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小澤メモ|NOSTALGIBLUE|思い出は青色くくり。

1 NBA界隈の背番号3。

『ラストダンス』のコントラスト。
NBAには背番号23をつけた神の化身、マイケル・ジョーダンが君臨していた。ネットフリックスで放映された『ラストダンス』を見た人も多いはず。この『ラストダンス』以前以後で言うなら、今まで背番号23よりもそれに挑んでいく側の選手が好きだった。これを見て当時のバックストーリーを知って、マイケル・ジョーダンが好きになった。そして、彼に挑み散っていった思い出の中の選手たちがもっともっと好きになった。ヒートのスティーブ・スミス、シクサーズのアレン・アイバーソン、プレイオフでザ・ショットを決められたキャブスのクレイグ・イーロー、ファイナルのラストショットでアンクルブレイクされたジャズのブライヨン・ラッセル、白人のジョーダンと評されたレックス・チャップマン、それに何度も何度も苦杯をなめさせられたニックスのジョン・スタークス……。

『ラストダンス』の背番号3たち。
マイケル・ジョーダンに挑み散っていった彼らの背番号は3だった。そう思うと、NBAで3番をつける選手はたいがいがフランチャイズで支持を受けるスター級の選手。そして、エース級(もしくはエースもどき)の決定力とハッスルを求められていた。ハンドルできて、崩せなくても1on1でなんとかできてしまうタイプが多かった。だから、ポジション的に、かつ必然的にマイケル・ジョーダンとマッチアップすることになった。マイケル・ジョーダンがラストダンスした最後の最後まで、NBAにおいて背番号3は挑戦者を意味すると勝手に思っていた。そして、神の化身を可視化させる修道者のようにも思っていた(悔しいが)。とくに、ニックスのジョン・スタークスは3番を象徴するソウルプレーヤーだった。スキルやサイズでは敵わなくても、ハートだけはとんでもないぜっていう男だった。プレイオフで、ベースラインから飛び上がってジョーダンたちの頭越しにねじ込んだダンク。その1本で、今までの苦杯の味を霧散させるほどだった。

背番号3のオーセンティック・ジャージー。
『ラストダンス』までは、記憶に残る選手だが、優勝にはもう一歩というイメージが強かった背番号3。その後は、ヒートでチャンピオン・リングを手にするドゥエイン・ウェイドやピストンズでチャンピオン・リングとリバウンド王を獲得したベン・ウォーレス、それにリーグの得点王とMVPに輝いたアレン・アイバーソンというスターが出現した。さらに、クリス・ポール、ブラッドリー・ビールは、残りの現役生活で優勝に辿り着けるかもしれなかった。そんな中で、個人的にはブレーザーズのC・J・マッカラムが気になっていた。ポートランドでのホームゲーム前。郊外のモールで彼のジャージーを買った。若い店員がなぜこれを買うのかと訊いてきた。「ブレーザーズなら、オールスター選手でエースのデイミアン・リラードだろ!」って。「そりゃ、背番号3だからだよ。3番つけてる選手がかっこいいし、そいつの時代が来てほしいからだよ。マッカラムは今のNBAの3番でその可能性が一番高い!」と、返してやった。そしたら、そのヤングガンはニヤリと笑うと、いきなり着ていたパーカーを脱ぎ捨てた。そして、オリャーと親指を突き立てた。なんと、そいつもマッカラムの背番号3のジャージーを着ていたのだった。そういえば、アメリカ人と仕事をするときも、背番号3の選手の話で盛り上がったものだった。(写真はモドセンターにて/2018)

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