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「CANSLIM」は成長株発掘法の著者、ウィリアム・オニール氏の成長株の見極めに用いられる判断指標です。


オニール氏の理念は以下です。

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・CANSLIMを満たすかどうかで真の成長株かどうかを見極める。
・株価チャートで売買のタイミングを測り大きな利益の獲得を狙う。

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CANSLIMとは以下の頭文字です。これら全てを満たすと「大化け株」となります。(満たしていなくても有望銘柄として売買はOK、投資家の技量が試される)


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C(=Current Quarterly Earnings=当四半期のEPSと売上)

A(=Annual Earnings Increase=年間EPSの増加、高いROE水準)

N(=New Products, New Management, New Highs=新興企業、新製品、新経営陣、正しい株価ベースを抜けて新高値)

S(=Supply and Demand=株式の需要と供給)

L(=Leader or Laggard=主導銘柄か、停滞銘柄か)

I(=Institutional Sponsorship=機関投資家による保有)

M(=Marker Direction=株式市場の方向)

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今回はN(=New Products, New Management, New Highs=新興企業、新製品、新経営陣、正しい株価ベースを抜けて新高値)について詳しく取り上げます。

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CANSLIMの「N」とは?


株価が驚くような上昇を見せるには何か新しいもの(収益増加率を加速的に伸ばす原動力)が必要です。

オニール氏の1880〜2008年のデータをもとにした研究では、実に大化け銘柄の95%以上がこの「新しい」何らかの変化を示しているとのこと。


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新しいものとは具体的に何を指すのじゃ?

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1800年代後半の鉄道産業(人々の各地往来が活発化)、電気、電話、カメラ、自動車、ラジオ、飛行機など。

人々の暮らしに革命を起こすようなものを指します。


また、人々の暮らしに革命を起こすようなものを提供しているだけでは、まだ「買い」ではありません。

正しい株価ベースを抜けて、新高値をつけた瞬間(これが絶好の買い場)を狙い澄ます必要があります。


新製品の過去事例と、正しい購入タイミングについて後続で説明していきます。


新興企業、新製品、新経営陣の事例


過去も事例を見ると、この「新しいもの」とは、以下のようなものが挙げられます。どれも、「人々の暮らしに革命を起こすようなもの」であることがわかります。


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オニールの成長株発掘法を一部抜粋

・ノーザンパシフィック・・・最初の大陸横断鉄道
・アメリカ・ラジオ会社・・・商業ラジオの市場を獲得
・レクソール・・・世界第二次世界大戦後のタッパーウェア事業で成功
・チオコール・・・ミサイル用の新しいロケット燃料を製品化
・シンテックス・・・経口避妊薬(ピル)の販売を開始
・マクドナルド・・・低価格のファストフード店をフランチャイズ化
・ヒューストン・オイル&ガス・・・新たな大型油田開発
・ワング・ラボラトリーズ・・・オフィス用ワープロの発明
・シスコ・システムズ・・・ルーターとネットワーク機器を開発、地理的に離れたコンピューター同士をLANで繋げることに成功

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シスコシステムズといえば今を駆ける「Zoom Video Communications」のCEOユアン氏の古巣じゃな。ちなみにZoomも人々のリモートワークを根付かせる中心人物なので、Nはクリアじゃの。詳しくは↓↓記事内で。

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・マイクロソフト・・・ウィンドウズという確信的なOSで家庭パソコン市場を支配
・AOLとヤフー・・・両社ともインターネット市場を先導、ネット上のあらゆるサービスや情報にアクセスできる新しい「ポータルサイト」を提供
・オラクル・・・データベースやインターネット事業用のアプリケーションを提供
・チャールズ・シュワブ・・・低料金でサービスを提供する一流のネット証券(だった)


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ネット証券というと今は「ロビンフッド」「富途控股(FUTU)」「コインベース(COIN)」辺りが似た立ち位置になりそうです。

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アップル(AAPL)・・・新しい小型音楽プレイヤー「iPod」が人気に


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現代では「人々の暮らしに革命を起こすようなもの」を世に送り出しているのは、上記で述べたズームや、同じくリモート銘柄のOKTA、また一つのアプリでお金周り(送金取引など)が一括で行えるサービスを提供するスクエアやペイパル、または電気自動車の時代の先端を走るテスラ などが挙げられますね。



正しいタイミング(正しい株価ベースを抜けて新高値)で買う


正しく形成された株価パターンからのブレイクアウトは最大級の上昇が始まる場所。大幅な値動きをする可能性が高まります。

株価のベース(地固め)形成期間は、通常7-8週間、長い時で15ヶ月など。


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オニールが一番推奨しているチャート形状のカップウィズハンドルについては以下で殿がお伝えしてますので参照ください!

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株の絶好の買い場は「強気相場」で、株価がベースから上へブレイクアウトした時です。(買いポイントから5-10%上昇してしまうともう遅い)

5月26日現在の株式相場は「Uptrend Under Pressure(上昇相場頭打ち)」です。完全な強気相場ではありません。

リアルタイムのマーケット動向は「米国大返しマガジン」で定期発信しています。


オニールの成長株発掘法からの抜粋になりますが、以下シンテックス株のように「強気相場」で1963年の4-6月に大きな出来高と共に上昇、そしてもみ合い、その後に新高値をつけた瞬間。ここが絶好の買い場ということですね。

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