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小澤メモ|HELLO PANDA|パンダのこと?

7 良浜と2017年。

丸い耳が可愛い美パンダ。
現在、アドベンチャーワールドで暮らすパンダの4頭の姉妹たち。双子の桜浜と桃浜、頭のピコンがチャームの結浜、そして末っ子の彩浜。彼女たちは、良浜(らうひん)が産んだパンダだ。初代グレートマザー・パンダ、梅梅のあとを立派に引き継いで、世界にその名を轟かすパンダファミリー・浜家の血統を守っている。それはすなわち、希少種のパンダ界全体に寄与していることにもなる。良浜はこれまでに9頭のパンダを産んだ。そのうちメスは7頭。どの娘も、おかあさん譲りなのか、かわいいパンダの中にあってもかわいいと言われている(イケメンおとうさんの永明のDNAもあるし)。元祖・美パンダの良浜の小ぶりな鼻と丸顔にまるっとした耳は、もうすぐ20歳になるというのに断然にかわいい。

竹をよく食べる。
アドベンチャーワールドのパンダには、竹を選り好みするグルメなタイプと、好き嫌いなく何でも食べるムシャムシャいけちゃうタイプがいる。良浜は、ムシャムシャの筆頭で、まるで「好き嫌いなく何でも食べなさい」と、ピーマンやニンジンを残しがちな子どもをしつけているようだ。同じくムシャムシャなタイプの桜浜は、良浜にとくに似ていると評判で、かたい竹をよく食べる=アゴと頬の筋肉がどんどん発達して丸顔になっていった、というパンダの定説を証明してくれている気がする。性格も、気が強くてマイペースで手がほとんどかからないところなど、似ている部分が多い。食事中に、周囲の音が気になって突然フリーズするのも同じ。

2016年9月18日。
良浜は、2016年に結浜を出産。誕生時の体重197グラムは、アドベンチャーワールドのパンダファミリー史上一番のジャイアントベイビーだった(この2年後、史上一番のリトルベイビー彩浜/誕生時75グラムを出産)。この結浜の誕生は、パンダ本の第一弾になる『HELLO PANDA』の出版が決まる頃の出来事だったので、その意味でも感慨深かった。かねてより双子のパンダのセッションが大好きで、その素晴らしさを本にしたいと思っていたから、ヘッドライナーは桜浜と桃浜だった。それから、良浜と結浜の親子のふれあいも撮影してまとめていこうと思った。このときには、まさか、上野動物園のシンシンの懐妊のニュースがその後あるとは思ってもいなかった。撮影を続けているうちに、海浜と陽浜、優浜の3頭が、2017年6月4日に中国へ旅立つことが発表された。いずれも良浜が産んだ子どもたちだ。本当は、その頃には『HELLO PANDA』は製本されている予定だった。しかし、どうしても旅立ちの瞬間も撮ってページにしたいと思い、(決まっていた発売日はズラせなかったけれど)しめきりを引っ張れるだけ引っ張ったのをよく覚えている。そして。2017年6月24日に『HELLO PANDA』が発売された。上野動物園でシャンシャンが元気に誕生したのは、それよりちょっと前の6月12日だった。見計らったようなタイミングだったけれど、実はまったくの偶然だった。結浜の誕生にしろ、発売日にしろ、元祖・美パンダの良浜が日本中にもたらせてくれたハッピーな偶然が、ハロパンにもあやからせてくれたんだと思っている。7
(写真は結浜を抱きかかえる良浜。両腕でふんわりまあるく抱えこむ感じがやさしい/2016)

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