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小澤メモ|HELLO PANDA|パンダのこと?

10 成都在住 雄浜。

冬生まれの雄浜。
パンダの発情兆候がよく見られるのは春過ぎから夏前と言われている。必然、8月や9月生まれのパンダが多くなる。12月の冬生まれのパンダとなると、時期外れの発情兆候、そして交配があったことになる。人工飼育下のパンダにおいては、個体のわずかな変化に気づく飼育スタッフたちの目と心があったことを忘れてはいけないだろう。とにかく冬生まれのパンダは世界的に見ても珍しい。そのはずだけれど、アドベンチャーワールドでは、それがけっこういる。初代グレート・マザーの梅梅の子、雄浜(2001年12月17日生まれ)と双子の兄妹の明浜と愛浜(2001年12月23日生まれ)。二代目の良浜が産んだ双子の姉妹の桜浜と桃浜(2014年12月2日生まれ)。実に5頭(3度の出産)が12月生まれだった。そのアドベンチャーワールドの長男になる雄浜。中国から、はるばるやってきてくれた永明と梅梅の待望の第1子だった。さらには、世界初の人工飼育下で12月に生まれたパンダでもあった。

浜家の片鱗。
ちなみに、2000年9月6日に生まれた良浜が、アドベンチャーワールドで取り上げられた初めてのパンダだけれど、梅梅が中国を発つときに妊娠していた子だった。面長な顔立ちと手足がすらりと長い雄浜は、さすが永明の子!って感じで、ルックスだけでなく、繁殖実績も素晴らしい。2歳6ヶ月の頃に中国へと旅立ったが(それって仮に彩浜に置きかえたら来年の2月に帰るようなもの!?)、立派なおとうさんパンダになっている。成都に行ったときに見た、かわいらしいメスのパンダ毛二も雄浜の子で、その後、毛二はデンマークのコペンハーゲン動物園へ派遣されることになった。このとき一緒に派遣されたオスの星二が閉園後にパンダ舎から脱走。園内を散策していたというニュースも記憶に新しい。興味津々でお散歩してたんじゃないかと勝手に想像してニヤけてしまう(もちろんパンダも他の動物も人もケガなく、処分されことがなかったのでよかったけれど)。

成都で見た雄浜。
2018年に成都で撮影した雄浜は当時16歳。体重は優に100キロを超えていた。デカイし、なんだか気圧されてしまった(汗)。パンダ特有のかわいさを兼ね備えつつも、迫力抜群だった。永明をさらに凛々しくした感じで、グレート・ファーザーの片鱗を漂わせていた。1月の寒い日だったが、広い屋外運動場をドスドスと動き回っていた。ドスドスと擬態語をつけたくなる凛々しさなんだけれど、そこはやっぱり手足の可動域というか長さが違うパンダ。走ると左右に体も耳も揺れてしまう。ほっこりとかわいい。雄浜は、モートに降りると、隣りの運動場をかなり意識していた。現地のスタッフが、「もしかしたらメスが気になっているのかもしれないね」と言っていた。それも納得してしまうほど、雄浜は生命力に溢れ、健康で、たくましかった。名は体を表す。それはパンダにも当てはまるのかもしれない(桜浜と桃浜なんてとくに?!)。雄の浜家トップランカーって、まさに雄浜と名乗る彼のことだと思った。10
(写真は成都在住の雄浜/2018年)

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