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小澤メモ|HELLO PANDA|パンダのこと?

24 実家の隣になる赤ちゃん保育園?のブリーディング・センター。

パンダ幼稚園。
中国にあるパンダ施設の中で最大規模で、和歌山のアドベンチャーワールドと提携しているのが、成都ジャイアントパンダ繁育研究基地。ホームページなどでは、繁殖研究基地と書いてあるのだけれど、とりあえず、2018年に撮影で行ったときの現地オフィシャル・パンフレットには、繁育と明記されていたのと、本を出すときにアドベンチャーワールドと成都の広報の原稿チェックでは繁育の方を採用ということだったので、それからずっと成都ジャイアントパンダ繁育研究基地で統一している。この基地には、以前にも触れたが、パンダ幼稚園と呼ばれる運動場がある。生まれてから1歳を過ぎ、母親から独り立ちした同級生のベイビーたち(キッズ)がくらすところだ。

パンダラブ。
パンダ幼稚園とは言いえて妙で、例えば、2018年に訪れたときは、2016年生まれのグレーことチェンスーやロウロウたちが、そこでわちゃわちゃと共同生活をしていた。早朝、スタッフが「おいでー。おいでー」と呼ぶと、屋内施設から、みんなでパンダ走りしてぞろぞろ出てくる様子は、成都名物のひとつだった。和歌山のアドベンチャーワールドでは、世界に先駆けて、1歳まで母親と過ごしてパンダの本能的なノウハウを学習する飼育システムを確立した。そのアドベンチャーワールドは、お母さんパンダは良浜1頭なので、数頭のお母さんパンダの子を集結させる成都のパンダ幼稚園のようにわしゃわしゃとしているわけではないけれど、園内に入ってまっすぐ進めば、パンダラブと呼ばれる施設で、独り立ちした直後のベイビー(キッズ)を見ることができる。桜浜と桃浜の双子や結浜もそうだったし、現在は2歳になる彩浜がまさにその幼稚園期にあたる。

パンダ保育園?
それで、アドベンチャーワールドの場合、あかちゃんパンダの独り立ちが近づいてくる頃、トレーニングを兼ねて、ひとりでミルクを飲んだり遊んだりする時間を見学することができる。その場所は、お母さんパンダとくらすブリーディング・センター。独り立ちは、すなわちブリーディング・センターからパンダラブへと距離とか場所的にも母親と別離することになる。だから、お母さんパンダに思う存分甘えながら、少しずつ準備をしていくブリーディング・センターは、幼稚園の前のパンダ保育園のようだと思ったりしている。スタッフ(保育士さん)とお母さんの両方から目一杯かまってもらって、幼稚園に入る準備をしているみたいな。パンダはパンダ。擬人化するのはどうかと冷静に思う反面、成都の現地でも幼稚園とかって呼んだりしているのならば、なんとなくその雰囲気で結浜や彩浜を眺めてしまう瞬間があってもいいのかなって。拙著『HELLO PANDA』シリーズでは、ブリーディングセンターの屋外運動場を実家と称したりしてきた。それに加えて、スタッフと遊んでいるベイビー(キッズ)のかわいくて元気いっぱいな瞬間と、竹の食べ方やニンジンやりんごの味を覚えていく成長具合をたくさん見ることができるブリーディング・センターは、まさに実家の隣にあるパンダ保育園だと思った。24
(写真はブリーディング・センターでスタッフと戯れる結浜/2017年)

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