【MQ/Q4-2021決算速報】金融カード発行プラットフォームを運営するFintech企業「マルケタ(Marqeta, Inc.)」、2021年第4四半期の結果は売上◎、EPS○、ガイダンス◎。AH大幅上昇。今回も決算とEarningsCallから業界動向をチェック。
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(MQの会社概要・歴史・ビジネスモデル考察は「【MQ/米国株銘柄分析】注目トレンド「BNPL」領域でも業績伸び伸び!(+350%↑↑)金融カード発行プラットフォームを運営するFintech企業「マルケタ(Marqeta, Inc.)」の概要, ビジネスモデル, 今後の株価見通し(将来性/成長性)を直近決算とオニール流CANSLIMの観点から考察。」を参照。)
「MARQETA(ティッカーシンボル:MQ)」のQ4-2021の決算結果が出ました。
Q4-2021:Marqeta Earnings Supplement March 9, 2022
決算は市場予想をクリアし、After Hourで株価は上昇中です。すごい上昇ですね。(ここ3ヶ月は暴落に暴落を重ねたので回復には程遠いですが)
(2021年3月10日時点株価チャート)
一時は37.90ドルあった株価が10ドルを切りました。IPO銘柄らしいボラティリティですね。基本的にはまだ150MA(緑線)が上にあり、50MA、150MA、200MAの並びでセットアップが完了した時に買っていきたい教科書通りの投資は忘れないようにしたいと思います。ガイダンスも良かったので、気づけば買い場が来ているかもしれませんね。
どうもいつもお世話になっています。秀次郎(@hidejiromoney)です。それでは今回の決算の詳細を見ていきましょう。前回の決算(参考)は以下です。
2021年第4四半期決算結果:
◇ $MQ Marqeta’s Q4-2021決算:
・売上:$155M/YoY+75.7%(予想$137.74M)◎
・EPS:-$0.07/(予想-$-0.07 ~ -$0.06)○
・TPV:$33B/YoY+76%
◇ Q1-FY22 ガイダンス
・売上:$160 - 162M/YoY+48~50%(予想$137.15M)◎
・Gross Profit Margin:43% - 44%
・修正EBITDA:Negative 8-9%
AH +21.66%
■ Revenue(売上高)
◇ Q4-2021:$155M/YoY+75.7%(予想$137.74M)◎
アナリスト予想をしっかり超えています。前年同期比も素晴らしい数字を叩き出しています。YoY+76%は異次元です。グロース株の名にふさわしい。
総処理量(TPV)がQ4-2020に比べて76%増加したことが主要因です。TPVが加速しています。10ドル以下のペニー株扱いされているのは流石に間違っている会社だと思います(笑)
※YoY = year over year(前年同期比)
Q2-2019:$32.50M
Q3-2019:$49.50M
Q4-2019:$62.60M
Q1-2020:$64.00M
Q2-2020:$69.4M(YoY+95%)
Q3-2020:$84.3M(YoY+115%)
Q4-2020:$88.2M(YoY+106%)
Q1-2021:$108M(YoY+123%)
Q2-2021:$122M(YoY+76%)
Q3-2021:$131.5M(YoY+56%)
Q4-2021:$155M(YoY+75.7%)←New!!
■ EPS(1株当たり純利益)
◇ Q4-2021:-$0.07/(予想-$-0.07 ~ -$0.06)○
こちらは市場予想と一致です。
過去EPS(non-GAAP)の推移は以下の通りです。
◇ 過去のEPS推移
Q2-2020:-$0.06(N/A)
Q3-2020:-$0.10(N/A)
Q4-2020:-$0.11(N/A)
Q1-2021:-$0.10(N/A)
Q2-2021:-$0.29(N/A)
Q3-2021:-$0.08(N/A)
Q4-2021:-$0.07 ←New!!
マルケタはまだまだ上場間もない新興企業です。EPSがプラスに転じ始めるタイミングも要注目ですね。
■ Gross Profit(粗利益)とGross Profit Margin(マージン率)
◇ Q4-21:$76M(YoY+108%)、Gross Profit Marginは49%。
成長率、そしてマージン率が上昇しています。素晴らしいの一言です。
売上原価は、カードネットワーク手数料、発行銀行手数料、カードフルフィルメント費用、ネットワークインセンティブの項目で構成されています。
ネットワークインセンティブはパートナーシップを組んでいる会社との間で、年間を通じてある一定のボリュームのマイルストーン(四半期ごとの目標)を達成した場合にインセンティブを受け取る仕組みがあります。これが、売上原価を低減させる役割を担っています。(インセンティブを獲得できるようであれば、業績は上振れ、サプライズ決算が起きやすいということです)
売上原価は最後まで変動する可能性あり、読めないということですが、読めない部分は上振れしかないので問題ないとの理解です。
Q3はカードネットワークとのインセンティブ契約の1つを修正したことで、今後Marqetaへのインセンティブが高くなり、Q3では$2Mの収益をもたらしたとのことがEarnings Callでは触れられていました。
Q4では純利益について以下の言及がありました。BNPLが健在です。
■ Net Loss(純損失)
◇ Q4-2021:-$36.807M(マージンは-24%)。
Q3はQ2比+77名の採用。過去最大の採用数だったとのことで、人材への継続的な投資や株式ベースの報酬の増加が原因となっていました。
Q4は数字は改善されていますが「Buy Now, Pay Later(今すぐ買って、後で払う)」方式が休暇中に大人気となり、大幅な業績アップを達成。人材への投資は継続。
BNPLについて詳しくはAFRMの企業概要記事が参考になるかと思われます。
■ 修正EBITDA
◇ Q4-2021:$1.162M、修正EBITDAマージンは1%。
Q3は株式ベースの報酬を除く報酬関連費用が2020年同期比で61%増加したことが主な要因。Q4はプラスになっていますね。
企業KPI
■ トータル・プロセシング・ボリューム(TPV)
◇ Q4-2021:$33B/YoY+76%
Q3のYoY+60%からなんと加速。2021年通年で$110B突破!
TPVが2019年から2021年にかけて400%以上、4年間で+4900%(50倍)成長しており、長期トレンド待ったなしと言ったところでしょうか(景気次第ではありますが)。
顧客基盤の多様化を継続する中で、新規顧客や成長中の業種が成長への寄与を高めました。上位5社の顧客は引き続き好調で、Q4のTPV 成長率は50%を超え、残りの顧客は 200%超の成長率となりました。
◇ 過去のTPV推移:
Q2-2020:$15,100
Q3-2020:$17,300
Q4-2020:$18,700
Q1-2021:$24,000
Q2-2021:$26,500(YoY+75.5%)
Q3-2021:$27,600(YoY+59.5%)
Q4-2021:$33,000 (YoY+76.5%)←New!!
マルケタを見る上で一番大切な指標です。
「トータル・プロセシング・ボリューム(TPV)」とは、総取引金額です。この金額が大きくなればなるほどマルケタに手数料(カード取引からの*インターチェンジフィー)が入ることになりますし、ネットワーク効果が働くことになります。
同じフィンテック企業のPayPal、Square、AffirmでもこのTPV(GPV, GMV等)は重要KPIとしていますよね。
Q2はTAXシーズンの申告期限のズレなどでデジタル・バンキング(還付金の受け取り)およびBuy Now, Pay Later(BNPL)の両分野の業績が好調でしたが、Q3も同様の事象が成長を牽引しました。
Q2のBNPL分野の純売上高が前年同期比で350%増加でした。Earnings CallでJPモルガンのアナリスト(質問者)が泡吹いてました。革命です。
Q4についてはEarningsCallで以下のコメントがありました。消費者の活動のシフトがMQの業績向上に大きく寄与していることがわかります。
財務状況(資本配分/自社株買い/M&A)
■ 資本配分
IPOの公募価格である$27を今は下回っている状況でもあり、公募は特段行われていません(できるわけない)。今後株価が堅調に伸びていくと、公募は行われるでしょう。
今回上昇気流に乗ると、一気に株価を上げ公募増資実行までいくかもしれません(願望)。
尚、ロックアップ解除は11/12に完了しています。
■ M&A
直近はなし。
昨日、Citiグループの法人カード部門と提携を発表しました。ネットワークがどんどん広がりますね。
Earnings Callでも強固なパートナーシップについての言及がありました。
FY-2022ガイダンス
マルケタが提示したガイダンスは売上と調整EBITDAのみですが以下です。インフレで人々の消費控えが見込まれると想像していましたが、想像以上の成長率見通しです。Earings Callで詳しく聞いてきます。
◇ Q1-FY22 ガイダンス
・売上:$160 - 162M/YoY+48~50%(予想$137.15M)◎
・Gross Profit Margin:43% - 44%
・修正EBITDA:Negative 8-9%
Earning Call(役員説明とQ&A)
こちらに日本語訳(調整済み)で全文記事にしてあります。重要ポイントは上記の決算数字項目に落とし込み、以下記事内ではハイライトにしています(太字)ので参考にしてください。
内容はこの記事の上記の決算項目にそれぞれ盛り込んでおりますので、ここでは市場が最も関心を寄せている最初の質疑応答を記載します。
(Question①)サンジェイ・サクラニ/キーフ・ブリュイエット&ウッズ
技術や製品への投資について質問です。Marqetaが成長できるさまざまなチャネルについて考えるとき、それが国際的にどこから来るのかについて、教えていただけませんか?
ジェイソン・ガードナー/CEO
現代のカード発行は世界的な現象です。私たちは、この大きな市場に参入するために、積極的に活動しています。私たちが行っていることの1つは、お客さまがどこで事業を開始しようとしているのか、どの市場で事業を開始したいのか、そして私たちの技術にとって最も直接的な可能性を持っているのかを常に評価していることです。
これまでお話ししたように、私たちは現在39カ国に進出しています。最近、シンガポール、タイ、フィリピンを発表しましたが、おそらくシンガポールにAPACのハブを設置する予定です。そして、国際的な活動をしていく中で、現代のカード発行は世界的な現象であることがわかりました。今年のMarqetaのスローガンは、「グローバルなお金の動きで世界をつなぐ」です。
私たちのお客様は、ここ米国、カナダ、ヨーロッパ、アジアだけでなく、多くの国、都市、大陸でビジネスを展開するために、本当に私たちのところに来て、価値を解き放つために利用しています。また、「BNPL」、デジタル・バンキング、経費管理など、これまで当社が大きな成果を上げてきた分野にも引き続き注力していきます。このように、私たちは今日までの経緯にとても満足しています。マイクが話したように、純収益は5億1,700万ドルで、これは堅固で堅実な基盤です。今後の四半期でも、新しい市場や国際的なパートナーシップについてお知らせできることを楽しみにしています。
サンジェイ・サクラニ/キーフ・ブリュイエット&ウッズ
素晴らしい。BNPLのフォローアップをお願いします。もちろん、あなた方にとっても、業界にとっても、BNPLは驚異的な成長を遂げています。しかし、2022年に向けては、コンプが難しくなってきます。この種のローンでは、おそらく既存の企業との競争が激化し、加盟店の嗜好も変化してくるでしょう。BNPLの成長の可能性について考えるとき、特にあなた方にとっては、既存の関係の中で拡大していくだけなのでしょうか?それとも、成長に何らかの圧力がかかると考えるべきでしょうか。
ジェイソン・ガードナー/CEO
私たちは5年ほど前から、「バイ・ナウ、ペイ・レイター(BNPL)」に取り組んでいます。私がヨーロッパでMoney 20/20にいたとき、Klarnaという会社と出会いましたが、今では有名な会社です。しかし当時は、彼らが具体的に何をする会社なのかよく知りませんでした。私たちは、特定の業種に特化したサービスを開発し、成功を収めました。Klarna、Affirm、Zipの買収を発表したSezzle、Blockの一部となったAfterpayは、Marqetaのプラットフォームの強さと競争力を如実に物語っています。では、ここから始めます。
Buy now, pay laterは、Marqetaの重要かつ重要な成長ドライバーであり続け、TPVの10%をはるかに超えています。私たちは、Mastercardの新しい分割払いプログラムのローンチパートナーになりました。私たちはSezzleと協力しており、Targetとの取引も行っています。Amountとの提携では、金融機関に今すぐ購入し、後で支払うというサービスを提供します。Figureの新製品であるFigure Payは、BNPLのネイティブ機能を備えたデジタル決済口座です。
このように、私たちは2つの成長ベクトルを見出しています。まず海外ですが、これはプラットフォーム上でより多くの加盟店を利用できるようにするためです。また、新しい地域や新しい技術に対応するため、トークン化にも取り組んでいます。実際に物理的なカード製品を作るようになり、それを実現するために市場に出てきているのです。ですから、私は、今買って後で払うという機能を、バーチャルカードだけにフォーカスして見ることはしません。今後、ビジネスの多角化を進める中で、当社のプラットフォーム上にさまざまな種類のカードを構築することを検討しています。
ーFINー
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