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メモ|NOSTALGIBLUE|思い出は青色くくり。

60 ストリート界の永久欠番パンツ。

ディッキーズとベンデイビス。
西海岸のストリートカルチャーとは切っても切れないバックボーンがあり、永遠の定番、いわばストリートの永久欠番なパンツ、それがディッキーズ。速乾性に優れ、シワにもなりづらいので、購入後のケアが楽というのもよいところ。一方、10オンスのオリジナル生地はヘビーでタフで男っぽいスタイルには持って来いなのが、〈ベンデイビス〉。ディッキーズと違うのは素材にありで、50% コットンに50%ポリエステル。なので、穿き込むほどに退色し味が出る。ちなみにベルトループが太いのでどんなベルトでも通せるっていうのがまたよい。そんなストリート・マターなパンツの1本、2本について少しメモ。今にはじまったことではないけれど、歴史ある〈ディッキーズ〉や〈ベンデイビス〉が、ここにきてまた沸点高めにいろいろなブランドにコラボレートされたりサンプリングされている。

スケートにステージに何でも来いの1本。
ワーク・ウエアというアイデンティティを持ちながら、ストリートで隆盛した様々なカルチャーに支持され続けているというのが両者の共通項であり最大公約数。こちらオッサンなうでさえも、人生のある時期では一度は憧れてきたハードコアバンドやヒップホップアーティストも、それぞれのスタイルで穿きこなしていた。マイナー・スレットのイアン・マッケイ、バッド・ブレインズのH.R.、ビースティー・ボーイズのマイクDなども、ある時期で必ず、ディッキーズやベンデイビスでパフォーマンスする印象的なショットを残してくれている。もちろんスケートにおいては、それがさらに際立っていて、90年代後半から2000年代にかけてのノーカル・プライドなアンチヒーロー・スタイルがそれをもっとも代弁してくれている。ジョン・カーディエルに憧れて、ぶった切ったディッキーズを穿いてスケートする者が続出していた気がする。

スケートブランドはディッキーズを憧憬にしたパンツを開発する。
思えば、アンチヒーローのボスキャラのジュリアン・ストレンジャーを筆頭に、(ストレッチデニムが開発される前の)重さや量が増すデニムよりも、ディッキーズなんかがスケーターには圧倒的に支持されていた気がしないでもない。もちろん、それとはまた別の流派で、エルウッドのド太いデニムを穿きこなすイカしたロブ・ウェルシュなんかがいたりもしたが……。印象的なのは、イーストコースト出身でオールラウンドなスケートスタイルを確立して、スケート界のトップブランドのひとつ、エレメントでブイブイ言わせてたドニー・バレーがリリースしたパンツ。見たことある馴染みのシルエットとファブリックで仕立てられたパンツ。アイコン・グラフィックのゴリラらしきものをよく見ると、ベンデイビスではなくエレメントの刻印。彼も敬愛するベンデイビスを、まんまとサンプリングした1本をシグネーチャーパンツとしてリリースしたのだった。これにはヤラれたな。ほぼほぼベンデイビスと思いきや、スケーターならではの隠しポケットがついてたりして、完成度も高かった。そんなヤラかしてくれる1本がまた出てきたら面白いと思う。60

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