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【PYPL/Q2-2021決算速報】オンライン決済サービスを提供するペイパル、2021年第2四半期の結果は売上×、EPS◯、ガイダンス×。市場予想を下回りAH下落。eBay Marketplaces減速の影響を受けて。CANSLIM定点観測。

このマガジンは取り上げた企業の投資を推奨する意図は全くないことを改めて確認いたします。企業の業績チェック、ビジネスモデル、新着ニュースをシンプルに定点観測する読み物です。

(ペイパルの会社概要・歴史・ビジネスモデル考察は「【PYPL/米国株銘柄分析】オンライン決済サービスを提供するペイパルの会社概要・ビジネスモデル・今後の株価見通し(将来性/成長性)を決算とCANSLIMの観点から考察。」を参照。)


「PayPal(ティッカーシンボル:PYPL)」のQ2-2021の結果が出ました。

After Hourで株価は決算ミスの影響を受けて大きく下落中です。アナリスト予想を下回ってしまいました。

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※YoY = year over year(前年同期比)

□ PayPal 2021年第2四半期決算:

・売上:$6.238B/YoY+19%(予想$6.27B)×
・EPS:$1.15/YoY+7.48%(予想$1.13)◎
・TPV:$311B/YoY+36%
・Active Accounts:403M/YoY+16%

FY21ガイダンス:
・売上:~$25.75/YoY~+20%(予想$25.88B)×
・EPS:YoY~+21%(予想YoY+22%)×

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(2021年7月28日時点)

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2021年第2四半期の結果


■ Revenue(売上高)

Q2-2021:$6.238B/YoY+19%(アナリスト予想$6.27B)

アナリスト予想をクリアできず。今回はPayPalにしては珍しい決算ミスでした。


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Q1-19:$4.13B(YoY+12%)
Q2-19:$4.30B(YoY+22%)
Q3-19:$4.38B(YoY+19%)
Q4-19:$4.96B(YoY+17%)
Q1-20:$4.6B(YoY+12%)
Q2-20:$5.3B(YoY+22%)
Q3-20:$5.5B(YoY+25%)
Q4-20:$6.12B(YoY+23%)
Q1-21:$6.03B(YoY+31%)
Q2-21:$6.24B(YoY+19%)←New!!

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eBay Marketplacesの収益圧縮により、今回は売上が予想を下回ってしまいました。eBay Marketplacesを除くマーチャントサービスの収益は、前年同期比で11ポイント加速し、YoY+32%。

(eBayは現在、自社サイトでの決済機能を引き継いでいる最中)

While PayPal PYPL, +0.50% was the main payments partner for eBay EBAY, +0.83% in the initial years following the separation of the two companies, eBay is now in the midst of taking over the payments experience on its own site.

(引用:PayPal stock slips as earnings beat expectations but outlook comes up short


■ EPS(1株当たりの当期純利益)

Q2-2021:$1.15/YoY+7.48%(アナリスト予想$1.13)

EPSは辛うじて予想を超えました。


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Q1-19:$0.66(YoY+16%)
Q2-19:$0.71(YoY+22%)
Q3-19:$0.76(YoY+31%)
Q4-19:$0.83(YoY+20%)
Q1-20:$0.66
Q2-20:$1.07(YoY+50.70%)
Q3-20:$1.07(YoY+40.79%)
Q4-20:$1.08(YoY+30.12%)
Q1-21:$1.22(YoY+84.85%)
Q2-21:$1.15(YoY+7.48%)←New!!

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EPS予想は「Yahoo Finance」で取れます。アナリストは保守的に予想を出すため、決算企業はこれを超えなければ市場から好感されません。

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金利低下による受取利息の減少、昨年5月の債券発行による支払利息の一部増加も影響し、EPS成長率はほぼ横ばいに終わりました。


■ GAAP/Non-GAAP営業マージン

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株式市場ではNon-GAAP(調整後実力値)が重視されます。

Non-GAAP営業マージンは26.5%(Q1-21は27.7%)。GAAP営業マージンは18.1%。


■ フリー・キャッシュフロー

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Cは$1,059M、前期の1,579Mから大きく減少。FC Marginは17%。

暗雲立ち込める数字が出てきてしまっています。


企業KPI

■ トータル・ペイメント・ボリューム(TPV)


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TPVはユーザーの総支払い金額です。ペイパルの最も重要な指標です。

ペイメントボリュームをひたすら増やす努力を同社は長年実施してきているのです。


TPVはYoY+36%の$311Bと増加。Q1-2021ほど成長はしませんでしたが、それでも強い成長率を見せています。(仮想通貨トレンドの追い風がなくなったのも業績に影響していると思います)

PayPal、Venmo、Xoomを含むP2Pの取扱高は41%増の$90B。TPVの29%を占めます。Venmoの取扱高は58%増の$58B。

Venmoは決済SNS。若者向けであり、Covid-19下では、追加経済対策の給付金による追い風があり、また仮想通貨決済も非常に活発でした。


Venmoなど他サービスについてはPayPalの概要記事を参照してください。


eBay MarketplacesのTPVは41%減少。 eBay Marketplacesを除くマーチャント・サービスのTPVは48%増加。

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全部イーベイのせいですね。

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■ マーチャント・サービス・ボリューム(事業者決済)

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マーチャントサービスのTPV CAGR(年平均成長率)は29%。

トップ15のマーケットプレイスおよびプラットフォームからの売上高は過去12ヶ月で64%増の$118Bに到達しています。eBay Marketplacesの売上高は6%減少。

PayPalの上位15のマーケットプレイスおよびプラットフォームのTPVは、第2四半期に25%増加。eBay MarketplacesのTPVは第2四半期に37%減少。


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全部イーベイのせいですね。

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■ アクティブアカウント/新規アクティブアカウント(NNAs)

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アクティブアカウント数は4.03億(YoY+16%)。新規アクティブアカウントは1140万。


■ Transaction回数

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47億回(YoY+27%)。こちらは安定して伸びています。


財務状況(資本配分/自社株買い/M&A)

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2020年は年間で自社株買いは合計16億ドルを実施。Q1-2021に平均株価249.26ドルで530万株の自社株買いをさらに実施。13億2,000万ドルの資本を株主に還元しました。

今回のQ2では平均株価261.82ドルで765,000株の自社株買いを行い、2億ドルの資本を株主に還元。


2015年にeBayよりスピンアウトしてから、1億2,300万株の普通株式を買い戻し、1株あたり平均82.26ドルで101億ドルの資本を株主に還元しています。

PaypalはFCFの30-40%を自社株買いに充てる方針をとっており、2025年まで継続することを計画しています。


自社株買いはEPSを引き上げますので株式市場で好感されます。アップル(AAPL)と同様に、株主還元に非常に積極的ですね。


M&A


3月にCurvを2億ドルで買収することを発表。5月に返品サービス「ハッピーリターンズ(Happy Returns)」を買収に合意。オンラインの小売業への参入を目指す。


FY-21ガイダンス


■ FY-21:


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・2021年売上見通し:~$25.75B/YoY~+20%(予想$25.88B)
・Non-GAAP EPS:〜$4.70/YoY~+21%(予想$4.73/YoY+22%)

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■ Q3-21:


Q3に関しては、Q1-21に比べ保守的な数字を置いています。

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・2021年第2四半期売上見通し:~$6.15-$6.25B(アナリスト予想6.43B)
・Non-GAAP EPS成長率:~$1.07(アナリスト予想$1.14)

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CANSLIM定点観測


決算に失敗しているのでまっっっったく気が乗りませんが、CANSLIMの定点観測を行います。次なる浮上の時を見据えて銘柄メンテナンスはしておく必要がありますからね。


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たり〜

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では、以前にCANSLIM判定を行った2021年第1四半期からアップデートがあった部分を付け足していきます。


【PYPL/Q1-2021決算速報】オンライン決済サービスを提供するペイパル、2021年第1四半期の結果は売上◎、EPS◎、ガイダンス◎。市場予想を上回る。CANSLIM定点観測。


今回筆者が行った判定結果は以下の通りでした。CANSLIMは残念ながら満たしていません。満たすわけがない。

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C:X
A:◯
N:X
S:X
L:◯
I:X
M:◯

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■ C(=当四半期のEPSと売上) X


C(=Current Quarterly Earnings)を見ていきます。

ここでは以下の2つを判定します。

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⑴ 当四半期のEPSが前年同期比で25〜30%以上か?
⑵ 売上が25%(または直近3四半期で伸び率が加速)以上伸びているか?

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⑴ 当四半期のEPSが前年同期比で25〜30%以上か?


当四半期のEPSが前年同期比で大きな伸び率を示しているかどうかを見ます。最低目標は25〜30%です。より保守的に見るのであれば40〜500%です。

PayPalのQ2-21のEPSはYoY+7.48%でした。「×」です。


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Q1-19:$0.66(YoY+16%)
Q2-19:$0.71(YoY+22%)
Q3-19:$0.76(YoY+31%)
Q4-19:$0.83(YoY+20%)
Q1-20:$0.66
Q2-20:$1.07(YoY+50.70%)
Q3-20:$1.07(YoY+40.79%)
Q4-20:$1.08(YoY+30.12%)
Q1-21:$1.22(YoY+84.85%)
Q2-21:$1.15(YoY+7.48%)←New!!

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⑵ 売上が25%(または直近3四半期で伸び率が加速)以上伸びているか?


PayPalのQ2-2021の売上は$6.24BB、YoY+18.57%です。25%以上とはなっていませんが、直近3四半期の伸び率はどうなっているか確認しましょう。


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Q1-19:$4.13B(YoY+12%)
Q2-19:$4.30B(YoY+22%)
Q3-19:$4.38B(YoY+19%)
Q4-19:$4.96B(YoY+17%)
Q1-20:$4.6B(YoY+12%)
Q2-20:$5.3B(YoY+22%)
Q3-20:$5.5B(YoY+25%)
Q4-20:$6.12B(YoY+23%)
Q1-21:$6.03B(YoY+31%)
Q2-21:$6.24B(YoY+19%)←New!!

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直近3四半期の伸びも加速していません。

EPS、売上双方のデータから、C(=Current Quarterly Earnings)は「×」です。


■ A(=年間EPSの増加) 前回と同様 ◯


ここでは以下の2つを判定します。

■□━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━□■

⑴ 年間EPSが過去3年連続で増加しているか?
⑵ 企業のROEが最低でも17%を超えているか?

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⑴ 年間EPSが過去3年連続で増加しているか?

こちらは前回の判定から変更はありません。

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・2017年(参考):$1.91
・2018年:$2.42(YoY+27%)
・2019年:$2.96(YoY+22%)
・2020年:$3.88(YoY+31%)
・2021年ガイダンス:〜$4.70(YoY+21%)

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⑵ 企業のROEが最低でも17%を超えているか?


次にROEです。最低でも17%を超えているかどうかをチェックします。

PayPalの直近12ヶ月(=ttm)のROEは29.42%です。A(=Annual Earnings Increase)は「◯」です。

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■ N(=新興企業、新製品、新経営陣、正しい株価ベースを抜けて新高値) X


N(=New Products, New Management, New Highs)を見ていきます。

株価が驚くような上昇を見せるには何か新しいもの(収益増加率を加速的に伸ばす原動力)が必要です。

以下の要素について以前の記事で触れました。

⑴ Venmoクレジットカード&仮想通貨の導入
⑵ PayPal暗号通貨での決済を開始
⑶ Buy Now, Pay Later
⑷ 仮想通貨スタートアップCurv(カーブ)買収を計画


企業が成長する要素は抜群ですが、新高値を抜ける必要があります。

(2021年7月28日時点)

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株価が$309.15を超えたところで、N(=新興企業、新製品、新経営陣、正しい株価ベースを抜けて新高値)は◯になります。現在はベースを形成する局面とも言えますが、決算をしくじったのでしばらくはダメでしょう。

N(=新興企業、新製品、新経営陣、正しい株価ベースを抜けて新高値)は「×」です。


■ S(=株式の需要と供給) X


S(=Supply and Demand)を見ていきます。

Sは以下の複数項目があります。一つずつチェックしていきます。

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⑴ 浮動株比率(大企業(米国基準で時価総額100億ドル以上)であれば経営陣が1-3%、中小企業であればそれ以上が望ましい)
⑵ 自社株買いをしている企業かどうか。
⑶ 企業の負債比率が低く推移しているかどうか。
⑷ 直近の出来高(機関の大きい買いが確認できるか)

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⑴ 浮動株比率


浮動株比率を見ていきます。

まずは発行済株式数。例えば、発行済株式数が5,000万株ほどの比較的供給量の少ない銘柄ならある程度の買いが入ります(その分リスクも隣り合わせです)。

PayPalの発行済株式数はどうでしょう。

(7月29日現在@Market Smith)

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前回と変更がありません。判定結果は据え置きの「△」としたいところですが、厳しく見て3%程度欲しいです。「×」にします。

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・Shares Outstanding(総発行済株式数):1174.7百万株
・Float:(浮動株式数):1163百万株
・浮動株比率:99%

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⑵ 自社株買いをしている企業かどうか ◯


上記「財務状況(資本配分/自社株買い/M&A)」の項目でも触れましたが、自社株買いをしている企業が望ましいという点については、PayPalは満たしています。

2020年は年間で自社株買いは合計16億ドルを実施しましたが、Q1-2021に平均株価249.26ドルで530万株の自社株買いをさらに実施。

Q2-2021には平均株価261.82ドルで765,000株の自社株買いを行い、2億ドルの株主還元を実施。


明確にこの項目は「◯」です。


⑶ 企業の負債比率が低く推移しているかどうか X


総資本に対する負債比率の低い企業かどうかを見ていきます。

過去2-3年で負債比率が減少していれば、利息支払い費用が削減されEPS向上が見込まれます。

こちらは年ベースで見ていくものなので、判定結果は前回と同様、「×」です。


⑷ 直近の出来高(機関の大きい買いが確認できるか) X


こちらは本日決算があったばかりなので、後日アップデートします。(機関の売りが入るものと思います)

(2021年7月28日時点)

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6月18日に強い出来高が入り、機関が入ってきたものと思いますが、現在はベースを作って新値を試す場面。決算様子見で揉んでいたものと思いますが、決算をミスしてしまったので、しばらく浮上には時間がかかるのではないかと思います。次回決算に期待ですね。


⑴「×」 ⑵「◯」 ⑶「×」 ⑷「×」で総合的に「×」と判断します。


■ L(=主導銘柄か、停滞銘柄か) ◯


業界内で最高の業績を記録しているかどうかを測る「L(=Leader or Laggard)」を見ていきましょう。

ここでは業界内上位2-3銘柄に入っているかどうかを判断します。

レラティブストレングス指数が80〜90代かどうかで判断をします。


2021年7月28日時点でPayPalのRS Rateは83でした。4月判定時は71でしたが、さらに下がっています。市場に連動し上昇していましたが、今回の決算で冷や水を浴びせられる結果となりました。惜しい。


(2021年7月28日時点)

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L(=Leader or Laggard)は現時点では「◯」です。

競合のスクエア(SQ)は85でした。


■ I(=機関投資家による保有) X


I(=Institutional Sponsorship)を見ていきます。

株価を押し上げるには大きな需要が必要です。投資信託、年金基金、ヘッジファンド、保険会社など。機関投資家に保有されている銘柄であるかどうかが非常に重要になります。


見極め方として、最近の四半期で保有する機関投資家の数が着実に増加しているか、株主数が著しく増加しているか。また株主となった機関投資家は誰なのかまで詳しく調べます。


優秀なファンドが大人買いしているか」を満たさなければならないのでかなり高度な判定です。

まずはPayPalの機関投資家保有株数の直近の動きです。

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(引用:Fintel「Institutional Ownership and Shareholders」)


前回判定時と変わらず、傾向としては横ばいです。機関のポジションは減っていません。

以下はMarketSmithで確認できる、機関投資家の数です。増加ペースが落ちていますね。

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Mar-20:3104
Jun-20:3374
Sep-20:3666
Dec-20:3913
Mar-21:4229
Jun-21:4260

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直近の株主は以下の通りです(Yahoo Finance:Holders)。


Top Institutional Holders(機関投資家保有)

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新しく上位に名を連ねたのはNuveen Asset Management。その他はFMRとState Street、George CapitalとJPモルガンの間で細かい順位入れ替えがありました。大きな変化はありません。Edgewood Management Companyが上位株主から消えました。


Top Mutual Fund Holders(ファンド保有)

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こちらも大きい異動はありません。FidelityとT.Rowe、iShares coreとVanguard Growthの細かい順位入れ替えのみです。


以下がPayPal保有の優良ファンドです。

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□ ファンド名(保有数良順)・・・10year Performance(Before Tax)

・Growth Fund Of America Inc・・・14.71%
・Price (T.Rowe) Blue Chip Growth Fund Inc.・・・17.07%

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優良ファンドはPayPalを握っていますが、直近四半期で機関投資家の保有数量が大きく増加していないことから、I(=Institutional Sponsorship)は「×」という判定になります。


■ M=(株式市場の方向) ◯


2021年7月28日現在は上昇相場です。

こちらは「ブル相場(強気)」or「ベア相場(弱気)」を判断していくマーケット全体の話です。大前提として、株式は「強気相場」でしか買ってはいけません。


マーケット状況については毎週更新しています。

今週の合戦の振り返り!|米国大返し〜US Stock Market Magazine


2021年7月28日時点の株価チャート

(2021年7月28日時点)

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直近で新値を目指しベースを形成していましたが、今回の決算ミスで冷や水を浴びせられ、しばらく浮上には時間がかかるでしょう。残念ですね。

また良い決算を出し浮上してくる時期を待ちたいと思います。


ー完ー

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