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新刊に「13歳のきみと…」といえタイトルをつけたからこぼれた話

「実は他にもこんなエピソードがあってね…」という話ではありません。

新刊、

13歳のきみと、戦国時代の「戦」の話をしよう。 https://www.amazon.co.jp/dp/4344036891/ref=cm_sw_r_cp_api_i_29aNFbP24R4VS

の中に、補足情報として入れようとしたけど、

「これ、子どもたちは逆にこんがらがるかもな……」

と思ったので、書くのをやめた話があります(というか、他にもある)。

新刊を読んだ方、ちょっと聞いてもらっていいですか。
この際、新刊を読んでない方も聞いてください。
13歳には不親切になると思ってやめた話ですが、大人の方ならわかってくれるかも。
細かい説明はアンドロメダの彼方にぶっ飛ばしますが、

関ヶ原の戦い

についてです。
なるべく平易な文章にするつもりですが、そのへんもあまり気を使わず書いてみます。
 
 
現代でも知名度抜群の関ヶ原の戦い。
徳川家康率いる東軍と石田三成率いる西軍がドカンとぶつかり、たった1日で決着のついた、戦国時代総決算バトルです(1600年を戦国時代とするのかは説によりけり)。

戦い自体は1日で終わってます。が、それまでに繰り広げられた各武将の計略、戦略、Air鍔迫り合い。関ヶ原の戦いの本当の面白さは、"戦いに至るまでの経緯"にあるんですね。

なぜ関ヶ原の戦いには多くの駆け引きが生まれ、本戦に至るまでの経緯がドラマチックになったのか。
大きな理由の一つに、

"豊臣家の内部抗争"

という点が挙げられるかもしれません(個人的見解)。

もしかすると、大人でも勘違いしてる人が多いんじゃないでしょうか。
関ヶ原の戦いってのは、

"豊臣秀吉が死んだあと、次の天下人の座を巡って、家康と三成が戦った"

そんな戦だと。

違うんです。

これだと"2つ"、大きく間違ってる部分があるんです。

まず、石田三成は天下を狙ってません。
そして、家康も、

天下を狙ってはいないんです(表向きはね)。

 
石田三成は秀吉の忠実な家臣。豊臣家に忠誠を尽くし、豊臣家の安泰のために家康を討とうとしたわけです。
ま、これはご存知の方も多いでしょう。ドラマなんかでも秀吉と秀頼(秀吉の息子)に尽くした家臣として描かれてますから。

イメージと違うのは徳川家康です。
秀吉が亡くなった時点で

「オレの天下だぁー!」

と豊臣家をぶっ壊しにかかったとお思いの方もいるかもしれませんが、そんな事はできないんですね。
なぜなら秀吉さんが死んだ時点での家康は、

"バリバリ豊臣家の家臣"

だから。
いきなり豊臣家を破壊しようもんなら、まわりの大名が黙っちゃいません。
大ブーイングを巻き起こし、2つの意味で大炎上することは必至です。
ま、かなり豊臣をないがしろにする行動を取るのは確かなんですが……その辺ギリギリののラインを渡るってとこに家康の政治的駆け引きの巧さがあります。

ですので、家康の上司には、秀吉の遺児・豊臣秀頼くんがいて、家康も、"豊臣家の安泰のため"に動こうとしてるわけですよ(表向きはね)。

ただもちろん、家康と三成では、その考えに大きな差があります。

三成という武将は、ホントに豊臣家のために動いてます。秀吉が亡くなった途端、越権行為を繰り返す家康に危機感を覚え、このままでは豊臣家が家康の意のままになる、そうはさせない……という思いから家康に対抗したんですね。

一方家康は、自身の勢力拡大を念頭に置いてます。自分が政治を司ることによって、豊臣家にも世の中にも平穏が訪れる。それを阻害しようとする石田三成……よし、排除だなって感じです。

オリジナルの豊臣家を大切にした石田三成。
内部をガラリと変革させ、形だけの豊臣家を作ろうとした徳川家康。

まったく異なる未来を思い描いた2人ですが、、
よくよく考えると、お互いが言ってるのは、

「あいつ(家康or三成)は豊臣家にとって害悪だ!! 秀頼様(秀吉の息子)のためにも、オレがブッ倒してやる!!!」

という、まっっ…たく同じ主張になるんですよこれが。

だからまとめますとね、
関ヶ原の戦いって、シンプルに言えばただの

派閥争い

なんです。

ただ、その規模がハンパなくデカかった、というだけのこと(そこがイカついんだけど)。
豊臣ホールディングスという日本一の組織で派閥争いやっちゃったもんだから、天下分け目の大決戦に発展しちゃった、、

簡単に言うとそんな戦なんです。

 
という説明をね、本に入れてみようかなーと思ったけど、「13歳」ってタイトルにしたとたん、やめました。
もっと他に子どもたちに伝える事柄があるなと。
これはこれで面白い観点だけど、それはまた別の機会にすりゃいいじゃないか。何よりこれを簡単にまとめるカロリーがハンパない。だったら他の文章の精度をあげよう。

そう思って端折ったから、ここに書いたよー!
読んでいただきありがとうでした!

本当にありがとうございます!! 先にお礼を言っときます!