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メモ|NOSTALGIBLUE|思い出は青色くくり。

62 黄色なメモパッド。

メモパッドといえば。
1846年から続く老舗ブランド〈mead〉社製のメモパッド。スクールデイズは遠い昔。あなたの人生で、もっともノートにいろいろ書き綴った時代はいつだろう。昨今は、エコとかっていうのもあって、メモを書かないで、タブレットに入力していくペーパーレス化が進んでる。それもまた良し。時代とともに慣習のほとんどは移ろいでいくものだ。といっても、紙のノートにつらつらと覚え書きしたり、メモしたり、ラフスケッチしたり、日記や随筆を綴ったりするひともまだまだいるはず。オッサンもそのひとり。ノートに、チケットの切れはしや気に入ったフライヤーやページやレシートをペタペタと貼付けながら、ドローイングや日記を書いていたエド・テンプルトンやブラッド・スタバといった有名スケーターも紙のノートを手放せないタイプ。

ノート、ガシガシ使っていこう。
ブラッドは、東京にステイしていたときにプリクラにハマって、自身の全裸のプリクラをノートに貼って熱心に東京回顧録を書いてたのが印象的だった。めちゃくちゃなプリクラとまじめな都市考察がカオスになった見開きは、素晴らしかった。ということで、NOTEではなく、ほんとのノートについて。ノートは、使い勝手で選ぶのか、それともルックスや紙質で選ぶのか。基準はそれぞれでいいかと思う。一番大事なのは、ペンの走りがよくて、使っていてイヤじゃないこと。といっても、キャラクターの存在感が大きすぎてメモを書くスペースが窮屈になってしまうのだけは避けたい。そういうのはスクールデイズ予備軍の、落書き番長なキッズに任せておくのがいい。それで、ノートですが、やっぱりよく見かけるものにはそれなりの理由があって、だからこそロングセラーになるわけで、とりわけ、ザ・アメリカなノートが人気。

あのことペニー・レインと、のイントロみたいに。
1888年に〈AMPAD〉社が売り出した、ノートと言えば“This is it”な黄色のメモパッド。現在でもメモ&ノートといえば黄色というのが鉄板だというくらい、よくアメリカの学生に慣れ親しまれている。個人的に印象的なのは、2000年製作の映画『あの頃ペニー・レインと』(原題: Almost Famous)。俳優でプロスケーターとしても有名なジェイソン・リーが、主要キャストのひとり、スティル・ウォーターというロックバンドのヴォーカル役で出演している。そのため、スケーターにも広く知られた名画。このオープニングのクレジットロールは、まさに〈AMPAD〉社の黄色なメモパッドにスタクレを鉛筆で書き綴っていくというもので、黄色なメモパッドがノートだと、This is it”だと、決定的に、こちらに刷り込んでくれる。そのタッチ、その音を聞いてるだけで、こちらも原稿を書きたくなったり、ラフをきりたくなったりしてくる。なんなら、とても良いアイデアが降りてくるような気さえしてくるのだった。62

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