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認知症患者の寿命について - 種類別にみる平均寿命と留意点

はじめに

認知症は脳の神経細胞が徐々に失われる病気であり、高齢化社会の中でその関心は年々高まっています。認知症は一つの病名ではなく、様々な原因により脳の機能が低下する総称です。患者の寿命に関しても一概に述べることは難しく、その要因は多岐にわたります。しかし、認知症の種類や発症後のケアにより、ある程度の目安を知ることは可能です。この記事では、認知症の種類ごとの寿命の特徴と、寿命に影響を与える要因について詳しく解説します。


認知症の種類と寿命

アルツハイマー型認知症

最も一般的な認知症の一つであるアルツハイマー型認知症は、全認知症患者の約60〜70%を占めます。アルツハイマー型認知症の発症は緩やかで、脳の記憶や思考、言語機能を司る部分が徐々に侵されていきます。


  • 平均寿命:アルツハイマー型認知症の患者は、診断から4〜8年の寿命が一般的とされていますが、初期に診断された場合には20年近く生存する例もあります。

  • 影響要因:発症時の年齢や全体的な健康状態が寿命に大きく影響します。また、早期の診断と適切なケアが寿命の延長に寄与する可能性があります。




血管性認知症

血管性認知症は、脳の血流が低下することによって引き起こされる認知症です。脳梗塞や脳卒中などが原因となることが多く、症状は突発的に現れることが特徴です。


  • 平均寿命:血管性認知症の寿命は一般的に5年程度とされていますが、脳卒中などの原因となる病気の再発や進行に左右されることがあります。場合によってはアルツハイマー型よりも短命となることがあります。

  • 影響要因:高血圧や糖尿病、心疾患などの基礎疾患があると、さらなる脳血管の障害が起きやすく、寿命に悪影響を及ぼします。




レビー小体型認知症

レビー小体型認知症は、アルツハイマー型認知症やパーキンソン病に関連した症状を持つ認知症で、幻覚や運動障害が特徴です。この病気は進行が比較的早いことが多く、患者の生活の質を大きく損ないます。


  • 平均寿命:レビー小体型認知症の患者の寿命は診断から5〜7年が一般的とされています。症状の進行が早い場合も多く、ケアの質が寿命に大きく影響します。

  • 影響要因:転倒や運動機能の低下が原因での事故や誤嚥性肺炎など、二次的な要因が寿命を短縮させるリスクがあります。




前頭側頭型認知症

比較的若年層(50代〜60代)に発症しやすい前頭側頭型認知症は、人格変化や行動異常が顕著な特徴です。感情のコントロールや社会的な行動に問題が現れ、進行が早いことも特徴の一つです。


  • 平均寿命:前頭側頭型認知症の患者の寿命は、診断後6〜8年程度とされ、進行の早さが寿命に直接影響します。

  • 影響要因:病気の進行が急速であるため、精神的・身体的ケアが重要となります。また、若年発症の場合は家族や介護者への負担が特に大きくなることがあります。




認知症患者の寿命に影響を与える要因

1. 発症時の年齢

認知症の種類に関わらず、発症時の年齢は寿命に大きく関与します。一般的に、若年で発症した場合は進行が早く、寿命も短くなる傾向にあります。一方、高齢での発症の場合は進行が遅くなることも多く、寿命が延びることもあります。



2. 合併症

認知症自体が直接の死因となることは少なく、多くの患者が合併症によって命を落とします。特に肺炎や感染症、栄養失調、転倒による骨折などが主な要因です。したがって、これらのリスクを低減させるケアが重要となります。



3. 生活環境とケアの質

認知症患者の生活環境やケアの質も寿命に影響を与える要因です。適切な介護、リハビリテーション、栄養管理、医療ケアを提供することで、患者のQOL(クオリティ・オブ・ライフ)を維持しつつ寿命を延ばす可能性があります。



4. 精神的な健康とサポート体制

認知症は患者本人だけでなく、介護者や家族にも大きな負担を強いる病気です。精神的なサポートを適切に行うことで、ストレスや不安が軽減され、患者自身の健康状態に良い影響を与える可能性があります。




まとめ

認知症患者の寿命は、種類や発症時の年齢、生活環境、ケアの質など多くの要因によって異なります。アルツハイマー型、血管性、レビー小体型、前頭側頭型など、それぞれの認知症には特徴的な進行パターンがあり、寿命の長さも異なります。認知症そのものは直接的な死因になることは少ないものの、合併症や環境の影響が寿命に大きく関与することを理解し、適切なケアとサポートを提供することが重要です。


認知症に関しては個人差が非常に大きいため、寿命についての予測には限界がありますが、早期診断と適切なケアが、患者とその家族にとってより良い生活を送るための鍵となるでしょう。

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