ストレンジカメレオン / the pillows

前回の記事に引き続き、今回も私の人生に大きく影響を与えた作品を紹介する。
作品というよりは、the pillows 自身の存在が私の人生に大きく関わっているのですが、文章では書ききれないので今回は彼らの曲の中で特に大切に想っているものを中心に取り上げる。

the pillowsとの出会い

1989年に結成された3人組のロックバンドで、知名度で言えば知らない人の方が多いのかもしれない。
特に私の世代では知らない人が多かった。

中学時代に現在も親友である人物の携帯電話からよく「プロポーズ」と「雨上がりに見た幻」が流れていたことをきっかけに the pillows のことを知ることになった。

「ストレンジカメレオン」との出会いは、その親友がカラオケでよく歌っている曲であったため。
個人的にリクエストをしてしまうほど印象深い曲だったのをよく覚えている。

「ストレンジカメレオン」を筆頭に the pillows の曲を漁っていくとともに、私自身も「the pillows」の魅力に引き込まれていた。

音楽に対してここまでの魅力を感じたのは初めてであったので、「the pillows」の歩んできた道のり、ルーツについても詳しく調べたくなった。

一貫して自分たちのやりたいことを貫いていると感じられた the pillows にも迷いはあったのだと初めて知った。

そんな迷いを捨て、自分たちのやりたいようにやる決意をするきっかけになったのが「ストレンジカメレオン」だったという。

「ストレンジカメレオン」から得た人生観

私はこの曲から自分という人間を持ち続けることの難しさや大切さを学ぶことができた。

瞬間的に見れば周りと合わせる生き方の方がスムーズにいくかもしれないが、自分という人間を常に確立し続けることは時間と共に魅力へと昇華していく。

私は極端なほどに周りに合わせて行動することをやめ、いつでも自分の意思を尊重するように、尊重できるように生きることを決めた。

そのおかげで、自分という人間についての理解や自分を認める力は身についてきていて、何を選択しても後悔しないようになってきている。

the pillows は「ストレンジカメレオン」のリリース後から時間が経てば経つほど the pillows としての魅力が溢れ出しているように感じられた。
何もかも規制され、間違いから学ぶのではなく正しいことを教え込まれるようになってしまったこの世の中で、the pillows は自分たちの言いたいことや表現したいことを奏で続けた。

一見出来損ないに見えた周りの色に馴染まないカメレオンはいつか自分にしか表現できない色を放ち始める。

滅びる覚悟はできている、歴史には価値のない化石の一つになる、などのネガティブな表現が散見される曲ではあるが、私にとっては「あらゆる覚悟を持った上で、やりたいことを突き通すからよろしく頼む」という前向きな確固たる意思表明に見える。

孤独と自由は抱き合わせであるが、その過程で煌く想いやその先に輝く未来は何よりも明るく価値のあるものだと教えてくれた。

the pillows は私のかけがえのないロックンロールである。
いつもありがとう。

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