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ブルックリン物語 #44 水星の逆行する月に乙女座はどう動けばいいか? 前編


「Senri、予定を間違える人が急増する水星の逆行が8月13日から乙女座でスタートします。この水星は9月1日にしし座に戻ったのち、5日に逆行を終えます」 

こんなテキストがNYの友人から入る。そうか。僕が9月6日生まれの乙女座だからだ。ため息混じりにスクリーンを閉じ、予定より早くラガーデイア空港に車が着きそうでホッとして外を見渡した。まずは逆行の影響なしに無事に空港に着いた。

今回の旅は全くのプライベート旅行で、ニュースクールで同期だったドラマーでありシンガーソングライターのミッチの結婚式に出席するためオレゴン州、ポートランドを目指す。ぴも一緒だ。

初夏にぴがケアドッグの審査をパスしたので、ワシントンDC「ブルーズアレー」への旅あたりから、乗り物に乗るのにお金がかからなくなった。彼女が僕と一緒に生活行動を共にしてくれることによって、僕の精神的なバランスが一定に保たれているのだというお医者からの承認レターをもらえたのだ。彼女はどこへ出かけるにも僕と一緒、ホテルへもレストランへも。手紙とケアドッグカードを見せれば一切の問題なし。

この旅の行程は、まずNYラガーディア空港からアトランタへ。そしてアトランタからオレゴン州ポートランドへ。一回の乗り換えも直行より意外に乙なものかもと思い、敢えてそんな旅を「ウキウキ印」でレイアウトした。アトランタの空港でほんの30分ほどリラックスしてからいざポートランド、のはずだった。

それにしても水星逆行とは?

この時期は予め立てた予定が何かが要因でいきなり覆されたり、メールを書いても相手から返事が来なかったり、そのメールがしばらくどこかに紛れ込んでいたり。周りに何かと惑わされることが多く起こるのが特徴だという。そんなこと言われて気分はあまり麗しくはないが、久しぶりにのんびりぴと二人旅をするので、気持ちは高ぶっていた。ラガーディア空港での搭乗時刻が近づいて俄かにゲートが騒つく。表示を見ると「ゲート変更。3から14へ。更に登場時刻が20分遅れ」

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