見出し画像

マッチングアプリで出会った人と3ヶ月で事実婚するまで#16 〜彼の誕生日旅行(上)〜

同い年のわたしたちで誕生日が先にくるのは彼のほうだ。
付き合い始めて日が浅いころに、彼はセリが好きだと話していた。スーパーに売っていると買い占めてお鍋にしてしまうんだとか。
それならば、誕生日は仙台にセリ鍋を食べに行こう!と思い立ち、4月半ばに仙台へ行くことを決めたのである。

ご存知の方もいるだろうが、初春が旬のセリで4月はかなりギリギリである。
加えて飲食店の予約も直前になってから取ったので、セリ終了か満席で断られ続け、5軒目の電話でやっとセリ鍋の予約ができた。

仙台へ赴くのは2人とも2回目。彼は前回観光はほとんどしていなかったそうなので、今回は観光地への訪問を多く組んだ。


スタートは前回の福岡旅行と同じ、東京駅から。
移動の時間は前回の半分以下。近い。4時間超でもあっという間なのに、1時間半はトイレ休憩くらいだった(?)。

到着してまず最初にランチ。調べてあった牛タンのお店のオープンを狙った。
残念ながら1回転目には入れなかったので、行列に並んだ。
ここでやったしりとりが個人的に伝説となった。わたしの発案で、”エロそうでエロくない言葉しりとり”をやったのだけれど、これがめちゃくちゃヒット。
MVPは最初に彼が出した「タイ古式マッサージ」。失礼も含めてわたしのツボに入った。普段からこういう会話ばっかりしてる。
案内されるまでの30分ずっとやり続けていた。

お店を出て、少し時間があったので仙台駅を散歩し、ずんだシェイクなんか飲んじゃって再び電車に乗り込んだ。


セリ鍋の次に行きたかった目的地は、ニッカウヰスキー宮城峡蒸留所。
2年以上バーに通い、お酒はあんまり飲まないくせに、マスターが他のお客さんに説明している内容ばかり覚えていった。わたしが飲むのはリキュールとたまにラムで、ウイスキーはほとんど飲まないものの知識だけはある。だからこそ蒸留所に行ってみたかったのだ。

作並駅からシャトルバスに乗り、蒸留所へ。
ツアーが始まるまでの間にこの風景をインスタのストーリーに投稿(彼と付き合い出してから明らかにSNS投稿の頻度が上がった)。

投稿したストーリー

ツアーに参加していたのは親子や同性の友人同士が多く、カップルはわたしたちだけだった。
勉強になった。面白かった。
最後にウイスキーの試飲をしたけれど、飲酒のペースが落ちていたわたしにウイスキー2杯とアップルワインは結構きつかった。彼に少しあげた。
2月に福岡に行ったとき、たまたまウイスキーバーに入って飲んだウイスキーが初めておいしいと思った。だからきっとこれからはウイスキーがおいしくなるぞ!と思ったんだけどおいしくなかった(ごめんなさい)。

お酒のお土産は買う予定だが、蒸留所のお土産コーナーでは買わなかった。となると1時間後のシャトルバス出発まで時間が余るので、バスを待たずに徒歩で駅に戻ることに。


広い道路を大きく手を振って歩くと、空気のおいしさがより一層沁み渡るようだった。
蒸留所を出て橋を渡るとバス停があって、次に来るバスが駅に行くようだったので乗ることにした。

結果、バスは駅まで行かなかった。
仲良くおしゃべりしていたせいで、行きのシャトルバスでその前を曲がった大きなこけしが右側に流れていくのを見送った。
旅行あるあるの判断ミス。全然気づかなかった彼のかわいさよ。
気づいてすぐ次のバス停で降りた。車では一瞬の道のりに歩けば20分かかる。走れば予定の電車に間に合うけれど、彼が「ゆっくりしよう」と言うので寄り道をしながらのんびり駅まで向かうことにした。

ここに住んでいる人はどんな人だろうか。
家の庭に立っている人が見えて、「仙台で働いている人かな」なんて話した。
おかげで小さなお団子屋さんを発見し、外のテーブルでのんびりお団子を食べた。
夕食の予約には少し遅れてしまうけれど、焦ったところで1時間に1本の電車が早く来るわけではない。
わたしはこういうとき時間のロスを気にしてしまうので、一度割り切ったら楽しむことのできる彼は素敵だと思った。

早めに駅に着いて、待合室でドラマを観ることにした。
どちらのイヤホンをシェアするかという話になって、彼が自分のイヤホンは古いから汚れていると言って開けたAirPodsに爆笑した。黄色いAirPodsは初めて見た。耳垢が湿っている人の宿命らしい。
ドラマを観ていると、さっきの見学で一緒だった人が続々と集まってきた。
電車が来るとみんなの視線が集まる。なんだかいい空間だった。


仙台まで戻り、予約していたお店に向かう。
時間に少し遅れてしまったけれど、無事セリ鍋が食べられた。
仙台まで来るとセリも根つきで食べられるらしい。大将にも季節はギリギリですねと言われたので間に合って本当によかった。
小さめの鍋だったので、何品か注文。どれもおいしかった。

店内を見渡すと、両隣は空席だったけれどその奥にはどちらも煌びやかな女性と初老の男性の2人組がいて、若干の場違い感で少し肩身が狭かった。
スタッフが慣れていないようで手際が悪く、棚にしまってもらったコートを会計後にいつまでも出してもらえなかったことで気持ちが少し緩んだ。これも含めてよかったなーと思うのがもうわたしたちの標準になりつつある。


ホテルにチェックイン。
部屋の記録がてら、わたしたちはいつも動画を撮っている。この動画が旅行の浮き足だった気分を一番わかりやすく表現するので、いつもお気に入りの瞬間だ。
荷物を置き、少し落ち着いた後、入浴の前に誕生日プレゼントを渡すことにした。

誕生日プレゼントは相談の上で決めてあった。GOOD NIGHT SUITのペアパジャマ。年齢的にお揃いのものを着て外出するのは恥ずかしいけれど、室内着なら2人だけが満足感を得られる。1ヶ月後には一緒に生活しているので、パジャマが同じだと気分が上がると思って提案し、一緒に選んだ。
色違いではなく、アイデンティカルなものがわたしたちの好み。


引越し後は暑くなったのでまだ今の家では2人とも着ていない。秋に期待。


これだけではサプライズが足りない。サプライズ好きのわたしはそう思った。
なので、別のものを用意してあった。

(長すぎるので、一旦続く)

いただいたサポートは生活費に充てさせていただきます。