⏰もしも、時間をあげたりもらえたり出来たら、#9
Mr. X は、最初からわかっていた
カフェから2人が出て行った。少し時間をおいて、Mr. X は、電話をかけた。「はい、うまく片づけました」とだけ話して電話を切った。
今回はうかつだった。いつもはこうではない。
あまりにA君B子が相応しい人物だったので、ついつい深入りしてしまったのだった。
被験者としては最適な2人なので、代理店の話しも断れきれず了承してしまう始末。
「そろそろ潮時だろうか」と嘆くMr. X であった。昔は任務だからと割り切って何でもやってきた。 しかし、年を追うごとにだましている負い目が自分の中で葛藤となる。
このA君とB子のように純粋に信じてくれるような2人に出会うと余計に実感してしまうのだった。
だましているといっても、そのこと自体は最終的に国民にとって良い方向性のものではあるので、決して自分を責める必要ない。
Mr. X の心配
2人にバレていないだろうか。。。
少し不自然な別れ方になってしまったので、感づかれたのではないかと心配になった。
今回は、内密で行われている案件。 決してその内容が外部に漏れてはなりません。それにもう行程も最終局面まで来ているのだから、なおさら失敗は許されない。これまでの苦労が水の泡となる。
まもなくで日本中にアナウンスされる。
そのとき、2人はどう思うのだろうか。
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