軸に、売り場を探す地域の飲食店さんにテイクアウト販売のスペースをご提供したり、またもともと開業後に決まれば良いと思って空けていた最後の区画に、この状況下で出店を決めてくれた未来のテナントさんがいたり。この状況下だからこそ決まったりはじまったりしたこともたくさんあります

それから、BONUS TRCKは「お店」というものを再定義していこうという問題意識もあったので、特殊な状況ではありますが、あえてそういったことを学べる『お店の学校』というオンラインスクールを企画していたり。

想定していた開業のあり方とはまったく違うものになりましたが、これはこれで、こうなる必然性がなにかあったんでしょうし、とにかくこれからもしばらく続くこのような状況で、なにかと比べるでもなく、お互いにできることを全力でやって、それがお互いを勇気づけることにつながれば、未来はそんなに悪いものにはならないんじゃないかなあ、と。

あとは、BONUS TRACKが、偶然にもバリバリ商業地のど真ん中ではなく、むしろ住宅街のど真ん中に突然現れた、お店だけでなく住居もある商店街であるということの強みはすごく感じていて、BONUS TRCKのなかや近所に住みながら働く店主やスタッフも多く、それがゆえに完全に休業してしまわなくてよかったということもあるので、もう少し落ち着いたら近所に引っ越しておいでよ、というようなことも発信していきたいですね。

お店の学校の構想を語ったオンライントークも実施(終了済)


殿塚:この1ヶ月ほど、BONUS TRACKにほぼ毎日いましたが、とてもいい場所だな、と感じています。ご近所さんから「落ち着いたらとってもいい場所になるわね。楽しみにしているわ」と声をかけていただいたり、各業界でチャレンジングなことをしているテナントさんが多く、それぞれがこの状況においてもポジティブに新しいチャレンジをしていて、僕たち自身もとても刺激的をもらっています。

BONUS TRACK MEMBER’Sは会員数も含めてまだまだこれからですが、5月下旬になり入会希望や撮影、販売のご相談をいただくことが増えてきました。段々と中期的なことを考えるフェーズに来たんだなと思っています。私達も緊急対応から徐々に通常対応に向かっていて、7月からコロナ禍のメニューとして通常プランに近い運営を始めていく予定です。

内沼:5月中旬から、「本屋B&B」は予約営業、「日記屋 月日」は告知なしでの短縮営業をスタートしていて、それぞれ本日(6月1日)からはより通常に近いスタイルでの営業を開始しています。

開いていたテナントも閉めていたテナントも、このような時期を経たからこそ、変化に強くなれたところがある。

小さな個人店が、ローカルな関係性の中で店の魅力を醸成していく一方で、それをオンラインで全世界に届けるというスタイルは、ひとつのこれからのスタンダードになっていくと感じています。

まだまだ厳しい状況が続きますが、それでもやはり、これからが楽しみです。


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写真(一部)/石原敦志 取材・文/木村俊介(散歩社)


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