プチDAYS「My Glory Days」
心地よい日曜の朝、チャーチからゴスペルが聞こえる。老若男女の声が澄んだ空気を震わせる。
ぴを抱いて外へ出た。いつものバスケットコートへ行くと鍵がかかっている。そうか日曜だからだ。仕方ないのでぐるっと遠回りして歩くことに。
大回りに住宅地の中を歩く。日差しが5月のそれで心地よい。眩しい朝の光を浴びるとそのまま溶けていきそうで目をしばしばさせる。緑、光、花、風、空、全部がクッキリ視界に飛び込んでくる朝の澄み渡る景色をかみしめると、1週間の疲れがぶっ飛びそうになる。
向こうから犬と飼い主がやってきた。白い小型犬。彼女は耳が聞こえない。でもぴのことが匂いでわかるらしい。だから少しそわそわしてる。ぴといえば目は見えないけれど彼女の気配が十分にわかる。だから釣られてそわそわしてる。
「オー、ジーザス!」
チャーチの窓から牧師のよく通る声が漏れてくる。白い犬の飼い主と目配せしてぴとその犬を鼻先でほんの少し近づけてみた。実験だ。しばらくは止まったままだった二人が、ちょっとだけ歩み寄る。クンクン。クンクン。お互いに1mの接近にビビりながら、少しづつ距離を詰める。そしてついに鼻と鼻をゴッツンコさせた。
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